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おかえりなさい。CoC『Firework Rainy』
クトゥルフ神話TRPGを遊んでいる人たちへ。楽しんでいますか?
私も日々楽しんでます。CoCって、サイコー!!
ここ最近、Twitter上ではシナリオの一斉投稿企画が行われています。
企画当日は色々なシナリオの投稿で、まるでお祭り雰囲気です。
楽しいです。
さて、「きっと魔法遣いだったあなたたたちへ」というシナリオ一斉投稿企画はご存じでしょうか。
きっと魔法遣いだったあなたたちへ、
かつて描いた魔法の国へ。
ずっとずっと待っていたよ。
さあ、おかえりなさい。
8月8日~14日にFELISSIMO魔法部×二足獣企画 様により行われ、テーマ「魔法」とアイテム「ペンデュラムのイヤアクセ」が固定されたシナリオ一斉投稿企画でした。
おかえりなさい。きっと、魔法遣いだったあなたたちへ。
とても素敵なテーマだと思いました。というわけで、シナリオを書きました。
TALTOはこちら
BOOTHはこちら
トレーラーや頒布サイトの説明文であらすじは書いたんですが、あまりにも情報量が少ない気がするため、もう少し、
「どういう話なの??」
「どういう雰囲気なの??」
というのをここで書ければと思います。
致命的なネタバレは無しで書いてはいますが、雰囲気やニュアンスのネタバレはあるかもしれません。
ですが、些細なことです。知っていても十分楽しめるでしょう。
何も知らない状態で臨みたい方はおすすめできませんが、通過、購入を迷っている方に、少しでも雰囲気が伝わればと思います。
クトゥルフ神話TRPG「Firework Rainy」って?
略称「えふあーる」(Firework Rainy)のこのシナリオは、全3話からなるキャンペーンシナリオです。
1話にかかる時間は2~5時間。2話だけちょっと無理すれば、全て平日夜1日で通過することができます。
参加人数はプレイヤー2名ですが、タイマン(KPとプレイヤーの1対1)の形に改変することもできます。
第1話の舞台は1900年代のグリーンランド。寒さに震えながら探索することができます。
なんと、これ以上のことは特に言えません。
ので、HOやシナリオ雰囲気の説明をしていきます。
HOについて
本シナリオはHOごとに、事前HOを導入しています。
このHOは、セッション開始までプレイヤー間で共有することはなるべく避けていただきたい、いわゆる「秘匿HO」にあたります。
HOを配るというのは、キャラクターの作成が固定されているから起こせるギミックがあったり、それによって十分な没入感を与えてくれたりする一方、キャラクター作成の自由度が低いことが難点としてあげられることがあります。
では、えふあーるのHOもキャラクターの作成自由度が低いのか?
全くそんなことはありません。
確かにHOを導入しており、加えて本シナリオは新規キャラクター限定です。この時点である程度の自由度は奪っています。
しかしそれ以上の自由度を奪わないように心がけました。
例えばですが、HO1は公開HOで、「グリーンランド北部の村へ向かう。」と記載があります。
しかし、グリーンランドに向かう理由はなくても進行するような導入を準備しています。
それぞれ配る事前(秘匿)情報は、量が多いものになっています。
しかしそれはあなたたちを取り巻く現状がどのようなものかを説明するためだけであり、そこに住むような人であればどんな人を連れてきたって構いません。
どうか、ふたりの物語を。
ここに来たのは、あなたたちふたりだけなのだから。
※タイマン改変について
可能です。どちらがKPCでも回せると思います。
おすすめHOについて
本当にこれに尽きますが、
HO1「初めからしっかりがっつりPCを練りたい!」
HO2「途中で新情報が出てきても楽しめる!」
この情報だけでどちらが良いか決めて、ほぼ大丈夫です。
(ただKPに苦手な要素(いわゆる「地雷」)を伝えることはおすすめします)
どちらのHOになったところで、大きな違いはありません。
このシナリオは2人で歩んでいくお話なのですから。
シナリオ雰囲気について
あなたはどんなシナリオが好きですか?
