木星と土星が重なる時、望遠鏡を覗いてた
2020年12月21-22日、私は幸運なことに兵庫県にある西はりま天文台で過ごすことが出来た。そこには、日本国内最大の公開望遠鏡、なゆた望遠鏡がある。
この場所の存在を知ったのは11月中旬、久しぶりに会った友人との帰り道、「ほら、木星と土星が肉眼でも見えるよ」夕方の空を見上げて友達が教えてくれた。
私、一応占星術をかじりだして約3年。でも、木星と土星が肉眼で見えるなんて知らんかったで、青天の霹靂!
「木星と土星が重なるグレートコンジャンクションで星読みさん達は、今ザワザワしてるのよ」
「私、はりま天文台で木星見たよ。縞模様まで見えて綺麗だったよぉ」
何ですって?縞模様が見える??ってことは土星の輪っかも見える?こうなったら何が何でも はりま天文台に行って土星の輪っかが見たい!
それから、手当たり次第に友人に声をかけて都合のつく日を調整していたら、偶然にもその日はグレートコンジャンクションの日。
ちょっと待って!土星より大きい木星が地球側にあるってことは、重なっちゃたら土星の輪っかは木星の影から飛び出したようにしか見えない??
私の頭の中では、こんなイメージ…
空の星の配置を全く分かってないねんな、木星と土星が重なるこの日、このことを強烈に思い知らされる記念日になった。
木星と土星は、まだ太陽のあかりが完全になくなる前、黄昏時の夕方、南西の空の低い位置に見つけることができた。12月21日は晴天、暖かかった昼間とは違い、夜に近づくにつれて気温はどんどん下がって寒い。
望遠鏡の中に現れた木星と土星は、飴玉みたいに小さくて、プラバンで作ったブローチのアクセサリーみたいにレンズの向こうに浮かんでいた。
「土星って、口うるさいおじいちゃんって占星術で習ったけど、ずっこけるほど可愛い感じ」と思うのもつかの間、
「ちょっとちょっと、私の期待してた映像とはえらいちゃうやんか、えっらい ちっちゃいやんか!もっとドバーっと大きい迫力の輪っかが見えるのかと思ってたのにぃーー」
世紀の大イベントの最中になんて不謹慎なことを思ってしまったんだろう。
星の大きさと地球との距離を全く分かってないねんな、木星と土星が重なるこの日、二度目のパンチをくらった感じ。
なゆた望遠鏡で木星や土星を鑑賞できたなら、きっと私の期待通りの映像だったのかもしれない。なゆた望遠鏡の鑑賞時間は夜19時から、木星と土星は、すでに地平線の下へ沈んでしまっていた。
約400年ぶりの大接近、「土」の時代から「風」の時代へ移行する大変革期、ものものしい瞬間に私が感じていたこと、「風の時代の生き方はね・・・、」とか置いといて、「なんて天体のことを知らなかったんだろう」そんな天文学的、宇宙物理学的なこと。「占星術ちょっと分かります」なんて恥ずかしくて言えんな💧
今まで平面的な線と記号でしか見ていなかったチャートが、一気に頭の中で立体的な形を形成してきた。
占星術で使っているサインと夜の空を飾る星々のサインの違いや惑星の逆行、そして、当たり前だけれど、星は常に動いているということ。
そう、静止している星はない。
望遠鏡の中にとらえていた星達は、少し時間が経つとレンズの中にはもういない。星達も動いているし、私たちが乗っかている地球も動いている。
宇宙全体が動いている。
それに逆らって、私が、いやいや、私達が、立ち止まっていられる訳がない。止まっている方が不自然だ。動くことでバランスが保たれる。
星ってすごいなー、人間は宇宙の一部なんだなー。
木星と土星が重なるこの日、三度目の強烈なパンチ。やっぱり土星はゴンゴン迫ってくる、口うるさいじいちゃんだな。それを木星が拡大しとる😑