見出し画像

「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟20240229・裁判傍聴 レポート


 彼女と結婚したいです。彼女が結婚してくれるかはまだわからないけれど、「結婚する/しない」を人生の選択肢に入れられる自由が欲しいです。


 だから、「結婚の自由をすべての人に」訴訟、略して「けじすべ」を、応援しています。

「けじすべ」について詳しくはコチラ⇧
(また今後、私のマガジン内でもじわじわ詳しく説明できたらな〜と思いますが今回は「2024年2月29日」回のレポートが主です…!)

今回の裁判について

簡単な概要

 数ヶ月前、2024年2月29日に行われたのは「控訴審第2回口頭弁論」。漢字ばかりで難しいことのように思えますが、すっごく簡単にいえば

  1. 被告(訴えられている側)は「国」、原告(訴えている側)は「けじすべ弁護団」

  2. 2019年から今年までの5年に渡り、全国各地の裁判所
    🐻けじすべ弁護団「〇〇だから結婚の自由はすべての人に認められるべきだ」
    🇯🇵国「いや、△△な理屈で認められるべきでない」
    🐻けじすべ「いやいや、法にはこう書いてあるし、専門家からこういう意見書もある」
    🇯🇵国「いやいやいや、その法はそういう解釈じゃないし?」etc…
    …といったやりとりを、時には証人を交えたりしつつ繰り返している裁判です。なお結果はだんだん良くなりつつあるものの、明確な回答や改革はまだ得られていません。

  3. 今回は、↑におけるけじすべ側の主張のターンで、🐻「国さんはまた色々な理由をつけて『異性同士以外の結婚を認めない』って言い返してきてたけど、矛盾してる点ばかりだから分析して反論するね。いくつかは口頭で言うね」の、回……という自己解釈なのですが、きっと語弊もあると思うので、詳しくは公式サイトや公式Twitter、書籍などにてご確認頂ければ…!

🐻の絵文字なのは、「#マリフォーくまちゃん」がかわいいからです→ https://x.com/marriage4all_/status/17552097692318229

Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に マリフォー


「控訴審第2回口頭弁論」当日の内容

では、どのような内容だったのでしょうか。
※断然けじすべ寄りである私の要約なため、おそらくレズビアン側に偏った主観を大いに含みます。

  1. 🇯🇵国の主張「今までも排除してきたから、これからも排除するべき

    >🐻けじすべ「理由になっていない。社会実態の変化を考慮せず『婚姻制度=男女』という規範や慣習をそのままにしているのは不適切だし、それで被害を被っている国民がいるのだから、国にはそれを変える責務がある

  2. 🇯🇵国の主張「社会に悪影響

    >🐻けじすべ「具体的な論点はあるのか? 感覚的に述べるべきではない。そうやって国自体が根拠もなく国民の危機感を煽ることが新たな差別を産む

  3. 🇯🇵国の主張「調整が必要である」

    >🐻けじすべ「現状維持の理由にはならない。むしろその調整こそが国の仕事である」

  4. 🇯🇵国の主張「家族の定義が不定

    >🐻けじすべ「辞書の定義に縛られずとも、共に日々を生活し人生を歩むのであれば、どんな人たちであれ家族なのではないか。そうやって、異性カップル以外を『家族ではない』とする姿勢がすでに当事者たちを傷つけている


─そのほか補足として、

  • 性的マイノリティの子育て実態:

    ⬜︎子供の発達に両親のセクシュアリティが起因しない科学的な証明

    ⬜︎里親制度から同性カップルを排除していない現状

    ⬜︎保育園に受け入れてもらいにくくなるなど、パートナーシップ制度を結んだがゆえの不利益

    →結婚を認めず法整備を整えないのは、子どもの福祉に対する脅威でもある

といった点も論じられました。

また、

  • 婚姻届を1枚提出すれば享受できる制度の、1部分のみを得るためだけでも多大な心理的・経済的な負担

  • 生存時・死亡時ともに、契約や遺言ではカバーできない範囲の損害も多い。

  • 社会的・経済的・心理的な問題で別れてしまった同性カップルも、なんらかの社会制度に守られていれば未来は変わっていたかもしれない。法律婚には、長期的な人生設計ができることや、周囲に極めてスムーズに言える、など、制度以上の精神的効果もある

というのは、一貫している訴えの根幹です。


対する国の反論

「3/14にある他地域の判決次第でまた意見を出してきますよね? それらがすべて出揃った段階で反論したい」
とのことでした。



頂いた資料とコラボマーブル

所感

時間にして約1時間弱。

ずっと前線で戦い続けてくださっている、お馴染みの弁護士さんの熱い論調に、「そうだそうだ〜」と心の中で声援を送りつつ、「これ以上どこに反論の余地があるんだろう…?」と思いつつ……裁判はいつも、起立と礼で始まり、終わります。


