【初めましての人へ】の伝え方を考えるnote【セクマイあれこれ】
初めまして。
私はセクマイなのでけじすべを応援しており、訴訟の傍聴をしたり、ビアンの人に役立つ何かをデザインできたりしないかな、と考えている者です。
……さて。
上記、いちばんはじめの「自己紹介」のような文章、どう思いましたか? 知らない、わからない、理解できないポイントは、どのくらいありましたか?
私は、あなたがどれくらいわからないのか、それともわかっているのかを、一人一人のあなたに聞くまでわからなくって、だから会話が至らなかったり、逆に溢れすぎたりします。
「あっ、この単語って耳馴染み無い人の方が多いかも? 説明しなきゃ!」とか「あっ、このニュースって身近では有名だけど、結構マイナーな方か!」とか、【自分の”ふつう”が世界共通ではなく、ローカルルールだった】みたいなことに気づく機会は誰にでも多分、多かれ少なかれあるんじゃないでしょうか。
「いつも喋っているあの話題」みたいな共通認識や、「この人はこういう人」という事前知識がお互いに無い、初めましての人だと尚更に。
けれど、できることなら誰にだって過不足なく、できるだけ語弊がなく伝えたいです。
この記事は、今までよく聞かれたことなどを参考にしながら「初対面のどんな人にでも、なるべくスムーズに自分の現在情報が伝達できる」ことを目標に制作しました。
用語解説や現状の説明等を挟み、私自身が私を今初めて見る気持ち&初めての人が実際に読んでくれた際の「わからないこと」をヒアリングし、適宜修正しながら、じっくり組み立てていこうと思います。
私のこと
私は20代女性です。彼女がいます。
「LGBTQ+」の「 L〔性自認が女性で性的指向が女性に向いている、女性同性愛者〕=レズビアン」を自覚しています。
レズビアン=ビアン
レズビアンのことを「ビアン」と略して呼んでいるのですがこれは、「"レズ"という呼び方が揶揄の意図で使われていた時代もあり、嫌悪感を抱く当事者もいるから」というのが主な理由です。
同じような理由で、「ホモ」「オカマ」「オナベ」などの呼称も私は避けています。
セクマイ・クィア・LGBTQ+
性の在り方が多数派とは異なることから、性的少数者を意味する「セクシャルマイノリティ(セクマイ)」と呼ばれたりもします。「クィア」という呼び方も、既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称として最近よく見かけるものです。
「LGBTQ+」「セクマイ」「クィア」の定義に、明確な違いはありません。しかし細かな違いはあるため、好き嫌いやこだわり、TPOなどにより人によって使い分けている印象です。
私は主に、一般的な認知度が高い「LGBTQ+」を公の場ではよく使いますが、個人的には「セクマイ」が言いやすくて好みです。
自覚の流れ
⓪高校の時に大好きな先輩がいたけれど、社会や周囲の目を気にし「憧れと勘違いしているだけ/いつか異性と結婚するべき」と恋愛感情を透明化していた
①異性と付き合ってみるが、人間としては好きなのになんか違うな〜と思い続ける(当時の方、本当にごめんなさい)
②ビアンバーやビアンの掲示板という世界を知り、お友達や恋人たちができる
③「女性に対して恋愛感情を覚える」自分への否定が徐々に薄れていった
という感じです。人によっては「物心ついた頃から女の子が好きだよ〜」や「一回結婚して離婚して、30代で自覚した〜」なんて方もいました。
きっかけや形は人によりそれぞれで、また今後のことなんて誰も知らないため、「セクシュアリティ〔人間の性のあり方の全般〕は死ぬまでわからない」という説もあります。
他者のセク〔セクシュアリティの略〕を決めつけるべきではないのはもちろん、自分自身でも焦って名前を付けたり、無理に当てはめたりする必要はないことですが、私はレズビアンである自分を認められるようになってからすごく楽になりました。
彼女のこと
彼女とはバイト先で5年前に出会い、その頃から好きなタイプだったんですが、ノンケ〔同性愛者から見た異性愛者のこと。語源は"その気がない"ことから、らしい〕だと思っていたため、恋愛対象として見ることすら諦めていました。
けれど久々に再開した際、やっぱり好きだ〜となり、1年間の片思いをした末、なぜか恋人になってくれました。
レズビアンの出会い方
これはおそらく、比較的珍しめの出会い方だと思います。私の過去の恋愛や、他のレズビアンの子に話を聞いてみると、
レズビアン専用掲示板で出会う
レズビアン専用アプリで出会う
SNS(#レズビアンさんと繋がりたい 等)で出会う
セクマイ限定のオフ会やイベントで出会う
レズビアンバーで出会う
など、対象者がレズビアンに限定されている場から恋愛に発展することが多いようです。現に、私も元カノとは掲示板やTwitterが出会いのきっかけでした。
