イシズティアラメンツ崩御
今回は完全なコラム記事です
私の考察、頭の中を自由に綴っています
参考書というよりは読み物として読んでいただければなと
では参ります
環境シェア分析
とある配信で私は次のように分析した。
ティアラメンツの安定感、後手性能が削がれたことで他のデッキが十分に戦える環境になる
と。
ただ結果は違った。はっきり言って今はティアラメンツ一強環境だ。規制によりパワーの差が「縮まった」ものの「埋まりはしなかった」。
ただ正確に言うと一強環境ではない。
二強環境と言うのが正しい。
「イシズティアラメンツ」
「ティアラメンツ」
の二強環境だ。
?何を言っている?
今回のタイトルは「イシズティアラメンツ」の失墜である。
その原因は紛れもなく「ティアラメンツ」によるものだ。
詳しく分析していく。
「イシズティアラメンツ」とは?
改めてイシズティアラメンツとはどのようなデッキなのか。
イシズティアラメンツの主役はなんといっても…
この2枚。
アギドケルベクの5枚落としを用いて自分のデッキを掘り進めてティアラメンツを展開。そして…
2種の嫌われものを落として自然に妨害を用意する。
ランダム性こそあれど、セフィラやLLに匹敵する展開を行える。
妨害数は十分。リソースにやや不安ありとされていたが…
弦声が全てを変えてしまった。
さらに弦声のサーチ効果で…
をサーチできる。
これらを設置することで相手ターンキトカロスのプレイに繋がりリソース回収も盤石のものとなった。
ただ「イシズティアラメンツ」の本質は別にある。
キトカロス、メィルゥ、弦声に加えてアギドケルベクを使いデッキを掘り進める。
融合効果、ムドラケルドウの墓地回収を利用して墓地から「必要なパーツ」だけを戻していくことで…
デッキの中身がティアラメンツのみになるのだ。
ただこれだとまだ90点。
100点のデッキは…
このようにアギドケルベクを間に挟み「ティアラ密度100%」のデッキを作ること。
ここまでいくともう止まらない。
メィルゥ、弦声で3枚落としを行えばほぼ確実に2〜3種のティアラがヒットし、これがループし始める。
攻め手、妨害、リソースが循環し続けるため寄り切ることが可能だ。
アギドケルベクでデッキを掘り進め、必要なカードのみで構成されたデッキを最速最短で作り出す。
これが「イシズティアラメンツ」の本質であり、圧倒的なパワーの正体なのだ。
規制を受けてなお最強と目されていた「イシズティアラメンツ」。
ただここからが面白い。これに対抗するデッキが現れた。
それが「ティアラメンツ」だ。
「ティアラメンツ」とは?
ざっくり言うと、アギドケルベクを抜いて空いたそのスロットに誘発、それも…
といったティアラメンツギミックに有効なメタを詰め込んだミッドレンジ。
これが「ティアラメンツ」だ。
アギドケルベクはミラーでは使いにくい。5枚落としを行えば相手にも利があるからだ。
相手にも利するブースター、アギドケルベクはいっそ放棄して致命メタを増やしてしまおうという試みである。
これが思いの外環境にマッチした。
メインから強メタカードを入れているため先行を取られたとしても、Gを通されたとしても「イシズティアラメンツ」「ティアラメンツ」の展開を強く牽制できる。
そうしてターンを返してもらい、脆い盤面を崩す。
ミラーのメイン戦を落としにくくなり、マッチ単位の勝率upに繋がった。
ただ問題点が。
ブースターなくてデッキ回んの?
他のデッキに寝首をかかれない???
