愛に乱暴/吉田修一
もう、2年ほど前に移動時間で読むために持ち歩いていて、10ページほど読んだあたりで、昔通っていた専門学校の飲みの席で忘れてしまい、以来その学校のスタッフさんが学校で預かってくれていた。
が、取りに行けず、1年後くらいに、郵送してもらってからもなんとなく読まずにいた。
その1年後、今。
なんの気なしに、移動する時に読む本が無くなったからこれでいいかな、と読み始めたら、移動もなにも、もう1日で読んでしまった。
読後、苦しい。
私はどうも、桃子が狂っているとは思えない。
ただ頑張っていたじゃないか。
だけど、その人の心理は言わなきゃわからない。言動聞いていたら、どうだろうか、と思うとゾッとする。
なにをそんなに自分と戦う必要があるのか、と言いたくなる。弱い私は言いたくなるけど、あの強さにひどく憧れる。必死でつながりを途絶えないように、と、彼女は。ああ。ありがとうが無ければ、私は吉田修一を嫌いになっていただろう。
明日は4時起きなのにもう1:17。
まんまと、じわじわと全身を締め上げられた気分でぐったりしている。寝れる気がしない。白地に赤いバラのカバーを外した本体に描かれる銀色のチェーンソー。まさにこの内装そのものが主人公のようだ。ミスリードを誘う仕掛けにも驚かされる。あの仕掛けがなくとも面白いと、思うも、いやだからこんなにじわじわと知らず知らずに締め上げられているのかとも気がつく。
サンドウィッチが食べたい。
食べたいというより、作りたい。