感想まとめ《殺伐感情戦線@殺伐百合投稿企画》
殺伐百合投稿企画、ってのをTwitterで見かけまして。
第一回の立ち上げで、お題は「責任」。
だいぶ縛りもファジーで参加しやすそうだったのもあり、軽い気持ちでエントリーしてみたんですが、まぁこれが想像してた以上の盛り上がりを見せてまして。
折角なので「投稿されてる短編作品の感想を簡単にまとめちゃおうかな」とか思い至った次第です。
ただ、全部見ていこうとすると間違いなく途中で悶死する羽目になるので対象は以下としようかなと。
>公式アカウント(@yuri_STBT)にRTされてる作品
>文章作品、かつ外部サイトで公開しているもの
>お題発表から締切の2月9日24時までに投稿されているもの
ほんとは短歌とか絵とかSSメーカーで作られた話とか他にもいろんなお話があるんですが、それらへの思いを感想として出力するにはボクの語彙力は乏しすぎるので……堪忍してくださいね。
と、前置きはそれくらいにして早速まとめていきましょ!
※感想なのでネタバレとかぼろぼろ出るし、個人の主観とかクソみたいな物言いとかいっぱい出ちゃうと思います。許してね。
◇ ◇ ◇
■君の全てを溶かしたい
■@howaflower
―「ゆっくりでいいよ」
こういうのを真っ直ぐどストレートで書かれるの、すごく好感持てますよね…。
でもって向けられた殺意を微笑んで受け入れる女はさらに大好きなやつ。
短編の投稿作品一発目として実にらしいお話だと思いました。
◇ ◇ ◇
■自己(満)責任
■@increaselettuce
―雨はいつの間にか止み、暖かい陽の光が散り散りに差し込んでいた。
打って変わってすっごい爽やかなお話。
「殺伐」「責任」みたいなお題を提供されるとどうしても話を暗い方に持ち込みたくなっちゃうのが人のサガだと思うんですが、いや、こういう昇華の仕方もあるのね…!
「ただのエゴイズムかな?」とか『返事を見る前に支度して家を出た』とか、
いいんだよいいんだよ、そのエゴを純粋に応援したくなっちゃうんだよこっちは、頑張れ頑張れって感じで。
◇ ◇ ◇
■彼女の娘
■@Ren_1I9T3R
―私は、本当に桔梗のことが好きだった。そして、今はそれ以上に茉莉が好きだ。
好きだった女の娘に面影を見出す手前勝手な女、これ本当に好き。
この手のお話、一生その呪縛に縛られるルートと「一人の人としての顔」に向き合うルートのどっちに転ぶかなって毎回わくわくしちゃうんですよね。
なるほどそっちなのね、良かった平穏無事に落ち着きそう……とか安心してたところをノーモーションでがつーんと殴られたのでもう傷心ですよ、こんなんズルい。
女の呪縛、やっぱりちょっとやそっとで解けるものじゃない。
―これからは、お前が英雄だ。最期まで楽しめよ。
呪いですよ呪い。たくさんの死をまき散らしながら無限に続く、呪いみたいな言葉。
傍から見れば大迷惑すぎるこの繋がり、人間~~~って感じですごく良いですね。
ラストシーン、一瞬だけ「お、この環を断ち切ったのでは?」とか思ったけども、
結局この子の縁者近親者etcetcがやってくるだけなのでまったく何も変わってないんですね…。
ほんとにただただもうちょっとだけ楽しんでから逝くつもりですよこの女。最悪すぎて大好き。
◇ ◇ ◇
■さよなら感情、よろしくホームレス
■@nanmokanmos
ボクのだ! 以上! 割愛!
◇ ◇ ◇
■私が2番目に望んだこと
■@hitomishiri6
―「恋人とかお嫁さんとかいってたけど、あなたは私をそうしてくれるつもりがあったの?」
女すぐ女に消えない傷刻み込もうとする~~~!!