私もそう思ってこのデッキを嫌っていたのだが…
やっぱり弦声が強い。とにかく強い。
自ターン、相手ターン合わせて3+3=6枚掘れるためなんとかなっちゃいました。凄いね。
過程にアギドケルベクが挟まらないため出力は落ち、ティアラ密度100%のデッキは作れないものの、キトカロス+弦声+メィルゥの11枚落とし+レイノハートの確定落としだけでも十分勝ちにもっていける。
出力高め、安定感高めのミッドレンジデッキ。
デスピアの完全上位互換くらいに思ってほしい。そら強い。
関東と関西
関東圏は「イシズティアラメンツ」「ティアラメンツ」共に多いものの群雄割拠といった印象を受ける。
決勝まで進み7〜8回戦をこなすとして多くてもミラーは4回程度、時には1回しか踏まないということもある。
この場合、メイン構築は「パワー」に振ってよい。
つまりは「イシズティアラメンツ」を使った方が勝率を叩き出せる。だってミラー少ないんだもの。
とはいえ優勝を目指す過程、予選後半や準決勝などで勝ち上がってきた使い手とミラーマッチをすることになる。そのためサイドメタは決して緩めてはならないし、メインを多少寄せるのもアリだ。
その点この構築は絶妙なバランスを保っていた。
メインからビーステッド他誘発を多めに採用しており、サイドにもビーステッドのみならず浮幽さくら3を投入してミラーの主導権争いを確実に手繰り寄せている。
ミラーを警戒してアギドケルベクを減らしているもののメインに2枚残しているし、パワーを落としすぎないような工夫もなされている。
「イシズティアラメンツ」寄りの「ティアラメンツ」といったところだ。
彼は既に今期6勝をあげている。
新たな王の誕生に打ち震えずにはいられない。
ライトくん @rai_10y
ありがとう
さて
9月末。関東から関西に帰省したのだが、同じ日本か???と思うほどに異なる環境であった。
ティアラ一色
こう言わざるを得ない。
ワンキル大好きなあいつも罠ビ大好きなあいつも魔術師大好きなあいつもみーんなティアラ。
7〜8回戦をこなすとして全試合ミラーもざらやで〜と言われて椅子から転げ落ちた。
ここまでくると「イシズティアラメンツ」は不利になる。
アギドケルベク5枚落としを積極的に使えば要らぬ負け筋を生み出してしまう。
その枠に…
といった強誘発を詰め込まれて牽制されると5枚落としを強制され、運頼みのゲームになる。勝率が伸びなくなるわけだ。
実際9月末の段階では「イシズティアラメンツ」はほぼ死滅しており、アギドケルベク全抜き→メインビーステッド4〜5投は当たり前という「ティアラメンツ」環境が形成されていた。
とにかくミラーしか起こらないため特殊な研究がなされ、今までは見られなかったカードが投入されることに。
まずはこいつ…
サロニールちゃん。俺より髭もじゃで可愛い。
マグナムート、ドルイドヴルム以外のビーステッドが入っていないにも関わらずサロニールが採用されていた。時にはメインに。
種類を嵩増ししたいんじゃ!とのこと。ビーステッド1枚では止めきれないゲームが多いと結論づけられ、ビーステッドを複数種引いて止めきる!トレンドが生まれていた。
少なからず2500打点、リンク値+1、DDクロウと役割があるため思いの外感触は良いようだ。
次にこいつ…
以前から度々見たものの採用率が鰻登り。
メインビーステッドを入れた場合、墓地に闇
/水と闇/ドラゴンが落ちてるケースが多い。
ティアラ+ビーステッドで融合を行い⭐︎4&融合モンスター(スタペの素材にする)を供給する狙いだ。
先行展開において
1回目の融合でキトカロス
2回目の融合でルルカロス
を立てていくものの3回目の融合先は必ずこれ!というものがない。
リンク値用のキトカロスを出すことが多かったが、ドロゴンが入れば選択肢が有意に増える。とりわけミラーで凶悪な…
深淵に繋がるわけで。「メタ」の側面も色濃い良い判断だ。
もう一つ役割がある。
このカードは浮幽さくらを、なんというか、「やり過ごす」カードだ。
融合効果チェーン浮幽さくら、キトカロス除外を完璧にケアできるわけではない。
ただその中でもティアラメンツ+ビーステッドで融合してドロゴンをプレイ。ランク4やリンクに繋げて戦線を維持し、墓地に落ちたドロゴンを…
素材にしてさらに繋いでいく。
カレイドハートに加えて、ランク4、スタペリアによる戦線維持という選択肢ができるため多少は楽になる。
さくら打たれても全然負けへんわ〜と嘯くやつもいるくらい。その一端をドロゴンが担っているのは間違いないだろう。
最後はこれ。
???は???
