最低な夜を共にすごしたパワハラおじさんへ
どんな人間が吐いた言葉だってすべてが的外れで価値がないとは思わないから、
一旦聞き入れて受け止めるようにしている。
大きく脱線します。
職場でだいたいパワハラの標的にされる。
そういう人種なんですよね。
なんかちょうどムカつくとかやる気なさそうとか文句言いやすそうとかそういうの全部持っちゃってるんだと思う。
わたしだってへらへらぺこぺこしてるだけじゃないから、あーこいつは下手に出て持ち上げてるふりしてあげた方が良さそうだなと思わない限りは違うことは違いますって否定するし、そしてそれがまた反感買っちゃって余計に嫌われることもある。
もう全部エンタメに昇華させでもしないと気が済まない気持ちすらあるんだけど、もし企業名とか特定されて炎上したり謝罪が必要になったりというのはどうかなってちょっと踏みとどまってる。
まあいつかきっとわたしは進むけどね。グレーゾーンを!だって事実だし。
一番酷いパワハラがどれだったかわからないくらいには何度もそういう経験をしてきているんだけど、史上最高にくだらなかった人の話でもしてみようかな。
ワケあってまとまったお金が必要になった時期、
まあ言ってしまうと学費の貯金のためにコールセンターで夜勤のバイトをしていました。大学の先輩に紹介してもらった。
↑こちらを読んでいただくと解像度が上がるかもしれません。
特に時給が高いわけでもない。ただブラックだから無限に働かせてくれる。
そんで夜勤ってちょっと時給が割増されるんですよね。
でもそんなんじゃ割に合わないくらいの健康被害とか生活崩壊とかあると思う。
結局何が効率がいいのかよくわからなくなったけど、当時はそういう逆転した生活をしていたのです。
夜勤は22時~朝9時まで。
夕勤と繋げると17時から。
9時に日勤の人が来たらすぐ帰れるわけじゃなくて当然のように報告作業やら処理が必要なわけで、だいたい帰宅すると11時だし、また夕方には会社に行かないといけない。ってサイクル。
17時間拘束、13時間労働がデフォの日々。1回行けば1万7千円〜くらい貰える。けどね。
そうは言っても当然のように夜勤の間に電話なんてほとんど鳴らないわけですよ。
夜勤は基本4人体制。
鳴る電話のクライアント数はめちゃくちゃあるから全部ひとりで対応できないといけないけど。
深夜に3時間の仮眠回し(もちろんそれは無給)があるから2人ずつ早寝遅寝を決める。
そう、4人しかシフトに入れない。
そこで新人にシフトを奪われたくないおじさん(Hさん)は新人育成を阻もうとするわけです。
とはいえ、まったく役に立たない相方でも困る。
一体何を考えているのかわからないけど、おじさんのことをまとめるとこう。
・Hさん
・40~50歳くらい(たぶん 年齢より老けて見える)
・昼間は都内の某大学の非常勤講師として勤務
・大学内の研究室?に住んでいる
・英語はもちろん8ヶ国語くらいペラペラ
・学歴で人を差別する(大学名を重視)
・ここの勤続8年目
・勤務中はずっと寝ている
最初はわたしにはそれほど当たりは強くなかった。
高学歴の大学生にはいい顔をする。
わたしはそこまでなのでそれ相応の対応だけど明らかに下に見ている大学生のことはかなり馬鹿にしているんだろうなという態度だった。
よくいる、困ったら言ってねと言っていたわりに自分で考えろと言ってきたり間違えたらだから相談しろって言ったのに!と怒る典型的な最悪な先輩だった。
教えられることも間違っている。
これは意地悪ではなく本人もわかっていないというだけだと思うけど…(逆にだめだろ)
今思うといつも寝ているしミスが多いHさんはかなりまわりから注意されていたんだろうが、「この会社はだいたい減点方式ですからね。できて当たり前で改めて褒められることなんてないんですよ。」と自嘲するように言っていたのがなぜか記憶にある。
生きていてもなんでもそうかもなと思う。
失敗した時以外になにか改めて褒めてもらえることなんてない。
わたしは褒めてもらえるほどのことは何もできていないか、そもそも他人の視界にも入っていないのかもしれない。そんな考えになってきた。
で、しょーもない奴のことを思い出して(文句が言いたくなって)しまった。
ある日、また仮眠回しのペアがHさんと一緒になった。
研修されたばかりの新しいクライアントの電話が鳴り始めたタイミングだった。
4コールで他のチームに回ってしまうらしい。
「電話早く取ってください!」と言われるも、焦って呼損してしまった。※電話を取り損ねること。
「どうして取らなかったんですか」と怒られた。
「すみません。マニュアルが手元になくて不安で」