こういう後先考えないことしちゃう女、ほんと好きですね。
崖に向かうレールに敢えてトロッコを進ませるような女。
このあとどうなるのかな、ってのがめちゃ気になるけどもそこで〆。いろんな想像が膨らむやつ。
◇ ◇ ◇
■雪に死体を埋めたとしても
■@3g7ttdMh3Q
―てんらら、てんらら、てんららら。てらん、てらららん、てららららん。ぱぁぷぅ、ぱぁぷぅ、ぱぁぷぅ女。
ぶっ刺されたやつパート1!!
舌触りの良い言葉、耳触りの良い言葉ってのがありますけども、
読んでて気持ち良い「目触りの良い言葉」ってのも確かにあると思うんです。
ただただ読み進めるだけで気持ち良いんですよね、この文体。それだけで本当にズルい。
そんな気持ちの良い文体で紡がれるお話は新雪のように綺麗でやわらかで、
それでも雪で隠しきれない愚かさに目を覆いたくなって。
こんなスカム感想記事読んでる暇があったら早くこっち読んでください、お願いします。
◇ ◇ ◇
■いつでも人生の明るい面を見つめよう
■@Tsukuru_Inui
―シバエが自分が泣いていることに、カユリに後ろから抱きしめられて、二人で涙を流していることに気づいた時、雨はすっかり止んでいた。
捨てたはずの過去に足を掴まれるやつも、女と女が二人で埋めるやつも大好きなやつですね…。
あまりに酷い話なんだけども、それでも明るい方に目を向けていられるのはほんとに強い。
行く末に幸あらんことを。ラストの情景がすっごく綺麗で好き。
◇ ◇ ◇
■香苗、私の愛した女の子
■@kirisikisiki
―この手に感じる、あの温もりも。肉の感触も。頬を流れ落ちる涙も。
―全部なかった。全部なかったのだ。
ぐるぐる思考の独り相撲系。
女が女のことを考えるだけでもう百合ですからね。関係性の力を信じていけ。
ただ本当に申し訳ないんですが、読解力がめちゃめちゃ低い人間なのでこの手のは正しく読めないことが多くて苦手なんですよね…。
香苗を手にかけた時から「私」も失幸福症を発症させて…とか読み取ってるんですが、
誤読っぽさもだいぶ強いですしうぐーーーーー頭が痛い、読解力をくれーーー。
◇ ◇ ◇
■責任の取り方
■@GOn9rNo1ts
―教室の真ん中で太陽のように笑うあなたは、教室のはじっこでデブリのように浮いている私にとって眩しすぎた。
冒頭のこの一文で一瞬で好きになってしまったやつ。
二人が浮き上がった教室を鳥瞰した画が一瞬で浮かびますもん。美文~~~。
>頭の悪い私には、頭の回るあなたのように正解を見つけられないけれど。
頭が悪いからこそ、自首した後に残される「あなた」が何を思うかまでは考えられないのよね……悲しい、本当にかなしい。
◇ ◇ ◇
■Pills, Demons & Etc.
■@simonmoulin
―「お願い、ムーンスペルを打って。もう一回、フレイに会わせて」
ヤク中女の同棲生活、もう設定からしてズルい大好き。
地の文を読んでて感じる「おや、これはもしや」具合と、その違和感の回収の手際が鮮やかですよね……書き慣れてる人なのかしら。
でもって作者さんツイート見てみたら「即興で書きました」なんて投げられてて「これが即興!?」って脱帽しちゃったやつ。
結構なお点前で…!
◇ ◇ ◇
■初めての喧嘩
■@dontenses
―誰にも邪魔なんてさせない。そう思うでしょ、あなたも!
いや~~~、もう、最後の一行が本当に瑞々しすぎて好き。
685文字。それだけでこんなカタルシス感じさせちゃうのほんとに凄いな…。
ここまで読んでて一番気持ち良かったです。
◇ ◇ ◇
■今生結の遺言書
■@musume_musuko
―「だから、責任を取ってくれ――私を嫌った責任を取ってくれよ」
めんっっっっっどくっさい女!!!! 褒め言葉として!!!