本当に噛み砕きすぎている説明のため、正確な詳細を知りたい方は、
◼️今回の報告会動画
【愛知訴訟】控訴審第2回口頭弁論期日・期日報告会


もっっと仔細な提出文書を知りたい方は
◼️訴訟支援プラットフォーム
結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)|公共訴訟のCALL4(コールフォー)

訴訟資料>高裁>その他
【名古屋・第2回】代理人意見陳述

こちらをぜひ!


傍聴ツアー

なお今回は、初めての方でも安心な「傍聴ツアー」というものも企画されていました。

志を同じくする色んな方とお話しできたり、駅から裁判所までの道のりを迷わずに行けたり、記念品として明治さんのマーブルチョコオリジナルパッケージをもらえたり……良いこと尽くし!

ツアー参加人数は30人超え、傍聴席も60人近く埋まり、判決などではない弁論の回としては一番多くの人が参加したとのこと。

傍聴席の熱量が、社会的関心として目に見える形で裁判官の方に届いたり、弁護士の方の背中を押したり……「傍聴だけでも応援になる」と、知っていましたか?

けじすべ応援の気持ちはもちろん、リーガルドラマとの差異を探そう、とか、経験として空間を味わいに行ってみよう、とか。そんな気持ちで気軽に行ってみた結果、もしかしたら、時代が変わる判決の出る、歴史的瞬間の生き証人になれるかもしれません。

次回の傍聴チャレンジデーは、2024年6月27日(木)!

人気の場合は抽選…なんてこともありますが、そんな情報も公式Twitterでチェックしてみつつ、
#結婚の自由をすべての人に
#いざ傍聴 !





この記事、あまりに間接プロポーズなので彼女にバレたらどうしよう


さて

わたしの気持ち


「結婚しなくても愛はあるでしょ? 結婚だけがゴールじゃなくない?」
「パートナーシップ制度? とかがあるじゃん」
「なんでそんなに必死になってるの?」

そんな疑問のほか、「高望みなワガママ」や「お金目当て」、なんて、屈折した視点の方も、時折見かけるこの「同性婚(※)」という話題。

厳密に言うと"同性同士"のみの話ではない(性別に違和感のある方、性別を決めたくない方など色んな方がいらっしゃる)ため、『結婚の自由をすべての人に』訴訟が正式名称。



確かに、
たとえ結婚できずとも、愛はあります。
各自治体で、制度を色々整え始めてくれているところも増えています。

けれど、
最愛の人の最期を、家族として看取りたい。"全国の"どこで何があったとしても、病気や事件や大事の際に側で支えたい」
社会制度の恩恵を受け、経済的・心理的な不安に怯えず2人で末長く暮らしていきたい」
好きな人と、『結婚』がしたい

現段階では、幾重もの段階や負担を背負わなければ達成できない、もしくは申請した地域限定でしか叶えられなかったりする上記の願いは、そんなにおかしなことでしょうか。

必死になる必要なんてない、些細なワガママなんでしょうか。

異性同士じゃないから、というだけの理由で、諦めることを強要されなければならないほど、「普通じゃない」気持ちなんでしょうか。

頂いた資料の一部




……まぁでも、困ってるのは同性カップルだけじゃない。
それは本当にそうです。
みんな何かしら、国に突き放されてるな〜って時、ありますよね。

誰もがみな、何かの当事者のはず。
で、そんな時に、当事者はもちろん、当事者以外の人が応援してくれたら、嬉しいな〜良い方向に行けるかもな〜、っていうのを相互に繰り返したら、明るい未来に向かっていくはず……

……というのは、傍聴ツアーでお話ししてくれた方が言っていたことの受け売りです。でも、ほんとにそうだな〜と思います。

怖い、難しい、よくわからない、そんな印象を抱かれがちな「裁判」という仕組みですが、これも結局は、誰もが明るい未来を目指すための手段のひとつです。

実際に法廷へ訪れるのは大変だとしても、すこーしずつ指先を伸ばして背中を押し合えたら、と思い、これを書いてます。


ハッシュタグの拡散や、弁護団snsへの「いいね」「rt」で応援・寄付金
など、指先でできる支援は割と多く、指先どころか、「頭の片隅で考えてみる」なんて行為も、「無視」よりずっと良い…はず!

だからこのnoteも、そんな感じで、未来に向けたなにかになれれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?