ひらがな46文字から任意の23文字を選んでショートショートを書いた
この記事は
【言葉遊び Advent Calendar 2023】に参加している記事です。
どーも雨天雨衣です。
2023年は5月頃からずっとリポグラムを楽しんでいます。
たまにポリバケツ語とかアンビグラムでも遊んでいました。
記事タイトルの通り
「ひらがなを46文字として、任意で23文字を選び、選んだ文字のみを使って短い物語を書いてみる」ということをしました。
記号や改行を除いた文字数は約4000字でした。短いね!
この記事は本編の解説や思った事を書いています。
本編を先に読んでからこの記事を読んでください!!
本編のリポグラムのルールを先に知りたい! という方は、
下の『8.23』は読まずに『Law.RULE』まで読んでください。
ゆっくりスクロールしてね。
い.きっかけ
前述の通り、ワタクシは2023年5月頃からリポグラムにハマっていたのですが、おそらく、漫画「暗号学園のいろは」(原作:西尾維新、作画:岩崎優次)を読んだあたりからやってみたいと思っていました。
また、結構前に「残像に口紅を」(著:筒井康隆)や8月~9月に「りぽぐら!」(著:西尾維新)を読んでいて、リポグラム読みたい欲がたくさんありました。
さらには5月頃に「あ段ばっか」というルールのリポグラムで二次創作を書いたりもしていました。(余談ですがコロナでぶっ倒れながら書いてました)
「読みたいけど意外と無いよな……じゃあ書くか……(?)。そういえば使いたい文字をある程度任意で選べるとどうなるんだろう?」と思い、いろいろ書いていたところ、もう~~少しで完成かなというところで【言葉遊び Advent Calendar 2023】が企画されたのを発見し、参加しました。
Law.RULE
今回やったリポグラムのルールは、漫画「暗号学園のいろは」に登場するゲーム「失言半減質疑応答」を参考にしました。
本編でのルールは以下の通りです。
ひらがなを「46音」として、そのうち23文字を任意で選択する。
その23文字のみを持ち字として文章を書く。濁音・半濁音・拗音・促音は元の音と同じ扱いとする。
例:「ば・ぱ」→「は」と同じ。
例:「っ・づ」→「つ」と同じ長音(音引)は前の音の母音とする。
例:「ピーコロン」→「ぴいころん」
例:「カレンダー」→「かれんだあ」外国語は出来るだけ一般的な発音とする。
例:「Tow」→「とぅー」「つー」→「とぅう」「つう」発音は考慮しない。
例:「わ」を選択していない場合でも、助詞の「は(発音わ)」は使用可能。ひらがな、カタカナ以外には必ずルビを振る。
8.23
そして選択した文字は以下の画像の通り。
とりあえず欲しい文字を挙げていったところ、余裕でオーバーしたので削っていきました。
「い」「う」「し」「つ」「り」「る」「を」「ん」は使用頻度が高いと思ってすぐ採用。
「と」「の」「は」「も」は助詞としてめちゃくちゃ使うのですぐ採用。……したのですが、何故「に」「へ」を選ばなかったのか。『てにをは』を知らないのかよって思います。実際この二つが無くて苦労しました。えぇ……?