こういう回りくどい女、大好きなやつです。直情的な女を絡めてさらにポイントどん。
読んでて楽しい関係性でこっちまでにこにこしてきちゃうやつ。
仲の良いフリを八年続けてて未だに犬猿の仲説が絶えないの、もうこれからもずっとこのままなんだろうなって微笑ましさがあって良いですね。
◇ ◇ ◇
■破れた写真
■@aomekoumiha
―もうすぐだよ、リイチャ。あなたをあの男から解放してあげる。
カクヨムに慣れてなさすぎて「これ続きないんですか!?」って書き始めたところで二話構成になってたことに気づいたんですが、それは置いておいて。
うーん、救われない。
独りよがりの献身が報われずに幕を下ろすの、本当に読んでて辛くなっちゃうやつ。
お手紙を燃やした時の「あかん……」感ものすごかったですね。
読み終えて口の中に苦味がずっと残り続けるようなこの感じ、お見事。
◇ ◇ ◇
■嘘吐きの唄
■@Sons_of_Nakids
―「こんな世界、こんな理不尽なんて、子供は知らなくていい。救いがないのならせめて、お話の中でって――」
うーん、救われないパート2。
素敵なお話の世界から私をなぜ追い出した。ソフィーナはそう叫んでいたけども、
そんな楽園から真に追放されたのは、グレイスの命を蹴飛ばし殴り潰すことをソフィーナ自身が選んだ瞬間で。
僅かに垂れ下がっていた蜘蛛の糸を自分自身の手で千切ってしまうの、ただただ読んでて悲しくなっちゃいましたね…。
◇ ◇ ◇
■あの怪物を殺す女
■@aaamecooo
―「……聞かないだろうけど、もう一回忠告するわ。あんた、自分の人生と他人の人生を迷宮にポイ捨てするようなことはやめなさい」
―「嫌なこった」
ぶっ刺されたやつパート2!!!!
台詞回しがとにかく涼しすぎるんですよ、このお話。
前半までは平易に読めてたんですが、後半がもう刺さる刺さる刺さる。
ひとつの目的のために、たった一つの感情のためになんでも捧げられる女は本当にカッコ良くて人でなしで。
こういう手前勝手な人間、本当に大好きです。
ということで、こんなスカム感想記事読んでる暇があったら早くこっち読みましょうね!!
◇ ◇ ◇
■メガミガミ
■@hqLsjDR84w
―「一緒にしないで」
感想の前にこの人が使ってる「即興小説」ってツールの説明をしたいんですが……
・15分から4時間のタイムリミットを設定
・開始と同時に「お題」提示
・タイムリミットが切れると同時に執筆強制終了。タイトル決定とともに強制投稿
…と、本来こういう企画で使われることを想定されていないはずのツールなんですよ。縛りがキツすぎる。
そんな状況で書かれたのがこのお話なんですが……ほんとに縛りあったの?ってくらいにナチュラルに仕上がっててすっごい、ずっこい。
優等生な女が不意に見せる巨大感情、これほんとに大好きなやつなので……
良いですよね、人間超越存在が人間みたいな泥臭い感情に振り回されてる姿……
◇ ◇ ◇
■冷たい夜に死ねたなら
■@R_Tachigawa
―今日の予報も晴れだ。私達の頭の上には絶対零度より僅かに熱を帯びた漆黒の宇宙へ開け放された薄い大気と、その上で輝く星空が広がっているのだろう。
ぶっ刺されパート3!!!! というかこれ即興小説!? 嘘でしょ!?
ボクがめっちゃめちゃに弱いタイプの文章の一つに「画作りが上手い」ってやつがあるんですけど、こいつが完全にそれですね……
氷点下の雪と氷の世界、停まった車、細い枝に雪を積もらせた白樺、静かな車内で僅かに聞こえる鼻息と衣擦れの音。
浮かびませんか、浮かぶでしょそんな画が。
絶望的な状況なのに、そんな状況で浮かんでくる二人だけの世界がどれもこれも綺麗すぎてほんとにズルいんですよ、これ。
読もう!
