ネイルをやめたらコンプレックスを思い出した話
指先は毎日見るものだから、と少しでも元気よく生きてみたくて2年ほど続けたネイルを、先日やめた。なんとなく、と思いたったのもあるけど、きっかけはただの金欠。
ジェルネイルを繰り返して、少しずつ薄くなった久しぶりの自爪をみて、そういえば私は自分の爪がコンプレックスだったなと思い出した。噛む癖があったせいで、横から見たときの輪郭が不格好なのだ。
幅も長さもあるけど、横から見たら平たくてなんだかみすぼらしい私の爪。中指なんてえぐれてるみたいに真ん中がへこんでいる。
しばらくみないうちに忘れるくらいだから大したコンプレックスでもなんでもないだろう、と思われるかもしれないし、自分でも思わなくもない。
でもちゃんと子どもの頃の私には、自爪を隠す素振りが染み付いていた。
なんとなく袖を伸ばしてみたり、指先を丸めてみたりしていた当時のことを、私は今も覚えている。久しく思い出していなかっただけで、忘れてはいなかった。
そのことにもびっくりした。
爪を噛んでいたのは紛れもない私なのだから、傷つくのもなんだか私に対して理不尽なような気もするけど、それでも幼い私は自分の習慣に確かに傷つけられていた。困ったものだ。
だから何の話だと我ながらなってしまうんだけど、今は久しぶりに見たぺたんこのピンクの爪が、ちょっと面白い。
こんな形だったか、私の爪。
久しぶりだね。
あの頃から変わらない平たさなのに、今は大して隠そうとは思えなかった。私の心の形は、子どもの頃から少しずつ変わっていて、今の私にとっては、この爪は『なんとも思わない』というジャンルに入ったんだな。
これを成長と呼ぶのか、諦めと呼ぶのかはわからないけど、何にせよ当面は自爪を楽しみたい。
自分で爪切るの楽しいね。