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クラポ新曲MV「初めての終わり」を勝手に考察してみた

CROWN POP(以下クラポ)が2023.11.07にNew mini Album「LOVE」を発売します。

そしてそれに収録される楽曲「初めての終わり」のMVが公開されました。

今回のMVはこれまでにないドラマ仕立ての内容な上に、少しサスペンス的な要素もあって初見ではわかりにくい内容。

メンバーも考察してねと言っていることなので、私なりの解釈をしてみたいと思います。



舞台設定

舞台はCROWN POP(以下クラポ)のメンバーが所属する大学(?)内の劇団。

そこで主演の男役を演じるイブ、相手役のサホ、

それを取り巻く3人の女優(リナ、アイリ、ミア)の物語。

イブとサホの2人はプライベートでも恋人同士で、寮のようなところで同室だったと思われます。


時系列を整理

この物語が少々難解に思えるのは、映像が過去の回想を挟むので時系列順になっていないからです。

というわけで少し整理してみます。

冒頭のステージのシーンは過去の公演での映像。

33秒あたりの部屋のシーンは現在

直後の2人で部屋にいるシーンは過去の記憶を思い起こしてる(衣装が違う)

場面が変わって現在、イブのことを好きな後輩2人が駆けより、同じ傘に入って帰る。

2人の行動に不審の目を向けるリナ

サビに入ってステージでのレッスンシーン(少しだけ過去)

おそらくはサホの代役を決めるためのオーディションを兼ねていると思われます。

誰と踊ってもサホの記憶がフラッシュバックするばかりで、感情を閉ざしてしまったようなイブ。

そこからメンバーが階段を見つめるシーンへ。

それぞれが過去にこの階段で起きた事件のことを思い出す。

階段の踊り場で口論となるサホとアイリ。

サホは踊り場から突き落とされてしまう。

唯一の目撃者となったミア。

現場から立ち去るアイリとすれ違うリナ

駆け寄り抱きしめるイブ。サホはこの事件が元でステージに立てなくなる。

現在に戻り、部屋にサホの衣装が無いことに気づくイブ。

探し回りたどり着いた劇場のステージには、衣装を着たミアが立っていた。

しかし彼女の目には、かつての恋人の幻が映るのであった。

というのが大まかな流れです。

着ている衣装から察するに、3人で傘に入ってるシーンの直後がラストに繋がっているように思えます。


サホはどこへ?

この物語を見ていて幾つか生じる疑問の1つが、ヒロインであるサホのその後。

ラストシーンには彼女の姿はなく、どのような結末を迎えたのかがわからなくなっています。

ただ倒れた時点で意識がはっきりとしているため、亡くなったというようなことはなさそう。

しかし彼女は劇団や学校、そしてイブの元からも去ってしまっていました。

そう言い切れるのはイブの部屋でのシーン。

ベッドの布団やサイドテーブルの私物も片付けられてることから、

彼女は一時的な療養中などではなく、二度と戻って来ないことを示唆しています。


アイリが突き落とした理由

今回のMVは、アイリが一見すると完全なるヒールとして描かれています。

しかしサホと口論しているシーンを見ると、先に突っかかって行ったのはサホの方。

そして最終的にサホが発した2つの言葉が引き金となっているように見える。

単純に悪意ある加害者とは言い切れない部分もあるのです。

更には目撃者のミアどころか、被害者のサホですらアイリを告発していないことからも、

2人がアイリを庇おうとする何らかの理由があったのだと想像がつきます。

残念ながらその理由をMVから読み解くことは不可能かと思いますが、

それこそが事件の発端であり、サホがイブの元を去らなければならない原因ではないかと考えられます。


ミアがとった行動の謎

落ちサビから物語は展開し、サホの衣装を持ち出したミアとイブがステージで踊るシーンへ。

なぜミアこのような突飛な行動をとったのかというと、

1.サホを失い、心を閉ざしたイブを目覚めさせたい。
2.去ってしまったサホではなく、私自信を見てほしい。

という2つの願いがあって行動に移したのかなと思います。

ステージでのレッスンシーンでは苦しむイブの姿を見つめ、彼女が何かを決心したかのような描写もありました。

そして衣装を着たミアの姿にサホの面影を重ね、イブはかつてのように生き生きと踊り始めたのです。



涙の訳

最後のクライマックス、2人は微笑みながらキスをする。

その瞬間に魔法が解け、イブは彼女がミアであることに気づきました。

そしてサホがもう二度と帰らないという現実を受け入れる。

そんな想いが、一筋の涙となって現れたのかと思います。

ミアを固く抱きしめ、何かをつぶやくイブ。

それを聞いたミアは、自分がサホの代わりにはなれない悲しさを噛みしめるのでした。

なんとも切ない幕切れです。


まとめと感想

私がMVを見て考察したものは以上となります。

やはりセリフ部分がわからないので想像で補う部分が多いですし、

何よりサホとアイリが言い争う理由が謎のままなので、正答を導き出すのは難しいでしょう。

ただこういった作品は映像から得られる感情が大事なのであって、

謎解きのような部分はあまり気にしすぎない方が良いのかなと私は思います。

造り手側も設定は用意しても、あえて正解は用意しない場合も多いですからね。

今回のMVはキスシーンを想起させるサムネが公開された当初からファンをざわつかせ、

映像もメンバー全員の演技や表現力が素晴らしく、曲の美しさも相まって本当に心が大きく揺り動かされました。

特に落ちサビからのダンスシーンの美しさとダイナミズムが素晴らしい。

それらを踏まえ、クラポ史上最もエモーショナルな映像作品になっていると言えるでしょう。

またアイドル楽曲のMV表現手法としては大きく攻めた内容だと思うので、願わくばより多くの人達に見てもらいたいですね。