『淡島百景』

大好き!
志村貴子さんの『淡島百景』
2015年4月14日に発売されました。

こちらも太田出版ぽこぽこにて連載されていた作品が単行本化!
始めたばかりで2回連続、ぽこぽこ漫画なんて太田出版の回し者のようですが、私は無職です!!

私の中でガールズラブ漫画の名作『青い花』の登場人物とリンクしていたりしているので、『淡島百景』読んでから『青い花』読み直しちゃいました。

この方のつくる人物には歴史がある。

『淡島百景』はある名門歌劇学校に通う女の子達のお話です。
タイトルが

1話 田畑若菜と竹原王子
2話 竹原絹枝と上田良子
3話 岡部絵美と小野田幸恵
4話 伊吹桂子と田畑若菜
5話 柏木拓人と吉村さやか

という構成で、この人物たちが世代を超え時を超え関わりあっているのです。
この作品でもそうですが、現在高校生の主人公達の親や先生もまた高校生だった頃がある、そんな話が綴られているのを見る度に、

志村さんの描く人物はちゃんと歴史があって素敵だな、

とおもうのです。

ちなみに、第2話の上田良子さんは、『青い花』の登場人物で、『青い花』は高校時代が描かれていますが、この第2話では上田良子さんの中学時代が描かれていて、上田さんこんな過去があったのかよおおと私は、何度読んでも泣いてしまいます。


才能を見出せなかった私には、なにかを持った人が近くにいることの苦しさが痛いほど身に染みるのです。

それが、好きな人ほど、苦しい。

「このままあなたと一緒にいたらあなたに嫉妬していたと思う」
「したらなぜだめなの」
「そんなこともわからないで」

名言です。ハっとしました。
志村さんの言葉はとても詩的で、絵も綺麗そのものですが、言葉まで綺麗です。

私、志村さんがもしも小説家だったとしてもきっと好きになっていたと思う。
私は「淡島百景」でしたらこの台詞が出てくる2話が1番好きでしたが、

3話では

「桜の花があまりにも迷いなく散っていくので」
「わたしの肉体も思いきりよく散り散りになってしまえばよいのにと思った」

なんて胸をしめつけるような言葉がでてくる。
綺麗な絵の中にときより残酷な重い文字が飛び出てきて胸をぐっとつかまれます。しかしこの3話の岡部恵美さん。とても素敵な女性でした。

もう、わたし志村さん大好きなんです、
志村さんの台詞詩集にしたい。
でも絵もとても好きだから、ありがとう漫画家になってくださって!と心から思います。


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