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ガオガイガー第14話「霧が呼ぶ渓谷」が好きという話

前置き(未満)

 私は勇者王ガオガイガーが大好きである。私の中のロボットアニメの聖典の一つと言っても過言ではない。それくらいガオガイガーが好きだ。「好きなエピソードは?」と聞かれれば「全部」と答えるし「好きなキャラは?」と聞かれれば「全員」と呼ぶ程度には好きだ。

 前置き考えるのが面倒になったので手っ取り早く言うとなんか語りたくなったのだ。

 ロボットアニメにおいて主役機が活躍するのは見どころの一つだが私は前々から主役機のガオガイガーが最も格好いい話は第14話「霧が呼ぶ渓谷」だと考えている。……いや、どうだろ、他にも格好いい話はいっぱいあるから最もと言っていいかちょっと悩むんだけど。それについて軽く語りたい。

あらすじ

四天王ピッツァは、不思議な力を持つ護の排除作戦を実行。遠足で箱根を訪ねた護を電磁波をかく乱する霧の中に閉じ込め、ゾンダー化した兵士の操る兵器で襲ったのだ。SOSを発信できない護。だが、密かに護衛についていたボルフォッグが数々の特殊能力で護を守りきる。

バンダイチャンネルより

 あらすじを見てもらうとわかるのだが今回のエピソードの主役は実はボルフォッグとその護衛対象である護であり、敵の策略により孤立した2人がゾンダーロボの張った包囲網から以下に脱出するか、がメインのエピソードで実は主役機のガオガイガーの活躍自体はそこまで多くない。むしろ、エピソードのメインは「ビックボルフォッグの初登場」だったりする。

みどころ

 今回の見どころはとにかく敵を圧倒、否、蹂躙と表現してもいいほどのガオガイガーである。

 前述の通り、今回のエピソードの肝はビックボルフォッグの初登場なのだが、彼は諜報を専門とするロボットであり、それなりの戦闘力は持っているものの、基本的には後方支援が仕事であり、真正面からぶつかり合うのはあまり得意ではない。

 さらに今回の敵であるEI-14は軍用の輸送機を取り込んだゾンダーであり、コアに選ばれたのもシュミレーションゲームを得意とする軍人。通信を遮断する霧で周囲を包んで、彼の本領である情報戦を封じた上で、数々のトラップをビックボルフォッグに突破されたのを見ると、搭載してた兵器を吸収した火力で彼を追い詰めることとなる。

 異変に気付いたガオガイガーも急いで駆けつけるのだが、先ほどの通信を妨害する霧を使ってセンサーを麻痺させて翻弄される。超竜神のイレイザーヘッドで霧を除去したことで、ようやく真正面からの戦いになるのだが、ここからが本番。

 拘束するために設置されたワイヤートラップを力ずくで引き千切り、飛んでくる槍を防御すらせず受け止め、頭上からのネットも手で引き裂いて無力化戦車砲はプロテクトシェードで弾切れになるまで受け止めると、ヘリのローターを使った回転刃を拳で粉砕、ついでによろけた瞬間を狙って右腕を逆方向にへし折り引き千切り、最後の手段とばかりに取り出した隠しナイフは振るう前に拳で握って砕く徹底ぶり。最後はぶん殴って頭部を破壊、徹底的に破壊してから倒れたところにヘルアンドヘブンを決められてEI-14は倒された。徹底的な破壊っぷりだがこれは小学生である護がターゲットにされたことへの凱自身の怒りも乗っているからだろう。

 完膚なきまでゾンダーロボを破壊して護も無事だったことで今回の話は終わる。

語りたい

 ガオガイガーの魅力はカタルシスだ。苦境に立たされ続けた状況から仲間たちが必死に勝利の糸口を探し続けて大逆転する。相手は外宇宙からの侵略者でその科学力は地球よりも遥かに高い。そんな相手に対して、人類が必死に噛り付いて最後は勝利を収めるのが魅力だ。

 今回のゾンダーはかなりストレスを溜める相手だ。何せターゲットは小学生の護だ。視聴者にとっては同年代の友達であり、自分の分身でもある。ゾンダーを浄化する力こそ持つが、それ以外では年相応の子供でしかない彼を、ゾンダーは執拗に付け狙う。「地獄のゾンダーソルジャー」と劇中でも評されている。唯一の味方であるボルフォッグも得意な戦術を封じられている中で奮闘するも、やはりパワーの差で劣勢に追い込まれてしまう。

 ここでのボルフォッグの奮戦も重要な要素だ。彼の主たる任務は諜報活動であり、正面切っての殴り合いは不得意である。故に切り札である合体を披露するも、それでも一歩及ばない。ここの頑張っているけど届かない、というのも後のカタルシスのために重要な要素だ。

 そして、どうしようもなくなった時、ついにガオガイガーが駆けつける。最初こそ敵の能力に翻弄されるものの、すでにカラクリがわかっているので超竜神の手ですぐに対応されてしまう。孤立無援の状況、戦力差の劣勢が埋められ、イーブンになったときに、凱の怒りが爆発する。

獅子王凱:
「それだけの兵器を体に備えておきながら、子供を狙うとは……絶対に許せんっ!」

 ここで視聴者の感情が凱に乗ることなる。ボルフォッグを苦しめた霧も超竜神の手により除去され、ついにゾンダーとガオガイガーの真正面からの戦いとなる。そして上記のように完膚なきまで叩き潰される。

 これまで散々ボルフォッグを苦しめていたトラップを一蹴し、敵の攻撃も真正面から圧倒的なパワーで粉砕する姿はまさにスーパーロボットの力強さを体現している。様々な搦手を使ってじわじわと追いつめてきた相手を、純粋な破壊力で相手の作戦ごと叩きのめすカタルシスこそ、このエピソードの魅力である。

 また、ガオガイガーの活躍に隠れがちだが、護を守るために奮闘し、最後は颯爽と去っていくボルフォッグの格好良さも、もちろん見どころの一つである。

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