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シロノワールブラックサンダー攻略話

完全在宅業務自分ですが、本日自宅回線工事によりNWが使えず、カスほども仕事にならないことが予測されたため、お休みをいただいておりました。

工事の合間に折角だからと、普段行かない場所で食べないものを食べようと思って、人生初のコメダ珈琲店にゆきました。

お目当てはシロノワールだったんですが(モルカーのシロモに名前が何となく似ているから)目に入ったのがシロノワールブラックサンダー。
……ブラックサンダーコラボ! そういうのもあるのか。

孤高のグルメみたいな感想を抱きつつ、せっかくだからと頼んでみることにしました。
なお、「コメダ珈琲店の料理が量が多い」という事前知識はあったので、この日は朝から飲まず食わずでコンディションを整えてやって来ておりました。

悩んだのが量です。シロノワール通常サイズで頼むか、ミニサイズで頼むか。
当方若かりし頃はたとえラーメンが大盛りであっても「っぱ白米もないと物足りないっしょ」とライスは必ずつけるレベルの食欲旺盛な人間でしたが、歳を重ねるごとに「胃袋や腸を含めて人間の体は替えがきかない。代償は後から時間差で必ずやって来る」と散々わからせられたので、とても悩みました。

で、通常サイズを頼みました。
後悔はやらないよりやってからしたほうがいいんですよこんなもの※は。
※取り返しがつくならいくらでも。「このミッションが失敗したら、人類は滅亡する!」ぐらいの重大なプロジェクトの時はやめてください。

それから「できる限り甘さを中和する何かが必要であろう」とこれは野生の本能で理解しておりましたため、カフェインレスのアイスコーヒーも頼みました。(シロノワールを目の当たりにしてホットコーヒーをちびちび飲んでたら中和が追っつかないんですよ。アイスで流し込むぐらいでないと。)

「生意気にもカフェインレスとか頼みやがって、お前なんぞカフェイン中毒で苦しめ」と思われるかもしれませんが、別に突然丁寧な暮らしに憧れたなどではなく、当方何故かコーヒーとだけ相性が悪いみたいで、念のため体調を考慮してのことです。
紅茶や緑茶は平気なんですけどね……何故でしょうか。

先にアイスコーヒーが運ばれてきました。

カフェインレスのアイスコーヒー

コメダっておつまみみたいに豆がつくんですねぇ。
カリカリしててしょっぱくて食感よくて美味しかったです。
そしてこの先で命を救われることになります。

それから待つこと数分。ついにシロノワールブラックサンダーと対面しました。

白黒い悪魔

あらかじめ注文の際、お店の人に「通常サイズどれぐらいッスかね」と確認してたのでサイズは予想通りでした。
この頃は朝から飲まず食わずだったので「久しぶりの甘いもんだぁ」ぐらいで期待に胸膨らませている程度の感想でしたね。
この後の地獄も知らずに暢気なものです。

一口目はアイスで甘さを慣らしつつ、チョコたっぷりのデニッシュパンを口に運びます。こちらなんと表現したら良いんでしょう、ハンバーガーのバンズみたいに切れ込みが入ってて、デニッシュパンの上側をフォークで取ると中には溶けた熱いブラックサンダーがとろっとろに横たわっていました。
(意図せず何か、いやらしい表現になったな)

上にかかってるとろりとした粘度のある艶めいたチョコと、中のちょっとサクサクビスケットがまざったブラックサンダーなチョコがダブルで口内に溶け込み、その癖そこまでくどい甘さでもない、ほどよさとサクサク感がとてもおいしかったです。

思えば数年前に減量し始めた頃から何となく甘いものを食べる機会が減り、誕生日ケーキのようなホールのケーキなどに飢えていた気がします。
目にも口にも甘さが嬉しくて、満たされたという感覚が本当にぴったりくるようなおいしさでした。

デニッシュパンも市販の(スーパーなどで売られているような)サクサクとは程遠いシナシナした層の重なりパンしか口にしたことがなかったものでしたから、熱々+チョコ染み染み+サクサクで本当においしかったです。

アイスやデニッシュパンの上に乗っかっているクッキーがサクサクを助長してくれて、ブラックサンダー感もシロノワールの良さも双方引き立っていて、シロノワール自体は初めて食しましたが、まさにベストコンビではないでしょうか。

……が、これはシロノワール攻略なのです。
「口の中が甘い、幸せ、さくさくぅ」と喜びに任せて食事に時間をかけたら終わりです。完食するためにはそんな余韻に浸っている時間などないのです。この幸せは有限だ、近い未来必ず終わりが来る。

