推しを庇ったら嫁になりました

〇〇:緊張する……

俺は今推しの奥田いろはの初リアミに来ている

〇〇:う〜ん…何話そう……

開始前にレーンに並んだため少し時間があった

ピコンッ

〇〇:ん？運営からお知らせ？

『メンバーに対する付きまとい行為について』

〇〇:メンバーに付きまとい行為してる奴まだ居るんだ…

〇〇:散々やめろって言われてるのになぁ〜…あっ始まった！

自分の番が近づくに比例して緊張度も増していった…

〇〇:皆よくスラスラ話せるな〜…後ろの人みたいにブツブツ言って練習してるんだろうな

周りのオタクに対する尊敬をちょっと抱いたところで俺の番がやってきた

〇〇:は、初めまして！

いろは:〇〇君初めまして〜

〇〇:(いろはが俺の名前を…！)

いろは:いろは一筋！って書いてるけどほんと？

〇〇:ほんとです！いろはちゃんしか見てないです！

いろは:え〜嬉しい！これからもずっと私だけ見ててね♡

〇〇:もちろんです！

剥がし:はい、お時間で〜す

〇〇:次も部も来ます！

いろは:待ってるね〜

無事初リアミを終えられて満足しながらチラッと次の人を見ると

〇〇:(何か光って…あれはナイフ！？)

俺が気づいた時にはそいつが走り出していた

〇〇:危ないっ！

いろは:！！

グサッ…

〇〇:うっ…

いろは:〇〇君大丈夫！？

いろはを庇うために咄嗟に走り出し腕を伸ばした結果ナイフは俺の上腕に突き刺さった

男:離せ！お前邪魔すんなよ！

スタッフ1:話は裏で聞くから来い！

スタッフ2:1さん救急車と警察呼びました！

スタッフ3:僕が付き添うので救急車乗って病院行きましょう！

〇〇:ちょっと痛いくらいなので大丈夫ですよ！

スタッフ3:ナイフで刺されてる以上無事な訳ないのでダメです！

スタッフ3:あと病院着くまでナイフ抜いちゃダメですよ！

〇〇:わ、わかりました！

スタッフ2:一旦全メンバー止めて安全確認出来てから再開して！

いろは:〇〇君ごめんね…

〇〇:なんでいろはちゃんが謝るの？

いろは:だって私を庇って…

〇〇:これは俺が勝手にしたことですから笑

〇〇:それよりいろはちゃんが無事で良かったです！

いろは:この恩は一生忘れないから！

〇〇:大したことしてないので忘れて良いですよ笑

スタッフ3:救急車来ました！

〇〇:はい

翌日

俺は病院のベッドの上にいた

ナイフが刺さった所が悪く腕が上がらない為手術する事になった

幸い運営の方が医療費を肩代わりしてくれるみたいなので気兼ねなく休めている

〇〇:明日手術か〜…緊張するなぁ

コンコン

〇〇:はい！(誰だ！？)

いろは:失礼します…

〇〇:い、いろはちゃん！？

いろは:〇〇君…明日手術するんだってね

〇〇:なんでそれを…

いろは:運営の人に聞いたの…ごめんね私を庇ったから

〇〇:俺が勝手に庇っただけだからいろはちゃんは悪くないよ笑

いろは:でも…

〇〇:むしろ会いに来て大丈夫だったの？

いろは:うん、なにか恩返しがしたくて来ちゃった

〇〇:心配してくれただけでも十分恩返しになるよ！

いろは:それだけじゃ私の気が済まないの！

〇〇:でも…

いろは:なんでも言って！叶えるから！

〇〇:じゃあ………

数年後

いろは:まさか〇〇のお願いが"いろはちゃんが卒業するまで保留"だなんてねぇ〜笑

〇〇:仕方ないだろ相手はアイドルだったんだから

〇〇:でも連絡先渡されるとは思ってなかった笑

いろは:あぁでもしないともう会えないかもだったし…

〇〇:現に連絡先貰っちゃったしあれ以降気まずくてイベント行ってないもんなぁ笑

いろは:それで数年温めたお願いは決まったの？

〇〇:それなら決まってるよ

いろは:なに？

〇〇:実はあの手術以降調理器具持ちにくいんだよね〜だからさ…

〇〇:明日から俺の隣で一緒に料理作ってくれませんか？

いろは:なにそれ笑

〇〇:俺が出来る1番キザな告白だよ…返事は？

いろは:もちろん…よろしくお願いします！

〇〇:うぉ〜！

いろは:それよりさっきの調理器具持ちにくいって嘘だよね？笑

〇〇:バレた？笑

いろは:この前俺の自信作！って写真送り付けてきてたもん笑

〇〇:あ〜そうだっけ？笑

いろは:私嘘つく人嫌いなんだよね〜笑

〇〇:いろはが好き！大好き！だからこれからも一緒に居てください！

いろは:ふふっ///

〇〇:居て…くれる？

いろは:さっきも言ったでしょ！

いろは:よろしくお願いしますって

リアミで推しを庇ったら数年後に嫁になるなんて人生何が起こるか分からないな笑

〜Fin〜