「もういいです。あなたはあの電話取らないでください。」
もちろんそんなミスは1度きりで、
わたしだって自分の対応が良くなかったのはわかっていたけど。
それから関係が悪化した というか向こうの態度が酷くなった。
リーダー役職の人が出勤してくる度に
「〇〇さん、あの人あの電話取らないって言ってたんですよ」と言いふらしてくる。
「あっ△△さんも聞いてください!あの人あの電話取らないらしいですよ」
「そんなこと言ってません」
「言ったでしょう!黙りなさい!」
電話を取ろうとすると「あなたはもう取らないって言ったんだから!しっしっ!」とか言ってくる。なんなんだこのジジイはよ。
大人たちに相談すると「Hさんより仕事できるようになるしかないよ」と口を揃えて諭される。
なにそれ?そんなの無理。
わたしはまだ3ヶ月で、向こうは8年働いてるんだよ。
そんなことできるわけが、
意外とその時はすぐに来た。
その前に事件が起きた。
こんな最悪な関係性でも、また2人きりの夜はやってくる……
葬式みてーな空気の夜を越えて夜を明かしたわたしたち、すっかり1人で電話を取れるようになったわたしが当たり前にするべき仕事をしていた。
「そうやって黙って電話取っとけばいいんだよ」といつものように嫌味を言ってくる。
散々言われてきた嫌味に我慢の限界が来ていたわたしは耐えきれずつい反射で「うるさい」とはっきり口に出して言ってしまった。
あ
相手はゆっくりわたしの方を向いて
「……今うるさいって言ったか?
馬鹿が。」
終わった…………__
20代と40代の人間が職場で「うるさい」「ばか」という極めて低レベルな口論を交わしてしまった。絶望した。やってしまった。ああ、全部終わりだ。
それからの記憶はほぼない。
たぶん野次すら飛ばしてこなくなったし、そのうちにわたしは時給を上げてもらえるような立ち位置になっていた。
あの人は自分より上だと諦めた人には態度を改るらしかったから。
しばらくして、また2人きりの夜がやってきてしまう……
もうその頃はわたしがリーダー的なポジションにいたわけですが。
突然「僕が悪かったです。幼い態度を取って申し訳なかった。これからもご指導お願いします。」というようなことを照れくさそうにモゴモゴ言ってきた。すげえ怖かった。
アッハイ……死ぬほどめんどくさいので和解ってことにしておいてやろう。
まあでも1個引っ掛かることがあって、
この間にわたしがロッカーにしまっていたお財布から1万5千円が消える事件があったんですね。
公共料金の支払いをしようと2万円をおろしてから出勤した。
1000円ICにチャージした。
帰りにレジで支払いをしようとすると財布に4000円しかない。
取り急ぎ会社に電話を掛けると電話に出たのはHさん。気まずいけど話すしかない。
「それは大変だ!人のお金を盗むなんて!許せないな!」
あんなに普段わたしに意地悪をしているのに随分と大袈裟。やったの?
ロッカーの位置がそこだけ防犯カメラの死角になっていて映らない。
確実にそれをわかっている人の犯行だと思われる。
以前にも大学生がバソコンを買うために持ってきた10万円がロッカーから盗まれて泣き寝入りしたことがあったらしい。やったの?もしかして常習?
「いやぁ!災難だったね!働いた金を盗むなんて!許せないな!」と話しかけてくる。
あんなにわたしのことを避けていたのに?
わたしからは1万5千円盗んで満足したか?
うるさいって言われて傷つけられたプライド、直せたか?(^-^)
どんな人間が吐いた言葉だってすべてが的外れで価値がないとは思わないから、
一旦聞き入れて受け止めるようにしている。
Hさんの嘲るような皮肉な言葉も、ブラック企業とこの社会においてはそうだね。と思う。減点方式かあ。最近よく考えてしまう。こんなオッサンのことも、あの時代のことも覚えていても仕方ないけど。
Hさんが女性からひったくりをしようとした人を捕まえたとか追い払ったとかいう話を得意げにしていたけど、みんなあんなの絶対嘘だと言っていた。
嘘つきは泥棒の始まりって言葉も本当かもしれないと大人になってから思うよ。
そのうちHさんの攻撃先はもう別の人に移っていて、夜勤に入ってきた若い男性にシフト共演NG希望を出してチームから干されていた。
わたしがシフト作ってんだから面倒なこと言ってんじゃねーぞ。仕事増やすな。
やばい人もいるよってのと、学力が高くてもまともじゃない人もざらにいるよ、って話でした。
お陰様でわたしは貯金に成功し、再び大学に通って卒業することができて昼夜逆転の生活は終わりました。
働いて学んだこともカオスな人たちと出会って鍛えられたこともすごくタメになったと思います。
金返せクソジジイ
來世