シロノワール(通常版)は量はそれほどでもありませんが、なんと表現すればいいんでしょう、例えば1キロの綿と鉄どちらの体積が多い?と問われた時の後者というか。
スフレだのふわふわパンケーキだの「食べたら口から消えてしまう儚い雪のようなふわふわ」ではなく、「最後までお前の口の中に残ってやるからな」「胃の中まで爪痕残してやるからな」と言わんばかりのみっちりつまったパンとチョコの暴力なんですよ。
いや、道民にとっては雪も儚いどころかしぶとい白い悪魔ですけどね。

よく言えば古き良きガツンと胃に残ってくれる食べ応えあるワイルドスイーツなんですが、悪く言えばチョコとパンと油の暴力。

そんなシロノワールブラックサンダーの数少ない味方は上に乗っかっているバニラアイス(ソフトクリーム)です。
先に「時間がない」と言いましたが、ひとつが単純にこのバニラアイスが溶ける前に喰え、が鉄則だからです。
冷たいさっぱりしたアイスが、チョコやデニッシュを緩和してくれます。

どうも人間甘いものの限界が近づくと、胃に落とせる甘いものと喉が通ることを拒絶する甘いもの、二種類あるみたいでして。
前者がバニラアイス(ソフトクリーム)、後者がチョコとブラックサンダーとデニッシュパンです。

もう一つが、頭が満足を感じる前に喰い切れということになります。
これが来てしまうとガチで手が止まります。

甘いもの狂いの方であれば「たかがシロノワールブラックサンダーごときで」と思われるかもしれませんが、日常的に糖質は米で補っていますという私のような人間にとっては、脳が満足する前にシロノワールを食べきらねばならないというタイムアタックがあります。もうRTAです。

自分の体感として、通常サイズのシロノワールであれば、半分ぐらいが本当においしく食べることができた量、になると思います。
そこから先は走れメロスといいますか、「自分はこれを食べきれるのか」「もう諦めたらどうだ」と己の黒い部分と向き合いつつ時間も限られている中、それでも走るしかないのだという状況になります。止まったら終わりなので。

ここでの数少ない味方はカフェインレスコーヒー(デニッシュパンを流すため)と、バニラアイスと、そしてカフェインレスコーヒーについて来たしょっぱい豆です。

シロノワールも後半戦になると先ほどまであんなに愛していたサクサク感がだんだん鼻につくようになってくるんですが、同じサクサクでも、この豆はしょっぱくてチョコで馬鹿になった口にポーション程度の回復を与えてくれます。

バニラアイスは最後まで私の味方で、心の中で私はアイツをシロノワール界のセリヌンティウスと呼んでます。友よ。
友が死んだら(溶けたら)単なる甘ったるいホワイトソースになるのでこいつが溶け切る前にデニッシュパンと絡めて食べるのが良いと思います。
(なんだか同じことしか言ってませんねさっきから。でも本当なんですもの)

シロノワール後半戦、甘すぎて甘すぎて胃が震えるという人生初体験を経験しました。最近この歳になっても初体験が多くて人生何があるかわからないものですね。そこに嬉しさはありませんが。

あと一口、あと一口、己を鼓舞しながら着実に終わりに向かって進みます。止まったら終わるので。
前半あんなに甘くて甘美でサクサクで楽しい彼女(彼かもしれない)が、後半は悪魔の形相で私を見据えています。

シロノワールブラックサンダー「私の事嫌いになった? 重い女で疲れちゃった? 酷いよ……」

いや、お前のことは好きなんだ。愛している、いや愛してた。
できれば別の場所で別の日に、小分けにして出会いたかった。

こんな話これ以上引き伸ばしても意味がありませんし、読むのもそろそろしんどくなってきたと思うので。
カフェインレスコーヒーとしょっぱい豆とセリヌンティウスの連合軍で何とかシロノワールブラックサンダー撃退もとい完食しました。

ここまでの所要時間……大体15分ぐらいかな。おそらく30分1時間と時間をかけてたら、恐らく完食は不可だったでしょう。

しかしながら、食事に15分程度、その後動けるようになるまでに15分程度時間を要し、30分以上お店に居座ってしまうことになりました。
(その時間帯はお店も空いてたのが何よりです)

お会計の際、シロノワールブラックサンダーを攻略した変なテンションと、いろいろな意味でシェフを呼んでくれという気持ちになってしまい、レジ打ちの方についつい話しかけてしまいました。

結果、やっぱりブラックサンダー人気みたいで、頼まれる方多かったみたいです。期間限定ならなおさらかもしれません。
ブラックサンダー好きなら本当におススメです。(量さえ間違えなければ)

ありがとうコメダ珈琲店、次はナポリタンとかカツパンとか、しょっぱいものを食べに行くよ。

何かの間違えで、再度シロノワールを食べに行く時は大人しくミニサイズを注文することにします。




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