「変な絵」の話(ネタバレ有)

ネタバレ有というか、逆に読んでないとネタバレの意味すらわからない感じで書きます。
考察うんぬんより、読み終わった後に言うてもしゃあないことを怒りとともにつらつら書くのでいつもよりお言葉かなり乱れます、ご注意を。

 ※お話自体面白かった前提です。買って読む価値ありです。

雨穴さんの「変な家」「変な絵」を買って、ようやくどちらも読み終えたところでした。
正直なところ「変な絵」の方が前作より面白くて話のクオリティも上がってると思います(何様のつもりでしょう私)

ただ、このお話全貌が明らかになっても清涼飲料水みたいな読後感はないんですよ。平たく言うとモヤる。

結論:萩尾登美子お前が戦犯だろうこれ。

どれぐらい罪かというと、裁判で「犯人も反省してますし……」と結構軽めの刑がでて無事刑期も終えて、その後そいつが人を(3人ほど)殺している感じですね。

作品的にそれが題材なので設定に文句は勿論言いませんが、適当な診断した結果このやろうという気持ちが強いです。
心理学者やめろとまでは言いませんが、「成功例」として学生たちに事例として教材にした件については、後付けで最悪な事になっちゃってるよなぁ(追記というか、その後の顛末というか更新された内容の説明が必要だよなぁ)と思います。

自分ならやらかしたことに対して廃業する勢いですが、まあこの人にも生活はありますからね……今後は懺悔という形で、この後の顛末も含めて生徒に教えるのがいいんじゃないかなぁと勝手に思います。あくまでもし自分がこの立場であれば、ですが。

今野直美とその周辺の気持ち悪さ

日本特有の村社会的なそれというか、歪んでいるというか湿っていて気持ち悪い近親相姦的なあれすら感じました。(これは前回の変な家でも思ったな)

どこから遡ってやりなおしたらいいかと問われたら直美の父親が死んだあたりのその後ぐらいで、虐待+ネグレストで普通に児童相談所に通報してやれば彼女の人生も変わったかもしれないし、あのお母さんも死なずに済んだのかもしれんなぁと思います。

で、直美と義春(夫)についてはもう、話し合いが足りなすぎるというか。
そんなことぐらいで人殺さないでくれよという気持ちで胸が一杯です。
(でも、だいたいのミステリーで殺人犯す場合、数多く書いてりゃそりゃ人を殺す理由のネタが尽きて来るだろうよと思います)

離婚も視野に、じゃなくてそうすればよかったんですよ。
離婚叩きつけてやればよかったんですよ。結果論ですが、3人も人を殺せる胆力だけはあるんだからアンタ。
子供と家出りゃよかったんですよ。一人になって取り残されたら義春も自分の行い見つめ直すかもしれなかったのに。
子供からしてみれば、厳しい父親に何か言われてる最中、心の中でどう思っていようが表面上でも何もしてくれない、庇ってもくれない(と見えてしまう)母親はまあ同罪に近しいですからね。

この母親だったものに関して、この人は産み直しでもしたかったのかなぁと思いましたが、それとはちょっと違って多分小さい子(小さき命)が自分の手で成長していくさまを見て、慈しむのが好きだったんでしょうね……繰り返し繰り返し。

ところで、自分より弱い庇護すべきものの面倒をみたり慈しんだりするのの、かなり病的なやつってどんな診断つくんでしょう。

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