栗鼠のセンチメンタル
先日、2021年2月20日に行われた、男性ブランコのコントライブ『栗鼠のセンチメンタル』の再配信があった。喜び勇んで即購入。配信期間は1週間。も~う毎日観ました。なんて幸せな時間だったのだろう。沸き上がった思いを少し、したためてみたいと思います。いや、長くなるなぁ...。
【コントのリスト】
オープニング。台詞を発しないお二人のやり取り。コロコロをしている平井さん。やりすぎて浦井さんにコロコロをしてしまい、謝るさま。そして謝った平井さんを受け入れる浦井さんの微笑みに、ほっこりとやられてしまった。そう思っていたら、コントタイトルをお二人がお互いに一気に発してゆく。気持ちが盛り上がっていった。オープニングから、また気持ちを揺さぶられた。音楽がまた昂揚感を高める。映像も素晴らしく、最初から興奮状態。
【見たことのない景色】
男女がじゃんけんをしている。平井さん女装。言葉使いが本当にうまい。いろいろ難癖をつけた彼女に対して、結局彼はずるい!(あのずるいの台詞もほっこり)と言いながらも受け入れる。そしてあのじゃんけんが何かを埋めるためにしていたとは。「う、うめる・・?何うめるの?!」ここで一気に世界観が変わる。ミステリーの方面に行くのかと思っていたら、埋めるのはそら豆!!またも予想ができない展開。お見事です。彼は豆から生える木に登り、見たことがない景色が見たいといった。でも豆の木は生えない。最終的に彼らは結婚し、家庭を持つのだがその中で、見たことのない景色はもう見ていると奥さんになった彼女に言った。彼が見た景色は、自分の家族という景色。私も家族を持ってみたが、確かに今まで見たことのないものを見ていると思う。深い。
【怪物のメランコリー】
怪物ゼゼの平井さん。平井さんの動物好きが溢れていたような気がします。ゼゼはとてつもない力持ちだけど、とてもかーいい。そして言葉選びがうまい。どこで覚えたのだろうか。浦井さんのかめやまくんとどんな出会いをしたのか、またも設定を考えたくなるコントでした。そして、目の前にある楽しいもの、大切だと思っているものを、ただただ信じることを説いていたなと感じました。世の中にでてしまえば、それがいかに難しいことだと思い知らされるけれども、この気持ちはやっぱり持っていたいよねと思わせてくれる優しい優しいコントでした。
【花のない世界】
アルファ博士が作った花のつぼみを育てている青年。水やりすぎだなと思ってみていたら、踊りながら現れた花の妖精。あんなに滑らかな登場だったのに『やりすぎや!』と強烈なべらんめえ口調の花の妖精フラーと仰るその人、もうおっさんやん(笑)浦井さんの強烈キャラ面白い。つぼみを育てていく過程で、この二人の間に信頼が芽生えていくのを感じました。この青年は、のちにロボットだとわかるのですが、ロボットと花、そして花の妖精。思いつかない組み合わせのキャラ達で、慈しむ心や思いやる気持ちなどを思い起こさせてくれる。平井さん、ところどころかわいかったな。フラーフラーの言い方(笑)つぼみをだめにしてしまったときの悲しそうな感じ。ロボットなのに、あたたかみがあって、わたしはフラーの『ロボットか〜い!』の台詞(ここ大爆笑)まで、ロボットだと気づかなかったです。ちょっとおセンチな感じにもなりましたが、フラーのキャラが強烈すぎて、笑いも充分いただきました。
【父のプライド】
今回のライブの中で、わたしはこのコントが一番好きです。
まず初めにクールビューティのえっちゃん。平井さんの女装はなぜこんなに魅力的な女性なのだろうか・・・。見れば見るほど美しく、そしてなんてかわいいのでしょう。そして父ちゃん。浦井さんのコテコテの関西人キャラ。こんなにはじけとんでいるキャラを浦井さんが演じるのが、すごく好き。