当初意味がわからなかった。
ただここまで歪に醸成された環境においては輝く、のだと酒の席で教えられた。
メインビーステッドは当たり前として、サイドも合わせると
G3、うらら3、ビーステッド4〜7、無限0〜3
に加えてヴェーラー、さくら、ケルベクも入ってくる。
後手側は高率で2枚以上の誘発を持っているというのが彼らの弁だ。
複数誘発で止めきって勝てるならそれでヨシ。ただそれでも止めきれず盤面を作られた場合。精神操作が火を吹くことになる。
貫通して出てきたルルカロス、フェンリルをパクリこれらを起点に相手の融合効果、ビーステッドを牽制して展開。
これで後手を捲るというわけだ。
相手の妨害−1、攻め側の妨害+1、リンク値+1
を1枚で達成できるため単純に1枚で3役こなしている。
また、ビーステッドではなく効果無効系、Gで相手の動きを牽制したものの…
哀唱拾われました、というケースでも無類の強さを発揮する。
相手の場にいるティアラメンツ、たいていこういう場合はキトカロスがいるのでキトカロスをパクる。
こちらの場にモンスターはいないのだから相手は哀唱をチェーンできずにキトカロスをパクられ、哀唱を打てない状況に追い込まれる。
ティアラミラーにおけるキトカロス+哀唱のパワーは絶大でこれが機能しないのであれば後手側に大きくゲームが傾く。
誘発で止めた先として最もパワーが高いカード。それが精神操作だったのだ。
ゴギガという男が好んで使っている。僕の相棒だ。
ただこのカード自体は相手の動きを止められるカードではない。普通に展開されて…
深淵を置かれてしまったら精神操作ではひとたまりもないだろう。パクったやつ殴られへんし。
展開を止めて捲る方がミラーは勝てる!と考える私からすればさくらにしない意味が分からないけれど、これはこれで一理あることも認めよう。
ゴギガと俺はいつも平行線。でも勝つから不思議。
ティアラ一色の環境で特殊な研究がなされ続ける地、関西。
ティアラミラーに自信がある方は是非門を叩いてほしい。
ゴギガ @gogigabite
構築考察
私は今現在関西にいる。
ここで遊戯王をする以上ティアラ地獄にダイブすることになるわけだ。
まぁ7月もこんな感じだった。今さらビビりはしない。
はっきり言って私は「ティアラメンツ」が好きではない。
「イシズティアラメンツ」のパワーに引かれてデッキを握り始め、デッキ破壊と操作のコントロールがはちゃめちゃに得意で何本も取ってきたからだ。
とはいえ執着は盲目。
過度な固執、否定、拒絶は視野を狭めるだけだ。
自分の芯をぶらすことなくチューニングを進めなくてはならない。
初めは烙印融合型を使っていた。
まだ関東に帰省していたので、関東環境を想定して構築したもの。
とはいえ烙印融合自体が非常に強力で、烙印融合+水族で…
キトカロス+ミラジェイド
になる。融合縛りはつくもののキトカロスで展開を広げればほぼ勝ちになる。実際烙印融合を通した試合で負けた試しがない。それほどに強力無比なギミックだ。
また烙印融合、アルバスはメタカードにもなっている。というのも…
ルベリオンが除外ゾーンのカードを融合素材に巻き込んでくれるためビーステッドで除外されたティアラメンツ、特にハゥフニスの回収はもちろんのこと浮幽さくらで除外されたキトカロスを戻せる。
ルベリオンは烙印融合からはもちろんのこと、墓地に落ちたアルバス+ティアラでも融合可能。
ティアラメンツへの強メタカードを自然にケアしつつ強気に貫通できたため今なお有力といえる。
ただ烙印融合ギミックはミラーの後手において無力だ。
深淵を貫通できるわけでもなく、自らリンクとエクシーズの選択を放棄している。おまけにルベリオンのプレイにはハンドコストを要求されるわけで。
ミラー後手サイチェンで全抜き!という結論に至ってしまった時点で「最適」ではない、と言わざるを得なかった。
そんなこんなで関西帰宅。
ミラー後手を危ぶまれる烙印融合は使えない。それこそ精神操作や三戦3枚目メインに入れた方がマシ。
俺もアギドケルベク全抜きやるかなーと考えたもののふと冷静になった。
前期でもそこまでやってなくね???