登場人物の口調を先に決めて「て」「す」を採用。そのまま後輩っぽさを出したいため、先輩の「せ」も採用。
「何故・何・なんか・的な・~~な」辺りを使いたいため「な」を採用。
拗音が欲しいので「や」を採用。これ以外もそうなのですが正直結構感覚で選んでいる気がしますね。
『多分「あ行」から「た行」は多いほうが良い』と思い「か」「き」「た」を採用。こっちも使用頻度結構高いよな~と思ってた気がします。
「こ」「そ」も流れで採用。しかし、書いている途中「れ」が無くて『これ/それ』などが使えなく厳しかったので途中で何かと入れ替えが発生。確か「さ」「ゆ」「よ」のどれかと交換。『こそあど言葉』を知らないのかよって思います。アホすぎる。
……こんな感じの選出理由だったと思います(うろ覚え)。途中で使用文字の変更がありつつも、まあまあイイ感じのチョイスが出来た……ようで意外と厳しい時は厳しかったりしました。
以下困った例。でもこの『困り』が楽しい。
「に」「へ」が無いのでちょくちょく言い回しに困る。
「あ」が無いので「ある」が使えず言い回しに困る。
「あ」「え」が無いので「あー」「えーと」が言えずなんか単調になりちょろっと困る。
「あ」「お」「く」「ほ」「み」「わ」が無いので一人称二人称がだいぶ使えず困る。
「み」「め」が無いので「目」系の言い回しに困る。
「ち」「む」「ろ」「わ」が無いので「1」「6」の数字にだいぶ困る。
「ね」「よ」が無いので「~ですね」「~ですよ」などが使えず口調が単調になり困る。
「ひ」「ふ」「み」「む」が無いので「非不未無」を付けて無理やり逆の意味の造語を作る作戦が全く使えずちょっと困る。
「く」も無いので「逆」が使えず困る。他「書く」「置く」など使えず困る
「あ」「え」「お」が無いので長音「ー」が使えずやや困る。
「く」「け」「さ」「ま」「ら」「ろ」「わ」辺りわりと使うので結構困る。
「ほ」が無いので「ほんとう」「ほぼ」「ほか」が使えずやや困る。
「ゆ」「よ」が無いのでわりと拗音系の言葉が使えず困る。
他にももっとありますが大体こんな感じで困って書いてました(?)
で、唯一出ていない「ぬ」なのですが、コイツだけ欲しいと思った事がほとんどありませんでした。「犬」「死ぬ」「布」「塗る」では活躍しているんですけどね……。「無い」が使えるのであんまり打消しの「ぬ」を使いたいタイミングが無かったのかも?
実際に文章を書いていきながら、誤字確認をする為に、スプレッドシート > 表示形式 > 条件付き書式 から「範囲:シート全体」「書式ルール:カスタム数式」に以下の2つの数式(?)を入力。
どちらも「選択した範囲内に、指定した文字が入っているセルがあったら、そこをピックアップする」ということをしてくれる正規表現っていうやつらしいです。理解したいけどめちゃ苦手。面白いけどわからんですね。
上の数式はメインの禁止文字使用をしていないか確認をしています。ちゃんと濁音・半濁音・拗音を全部入れています。いろいろ設定して、該当する文字が合ったらそのセルが赤くなるようにして書いていました。
もうちょっといいやり方ありそうですね!
下の数式はカタカナを探す用としています。上の数式ではひらがなのみのため、カタカナがあるセルをオレンジ色になるように設定して、横にカタカナをひらがなに手入力変換して、ミスがないかチェックしました。
手入力じゃなくてカタカナをひらがなにする数式を普通に入れれば早い気もします。
数字、漢字、alphabetで同様にやるべきなのですがカタカナよりは目立つのと、漢字ピックアップするときりがないのでやってません。漢字を使用したら空いているセルに読みを入力して、上の数式に引っ掛からないか確認しています。パワー。
↑この画像間違って2003年になってますね。ウケる。本編では直ってます。
正規表現(?)を使っているトコロはなんかイイ感じなのですが、条件付き書式に引っ掛かるように確認するための手打ち部分が力業なので、なんかトントンですね。もうちょっとイイ感じの方法があったら教えてください。
リポグラム書いている人どうやってミスチェックしているんでしょうか……。キーボードに画鋲貼りつけたほうがいいですかね。(残像に口紅をネタ(リポグラムボケ(わかりにくい)))
弐.内容解説
さて本編の内容解説です。正直、物語の内容的に面白いモノを書けたかというとちょっと自信がないです。ウオオ!
