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「株札」って、いったい何だろう?そもそも、トランプカードの発生はいつ?

先日の記事に書いた「株札」の「由来や来歴」が気になってしかたないので、ネット情報調査ならびに、文献調査してみました。

「株札」ラジくまる個人所蔵品(一部)

歴史調査:
ポルトガル人の訪日(鉄砲伝来のことです)に伴い、「トランプの原型」のカードゲームが日本にもたらされました。
この時期のスペインやポルトガル地方では、まだトランプカードセットが、今みたいに「きっちり」とは枚数が決まっていませんでした。
まだ、トランプの枚数がうやむやな時代だったのです。

この当時、日本に伝来した「ポルトガル・カードセット」をまねっこして作ったのが、「天正かるた」です。
当時のポルトガル・カードは、「コイン、カップ、剣(sword)、こん棒」の4種の絵でした。

今、ネット検索すると「いかにももっともらしいこと」が「諸説あり」とか言って書いてありますけど、私はゲーム好きな人だからこそ断言します。
絶対とは言いすぎでしょうが、かなりの確信度(99%!)をもって、以下の宣言をここに行います。

コインは財産を表す「ダイヤモンド」に置き換えられ、
こん棒はかわいらしくマーク化されてクラブに、
カップは聖杯を意味するように解釈が変化し、やがて意匠化されてハートへ、
スペードは剣をかわいらしく意匠化したもの、です。


ということで、実はこんな大昔に選ばれた4つのマークは、ほぼそのまんま2024年へと綿々と受け継がれていると私は考えています。

蛇足情報:
鉄砲伝来の時期のポルトガルカードに描かれた「こん棒」には、くにゃくにゃ曲がった変な突起が、横からちょろちょろ生えているんです。この「くにゃくにゃ突起」は何なのか?気になったのですが、調べきれませんでした。

この4つのシンボルは、商人、農夫、聖職者、剣士として、それぞれ深読みすることができる意匠なので、だからこそ、途中でおかしな変更を加えられることがないまま、ヨーロッパの歴史の流れの中でずっと受け継がれ、使われ続けてきたのだと考察しています。

さて天正かるたに話を戻します。

1~10の数字を主体とした全40枚をセットとしたものと、あるいは全48枚のセットで、10~12のカードは、現在のJQKみたいに人物の絵(すべての絵がコインや剣などを右手に持ってる)になってるモノとの2種類が、その当時のポルトガルで使われていました。
こうした、40枚タイプ、あるいは48枚タイプからそれぞれ生まれた、
2つの流派の「天正かるた」を母体とし、この時点を分岐点として、それぞれ別々に株札と花札とに分岐・派生していったのが真相かと推定してみました。
それぞれのカード総数がぴったり合致してることから、かなり自信がある推論です。

天正かるた、ウンスンカルタ、花札へと、3段階に絵柄が変化したのだそうです。
きっと、花札の絵柄の変化とほぼ同時期に株札のほうも絵柄の変化をしたのでしょう。

さて、株札が現代において、かな~り激しく廃(スタ)れている原因は、主流となった遊び方の賭博性が非常に高かったからだと思われます。
ゲーム開始第一ターンから、もう「お金」を賭けるのが前提になってる遊び方なんですもの。
こんなルールでは、お上(江戸幕府様)が厳しく弾圧するのも当然。そうなると自然と「株札」の遊戯人口が減ってしまったのでしょう。(たぶん)

天正かるたwikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/天正かるた

株札の遊び方ルール

株札かわいそう・・・・。神経衰弱とか、ババ抜きとか、7並べとかの遊びも可能なカードセットだったのに。
そっちみたいな、平和な遊び方が日本で大流行していれば、今でも株札はポピュラーだったに違いないのです。
なまじっか、「賭博ゲーム」が主流になってしまったせいで廃れてしまったなんて。
株札が悪かったわけではなくて、江戸時代の日本人の落ち度のせいで株札は忘れられた遊具になってしまったのです。
もったいない話です。


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