今出回っている「ティアラメンツ」は前期「イシズティアラメンツ」の後手サイチェン構築に近しいものであった。
アギドケルベクを減らして誘発に、朱光や墓守の罠を抜いてこれまた誘発にするといった塩梅。前期も、規制を食らった今期も根っこは変わっていないし有意に勝率に変化はないのでは?と考えた。
そこで生まれたのがこの構築。
「後手サイチェン」を「メイン」に。
とはいえ極端な後手サイチェンではない。
副葬、弦声3哀唱2等先行の厚みを忘れてはいない。あくまでメイン構築なのだから。
副葬は減らされたペルレイノの代用として2投した。
破壊効果、打点パンプはないけれど哀唱落としてシェイレーン、ハゥフニスのサーチを行えるため十分に補えている。
ただ1つだけペルレイノを凌駕する要素がある。
ペルレイノには出来なかった罠サーチを弦声落とし→哀唱として行えるのだ。展開を引き締めてくれるのみならず、Gを食らったとしてもキトカロス→弦声サーチ、副葬→哀唱サーチとして1ドローで止まりにいける。これが思いの外凶悪で副葬はペルレイノに匹敵するパワカと判断した。
ただ万能とは言い難い。
哀唱や弦声は展開の過程で落とせるカードなので副葬の仕事は「前借り」にすぎないからだ。哀唱落とし→シェイレーンサーチから動き出したとして、展開過程で落ちる哀唱は何も生み出さないためリソースが増えなくなる。
魔法版、無謀な欲張りって感じ。
好みは分かれるかなと。
メインにケルベク2枚、サイドにアギド1枚、ケルベク1枚とした。
元々ティアラミラー後手はケルベク2枚残しでサイチェンしていたのでこれで良いと判断。
ミラー以外で出力を高めるためにもケルベクを抜きすぎてはいけないし、ケルベク3枚目、アギドをレシピから抜くことはあり得ないなと考えた。
メインに計5枚投入したビーステッドを抜いてアギド、ケルベク、うらら、墓穴2にチェンジできるため枠もぴったり。
ミラー対策はメイン含めて十分なので、それ以外をきちんと仕留めて常勝に繋ぐ。連勝するならパワーとメタ、どちらも高い水準にしないとね。
あ
この子、マーレっていうの。
マーレはレイノハート4枚目であり水族でもある。
イシズが出る前、4〜5月のミッドレンジ寄り構築から引っ張ってきた。
「ティアラメンツ」寄りのメイン構築にした弊害でやや先行の安定感を損ったため初動兼融合素材に困っていたので採用した。
感触は85点といったところ。
唯一の問題点は弦声と組み合わせられない点だ。
レイノハート+弦声では宇宙を創れるもののマーレ+弦声では何も起こせない。
せっかく召喚権を割くのに組み合わせ貫通札を活かせないというのが大きすぎるデメリットだった。
ティアラメンツクシャトリラまでの間を繋いでくれた良カード。
今までありがとう
終わりに
お読みいただきありがとうございます。
分析とぼやきに終始した。文体もいつもと違う感じで。
たまにはこんな記事も一興かなと。
今回のおまけは申し訳ないが文量少なめです。
試験勉強にリソースを割いており考察、執筆が追いつかなかった。「医学部 CBT」 で検索してみて。助けて。
スパチャ感覚で投げていただけるとめー〜ーちゃくちゃ嬉しいです。
それでは!
おまけ
新弾以後のティアラメンツについて考える。
メタ寄りの構築は蓋を開けてみないことには始まらない。
今回はパワーの最大化をテーマに構築を練ってみた。俺の好みは「イシズティアラメンツ」なので。
頑なに採用しなかったあのカードをメインに採用する。
レシピはこちら
ここから先は
¥ 250
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?