解説、意図、使えなかった言葉などを書きます。結構だらだら書いてるので飛ばしてもイイです。
舞台は多分現代の学校。中学校~高校あたりを考えていますが、そもそもシステムが違うかもしれないですね。
理科室の掃除を『木矢るりか』と『先輩』がしているのですが、途中で先輩が何かに気付き、木矢るりかにいろいろ問いかけます。
「ふゆ」「うぃんたあ」「ほうかご」がそれぞれ使えないのでやや不自然。ギリギリ普通に読める雰囲気。
「冬の理科室で掃除」というシチュエーションはかなり後付けで追加した設定。この二人がどこでどう話しているのか場所の設定が無かった。やばい。そういやあどべんとかれんだーだけどそういう要素入れてナーイ!と思って冬にしました。そんで参加した12月9日にしました(後述)。
先輩は何かを指さして、木矢るりかは『椅子』と回答。
何かや何かを持って『パステル』と回答。
何かを持って『もも』や『りんご』と回答。
先輩的には凄く違和感がありますが、木矢るりかとしては問題なし。特にパステルでなんか変な印象を持たせようとしています。
何かについては後述。本編でも最後に後述しています。わざと使えない言葉に近づいているところです。
このあたりは場所の設定を「美術室」にしたかった名残りがちょっとありますね。
また、発音準拠ではないよ~~というのをなんとな~~く示しています。
「ペンをりんごに刺す」が言えないため、めちゃくちゃ不自然。ふざけつつじわーっと違和感を持たせたい。
「ふで」「ひつ」「ぺん」「ほん(単位)」もそれぞれ言えないので、わけわかんないことになっています。書き物のほとんど全てを「パステル」と言う世界観ですね。他にイイ感じの言い換えあるかなァ。
「やわらかい」が使えないため変な言い回し。もこもこ。もこもこな椅子といえば……? というパートです。そんな椅子が理科室にあるわけないんですけどね。
先輩は数字を木矢るりかに言わせてみる。すると明らかに違和感がある。にほん語とイタリア語とえい語が混ざっている。でもそれが普通らしい。
「いち」「ひとつ」「わん」「ろく」「むっつ」「しっくす」が使えないのでかなり悩みました。
で、この世界の2桁以上の数字の表現が、ハイフンで繋ぐというルールになりました。発音的にはちょっとだけ間をあける感じですかね。わかりにくい。
ほかにも「いま」「ねん」「にち」「ひ」「クリスマス」が言えないので回りくどい。
木矢るりかがクリスマスの予定がなく空いていることを先輩に言っているけど、それも回りくどい。
しりとりの王道の流れは、木矢るりかの中では、しりとり→りんご→鮴だそう。「ごりら」が言えないのでこうなった。この世界では猿系の動物が大体「モンキー」という言い方になっているっぽい。
正直、話の展開が思いつかなくてリポグラムしりとりをしたかっただけな気がする。
ここのしりとりをするパートでは、使える23文字を1回は必ず使うようにしています。この部分で大まかに使える文字が何かを推理(?)出来るようにしています。
また、ここでやっているしりとりのルールとして、「長音・促音・拗音で終わった場合、ひとつ前の文字もくっつけて繋ぐ」というものがあります。
例えば「キャンディー」では『最後の文字が長音の為ひとつ前の文字を持ってくる』→『ィのためさらにもうひとつ前の文字を持ってくる』→『次の言葉は「ディー」から始まる言葉』というようになっています。
最後に木矢るりかが「梅雨前線」を言いかけてやめたのをアウトとして終了。こういう負け方もアリじゃないかなと思います。
「まけ」「はいぼく」「しゅうりょう」「おわり」などが言えないので微妙に韻を踏んだような言い方に。
先輩が「言えない言葉がある」ではなく「言えない文字がある」という事に気付いたという展開。にしました。
木矢るりかが50音(23音)を書いた画像は雨天雨衣の手書きです。もうちょっとカワイイ文字を書けるようになりたいですね。
先輩はこの世界の2桁以上の数字の言い方に慣れていないので足し算をしています。
ここでこの二人の文字の感じ方が明確に違うことがようやくわかります。
なんか展開に無理があるような気がしますがもうなんかいいやってなりかけていますね。ヘッヘッヘ。
木矢るりかは先輩の名前が言えず困惑。先輩が何度も言うけど聴き取れない。だんだんおかしくなる感じ。
「きこえない」が言えない。「おおきい」が言えない。
「かお」「くち」が言えないので「顔口」という存在しない言葉が生まれている。
先輩の名前「××××××」が一文字も聴き取れていない。禁止している23文字でイイ感じの先輩の名前を考えてみよう!(突然の読者参加型)
木矢るりかがちょっと何も言えなくなっている。
先輩は、自身の存在がおかしいので、もしかしたら「世界五ふんまえ仮説」とかあるかもねーって言う。この辺も展開が思いついていないですね。
実際に読んでいてこの辺で丁度5分だったら面白いんですけどどうでしょうか??