父ちゃんの登場で、えっちゃんの氷の女帝のイメージが崩れ落ちる。周りはそっちのけで、ただただえっちゃんを愛してやまない父ちゃん。えっちゃん、きっとデザイナーさんになるのに、一人でものすごいがんばってきたんだろうな。小6のときの夢は「ソフトクリーム」きっと本気で思っていたんだろうね。かわいい。そんな女の子が、自分のファッションショーをするくらいのデザイナーさんになった。必死でがんばれたのは、きっとあの父ちゃんの存在があったのも大きかったんだと思った。そんな親子の絆、うーん絆という言葉では片づけられないほど、なんともいえない深くてあたたかいものを感じた。泣けてしまいました。そしてえっちゃん、たぶん周りに愛されているよね。仕事に厳しい人だけど、その分すごく優しい。モデルさんたちみんな、突然きた父ちゃんを受け入れてて、その空間がえっちゃんの人柄を表しているように感じました。泣けるだけではなく、この親子の掛け合いがめちゃくちゃ面白かった。本当に親子に見えちゃうのよね。お二人の演技力の凄さに脱帽です。
ここからは私情を挟むことになるが、私は両親との親子関係が破綻している。それは仕方がなかったことで、自分で破綻を受け入れたけど、時々怒り悲しく感じることがある。そして親子関係がうまくいっていたら、自分の人生はかわっていたのであろうか・・・。そんなことを思うことがある。あんな父ちゃん欲しかったな。だからこそ、このえっちゃんと父ちゃんの姿に強烈に魅かれてしまうのかもしれない。
父ちゃん、きっといぼ痔ちゃうやろ・・・。
【犬のペットショップ】
浦井さん扮する店員さんと、犬を買いに来た女性平井さん。ボケ倒しの浦井さんに、突っ込む女装の平井さん。このコントは別の動画で観ていましたが、なんど見てもただただ面白い。これまでのコントの様相とは違っていたが、違和感が全くない。すごい。コントの奥深さを感じた。やっぱり最後は思いもよらない終わり方ですよね。
【博士の純情な愛情】
冒頭、平井さんのキャラがさっき見たロボット?博士に怒られながら、ツーステップを教わっている。博士の名前はアルファ博士。これは【花のない世界】で花を作ったアルファ博士のことだ。ロボットの名前はデルタ。AIロボット。博士はデルタにたくさんのことを教えていた。限りある時間の中で必死に。デルタはどんどん感情を覚えていくし、博士との間に親子感情も芽生えていた。博士の愛情は、えっちゃんの父ちゃんと同じ。こどもをひたすら愛し、懸命に育て、そしてデルタは反抗期を迎えた。反抗期でも、恒例の博士に絵本を読んでもらうことは譲れない。なんとも愛おしいなぁ、デルタ。そしてついに博士と別れの時が来てしまった。ここで【花のない世界】のつぼみ。別れのときは本当に涙がでそうになったが、博士の最後、ざんない。ざんないって...。さすが一筋縄ではいかないですね。一気に笑ってしまった。一人残されたデルタだったけど、直前に笑わせられた勢いか、悲しみよりも壮大な展開になっていった。フラーのおかげで花が咲き、土から木が生えた。これは【見たことのない景色】で埋めたそら豆・・・?!うわー、繋がってる!すごい!博士が最初に教えていた、笑顔でツーステップ完璧でした。タイトルにもある栗鼠と、博士とのツーステップ。きれいだなと感傷ひたっていたら、お二人が回りすぎて吐いた。またやられた!
【エンディング】
『Color World』平井さん作詞、作曲が音楽担当のトニーフランクさん。このエンドロールの構成も素敵でしたね。右横に平井さん直筆の歌詞。歌詞もメロディーも本当に美しいのです。今回のコントライブの世界観にあっていて、心が本当にあたたかくなる一曲でした。トニーさん、今回のライブで初めて存じ上げたのですが、全編通して、音楽が本当に美しかったし、心を踊らされました。
初めて男性ブランコのコントライブを拝見し、本当にいいものを見させてくれてありがとうとお礼を言いたいです。舞台演出や幕間の映像も素晴らしかった。マイナス以外の感情をすべて揺さぶられて、心がほんとうにあったかくもなるし、人生考えさせられたし、そして何よりめちゃくちゃ笑った。何かを見てこんな感情になるのは初めてかも。配信が終わってしまって、放心状態です。これからも、お二人のネタをずっとずっと見続けたいと改めて思わせてくれる、そんな素敵な時間でした。ありがとうございました。
いや〜、しこたま書いてしまったなぁ…。