えふあーるは、キャラクター2名を見守るシナリオです。
時に神話生物という理不尽が、狂気の淵という困難が2人を襲うことでしょう。
その中で2人がどうやって進んでいくのか、あるいは歩みを止めるのか。
理不尽はあなたたちを急かし、命令することもあるでしょう。
けれど無視するのも2人の自由で、予想外のことをしでかすことだって2人の自由です。
ふたりの意思であるならば、第1話で終わり2話へ行かないことだって、正解なのですから。
キャラクターには、好きにしてほしい。やりたいことをやってほしい。
そういう気持ちで作成しました。
そう考えるのであれば、シナリオクリアを目指す人ももちろん遊べますが、より向いているのはキャラクターの旅路に寄り添う人かもしれません。
けれど、好きなように。シナリオはなるべく遊び方、感じ方を強制しないように心がけて作成しました。
また、私はソロ、壮大な旅路、世界でひとりぼっちなシナリオが好きです。
今回のえふあーるにそれら全て取り入れることが出来たとは言えませんが、もしかしたら世界でふたりぼっちの感覚は得られるかもしれません。
広大で、放っておいても流転する世界で、是非好きに歩んでください。
KPに向けて
えふあーるは、TALTO、PDF、テキストデータ、素材を準備しています。
これらはひとえに、いかにKPの負担を減らすかをテーマに作成されたものです。
TALTOは大見出し、小見出しをふんだんに利用することで、すぐさま目的の情報や調査箇所に飛べるような工夫をしています。
正直、TALTOを見ることが一番おすすめです。見やすく仕上がっています。
PDFは作成側の作業環境の問題でインデックスをつけることが叶わず、見づらいものとなっています。
それでも行間や記載方法をある程度工夫し、なるべく探しやすく、見やすくを心がけています。
テキストデータですが、プレイヤー・キャラクターに「自由にしていい」と言っているだけでなく、シナリオ自体もある程度改変可能となっています。
自由に本文をいじってください。
(守ってほしい箇所はシナリオ本文中に記載があるのでご確認ください)
そのセッションに来てくれた2人を出迎える準備を、ぜひ好きなように行ってください。
自由度の高さゆえにKPをすることが不安になる人もいるかもしれません。
ご安心ください、シナリオはもちろんそのままでも回せます。
背景やKP向け情報をできるだけしっかりと記載しているため、すごく困るようなことはないでしょう。
特にTALTOは、見やすく作成することが出来たと思います。是非フル活用していただければと思います。
迷った時は、KPの判断で、時にはプレイヤーと相談して、処理を決定してください。
そのセッションで皆の同意が得られたものが、なにより一番の「正解」です。
そして、本シナリオにはたくさんのセッション用素材が付いています。
NPC画像に加えて、オンラインセッションでココフォリアを利用する方に向けた素材もいくつか同封しています。
前景やBGMの準備はKP自身でやってもらうことにはなりますが、他の素材は恐らく全てあります。
少しでもセッション準備が楽になりますように。
もちろん、使わなくても構いません。
KPが思うように、キャラクター2人を出迎えてあげてください。
最後に
キャンペーンシナリオは楽しいです。
3話同じ仲間で世界を歩めるというのは、本当に楽しいものです。
地続きの3話構成であることを楽しんでいただけましたら幸いです。
花のような光たちが舞っている。
灰色の炎を遠ざけるように、光の雨が降り注ぐ。
頬が上気し、顔がほころぶ。
その温かさが自分にとって祝福だと感じるところで、いつもあなたは目が覚める。
おはよう、おふたり。
紛れもないあなたたち、ふたりを待っていたんだ。
見せてくれないか、世界は鮮やかな奇跡を待っている。
雨鯨