パッ をしたら元に戻れるけど、そうするとそもそも木矢るりかの記憶から先輩が消えるかもしれないという考え。展開が思いついていないですね。
『元に戻したら記憶ごと消える』の元ネタは「時をかける少女」(著:筒井康隆)です。掃除しているシチュエーションも同様。アニメ映画じゃない方。
パッ をした後に起こされたところ。いろいろと辻褄が合ったり合わなかったりしています。前述の通りの元ネタっぽい感じの展開。
「グループ」「ひと」「メンバー」「かえる」(変える/帰る)「へんこう」「みなおす」「まかせて」「いちにん」「ありがとう」「ごめんなさい」「もうしわけない」「さようなら」などが言えないのでいろいろ言い換え。……普通に『感謝』でいい気もしますね。
最後の最後に木矢るりかが使えない23文字の「×」を使うものの気付かない。
『椅子』は『ソファ』(ソファーと悩んだ)
『パステル』は『ボールペン』や『万年筆』
『もも』と『りんご』は『ネクタリン』(今知った果物)
という内訳です。
微妙にトゥルーエンドみたいな感じですね。
実はこのタイトル、選んだ23文字のパングラムです。「だ」のみ濁点がついていますが、(無理矢理)23文字全てを1度だけ使った文になっています。
ここでリポグラムの仕掛けに気付ける方もいるかも。
また、タイトルに「るりか」が入っています。『○○の○○の部分』です。
この部分もちゃんと選んだ23文字を使って言い換えをしています。
「あそび」「ゆうぎ」「たわむれ」「アドベント」「カレンダー」「こよみ」「さんか」が使えないのですごい不自然ですね。
きやるりか。特に深く設定は考えていない。「ギャル」+「りか」(個人的にギャルっぽい印象の名前)という由来。なので特に「理科室」にかけたわけではなく偶然。そもそもそんなにギャルっぽくないな。後にもうちょいギャルギャルしくしたいとか思ってますが特にそんな予定はないです。14歳くらい。先輩のことが好きかもしれないけどそもそもそんなこともないことになった。
せんぱい。名前不明。前述の通りなのでみんなで名前を考えてみてください!! 特に決めていないです。あんまり設定考えていないですが、多分第四の壁のこちら側にいる我々と同じ世界にいる人。的な感じ。15歳以上。
てつき先生。保健体育の先生。固い名字にしたかった。
るりか母、るりかパパ。教育熱心っぽくなった。
以上です。長っ。
ホ.エンディング
なんかいろいろ書きすぎて結局何が言いたかったのか忘れました。
即興で書いたり喋ったりは難しいですが、意外と任意で23文字(とちょっと)だけでもそれなりに文章は書けることがわかった気がします。
ランダムじゃない分そこそこ自然な口調になっていると思うので、厳密にランダム23文字2ブロックとなると結構難しいとも思います。
日本のリポグラム先駆者はすごいですね。皆さんも五十音表と言い換えの語彙があれば出来るはずです。さあ! これであなたもリポグラム!
ここまで読んでくれてありがとうございました!
L.ふ6ノ欄
オマケです。紹介や宣伝したい作品をまとめました。
っていうかnoteで埋め込みできるの今知りました。遅っ。
【言葉遊び Advent Calendar 2023】
改めて参加した企画です
言葉遊びのあるマンガ紹介!
言葉遊びAdvent Calendar 2023 12月5日参加 城ぶどう さんの記事
(ちょろっとイイ感じに内容が被りました そういうこともあります)
「暗号学園のいろは」(原作:西尾維新、作画:岩崎優次)
牡丹山春霧さんすき
「残像に口紅を」(著:筒井康隆)
終盤の畳み掛ける感じすごくすき
「りぽぐら!」(著:西尾維新)
リポグラムも物語の内容もおもしろい
「時をかける少女」(著:筒井康隆)
なんだかんだ原作小説がすき
この記事と今回のリポグラムを書いた人、|雨天雨衣《うてんあめい》のTwitter(新X)
ワタシです(^o^)
雨天雨衣による「あ段ばっか」のリポグラム二次創作
デレマス好きな方はぜひ超暇な時に読んでみてください
使っていい文字を制限して東方4コマを描いた結果がこれだよ!!
キャラクター名に含まれる文字のみを使えるリポグラム二次創作漫画作品(制作:野久 狸)
しっっっかり使っていい文字を制限していてすき すごい
雨天雨衣が2023年12月9日に参加した別のアドベントカレンダー企画
ニコニコメドレーって知ってる?
七色とか流星群とか摩天楼以外にもたくさんあるんです!