当事者コミュニティは、母数が少なく閉鎖的ではあるものの、「目の前の女の子の恋愛対象に同性が入るのか」の確認をせずに済むなど、ある程度の感覚を共有できていることがかけがえのないメリットです。
ノンケに恋をすることは、一歩間違えれば相手を怖がらせたり、意図せぬカミングアウト〔秘密を打ち明けること。この場合は同性愛者だと伝えること〕やアウティング〔第三者が勝手に人の秘密をバラすこと〕に繋がるだけでなく、その相手の今後の人生を左右してしまうかもしれない、かなりリスキーな行為だと私は考えています。
これは余談ですが、そんな現状の中で、他にいくつもの道があっただろうに私を選んでくれた彼女に報いたい、というのが活動や発信や制作をしている一番の動機です。
現在のセクマイ関係活動
大学内課題である「まちづくりのデザイン」を通して繋がった市役所の男女共同参画関係の課の方に、市のLGBTQ+関係のディレクションやデザインを継続して任せてもらっています。
・講演会等のチラシ
・LGBTQ+情報誌「ぱれマガ」
・パートナーシップの枠等デザイン、提案
・交流会開催
・中学生や市民に配る広報誌のLGBTQ+号
・児童館でのワークショップ
等が、今までに行ってきた活動です。
並行して、「惚気アカウントの運用による"セクマイの普通さ・幸せさ/反対に、透明化されがちなちいさな困りごと"の発信及び、当事者同士の情報共有や関係構築」、「出会いや交流の場づくり(小規模オフ会)」も続けています。
同性婚について
同姓同士の恋愛の話題になると、避けては通れないのがこの「同性婚」という話題です。私からするとあまりに身近な話題なので、どこからどこまでが誰に伝わっていないのか、食い違う場面も多くあるため、サクッと「よくある疑問や誤解」と共に全体を説明していきます。
①まず現在、日本では同性婚ができません。
「都会だと最近できるようになったんでしょ?」などのご意見も時々あるのですが、それはおそらくパートナーシップ制度〔書類等を提出し、該当自治体の範囲内では、夫婦と同等の権利などを認める制度〕のことかもしれません。
②そして、パートナーシップ制度ではまかないきれない部分は多いです。
「結婚と同等の制度があるならそっち使えばよくない? なんで"結婚"にこだわるの?」というのも論点ですが、パートナーシップ制度と婚姻関係の相違点はもちろんたくさんあります。
・宣誓をした自治体でしか使えない=旅行先などで事故があった際は「家族」と認められず同意書が書けない、お見舞いができない/引っ越しのたびに宣誓をする必要がある etc
・未だ制度のない自治体もある
・国が主体の法的な権利や恩恵(扶養制度や税金控除、親権や相続関係etc)はほぼ受けられない
・そもそも、「結婚」ではない=「結婚しています」で済ませられる様々な場面で多様な説明や、それに伴う色々な反応を浴びることになる精神的&社会的な負担…etc.
これは弁護士さんの受け売りなんですが、「結婚と同等の制度、って言ってるなら結婚させてくれればよくない?」の一言に尽きると思います。
③なぜ認められてないかは、正直意味わかりません。
「同性婚できると何か不都合があるの? したいなら別に、勝手にすればよくない?」というご意見も多いんですが……本当にその通り。
これは流石に当事者意見すぎるかもしれませんが、国の主張は正直「色々整えるのをめんどくさがっている」が大元な気がします。本当に個人的な意見なので、具体的な裁判の流れは下記noteおよび下記note内の専門団体「マリフォー〔Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に〕」さんのサイトにてご自身で判断頂けたらなぁと思います。
※なお、「結婚の自由をすべての人に(略してけじすべ)」という呼び方を時々するのは、厳密にいえば「同性婚」ではないからです。性別を決めたくない人や、戸籍上は同性だけど自認的には異性同士のカップル、など本当にさまざまな方がいらっしゃいます。が、記事や説明の際には伝わりやすさを優先し「同性婚」と表記していることをご了承くださいませ🙏
現在の悩みとこれから
について、詳しくはこちら⇩
に書いてあるんですが、5000字あるので短くまとめると、
①彼女と幸せに暮らしていきたい
②そのためには将来、親にカミングアウトをしないと、一生嘘を吐いて生きていくことになる
③その準備(親への伝え方を考えたり、彼女と話し合ったり)をしていきたい
というのが、今のところの展望です。
…と、そんな感じで
ザザッと自己開示ダイジェストしてみたんですが、いかがだったでしょうか。「そんな当たり前のこと言われなくても知ってるよ!」だったのか、「初めて知ることばかり!」だったのか……またいつでも、お気軽に教えていただけたら嬉しいです。
おそらく過不足だらけかと思いますので、適宜修正していけたらなぁと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?