◇ ◇ ◇
【以下、2/11(火)追加分】
◇ ◇ ◇
■面影
■@Long_I_I
―額縁がわたしのリビングルームの棚に置かれ、それが“仏壇”になった。わたしと香織の初めての同棲だった。
うわーーー、やられた!!
最後のさいっっっごまで素直に読んじゃってたので完敗です!
別の女を想いながら女を抱く女は最低過ぎて大好きなんですが、
どんな風に落とすのかなとか思ってたら、いやぁ……。
もーー本当に最低過ぎて大好き。死後香織に怒られてくれ。
◇ ◇ ◇
■貸し仮と蜘蛛の贄
■@twoface66854959
―そして彼女の言葉は、私に確かな勇気と自信を与えてくれた。私はいま、何でもできる気がした。
悪い女だ! 悪い女が弱い女に執着するやつすき!
こういうお話、どうしてもその後に思いを馳せてしまうんですよね。
ロクな死に方しないのは間違いないんですが、最後まで何の後悔も見せずに不敵に笑ってくたばるんだろうなとか、そういう。
悪い女、死に際まで悪くカッコ良くあって欲しいもんな……とか、そういういろんな妄想膨らむお話でした。
◇ ◇ ◇
■のけものばけもの
■@yotbuxup4u
―お化粧。
―これが一番大事だ。
―あの子に会うのに、あの子を殺すのに、最高に磨いた自分でなくては一切の意味がない。
おっもしろいなぁ、これ…!
正統派にまっすぐぶん殴られた感じ、読み進めるのが純粋に楽しいやつ。
ばけものさん、コトギをまねっこした「にひひ」笑いが最悪すぎて好き。
そんなばけものがもたらしたこの状況は本当にヘビーなのだけれど、
アザミとコトギの真っ直ぐな純真さを見てると自然と「二人ならだいじょうぶ」って気持ちになるから不思議。
いやあ、良かったです。
◇ ◇ ◇
■瘴癘の、夢
■@TheDogs_Of_War
―わたしはわたしの指をじっと見る。
―継ぎ接ぎされたそれは、たしかに少女たちのものだった。
責任が重い…。
死へ送るまでの一連の動作がただ綺麗。
並ぶ単語はどれもこれも凄惨で無残なものなのだけれど、それでも全体的に耽美な美しさを感じさせるのはワザマエですよね。
早く解放されると良いね……ほんとに救われてほしい。
◇ ◇ ◇
■貴女のために花弁広げる
■@T8ALBdjBaNILj68
―「辻井昭三は新日本建設のためにご努力遊ばされ末永く御多幸ならんことを切に御祈り致します」
こういう話の引き出しを持ってる人、それだけで尊敬対象になっちゃうんですよね。
文章全体から戦時下の土煙が匂ってくる感じ。雰囲気作りがめちゃくちゃ上手い。
好いた女のために文字通り身体全てを躊躇いなく捧げてしまう、そんな女の執着の粘っこさが本当に怖い。
◇ ◇ ◇
■だるまさんと転んだ。
■@bomber_bookworm
―互いに目が合って、しまった。
TLで感想流れてるのちょこちょこ見かけてたんですが、いやーーー最悪ですね!(褒め言葉)
手前勝手なエゴと欲がぶつかりあった結果。本当に最悪すぎてにこにこしてしまうやつ。
それでもお互いがお互いのそんな勝手さを抱擁してしまえたからこそ今があるわけで、
そういう面を見るとウン、すっごい優しいお話なんだと思います。好き。
◇ ◇ ◇
■冬の夕暮れ、あの娘は――
■@FtrongTheDebudo
―「言ったよなァ、私みたいな奴は絶対許せないって。
― 言ったよなァ、許せないから、絶対更生させてみせるって。
― 言ったよなァァァァ、おい、その結果このザマかよ」
即興小説最後の刺客。うわーーー、これ好き。
自分の手の及ぶ範囲で「責任」に中指を立て続けてきた女が、
はじめて(はじめて!)取り返しがつかなくなるのが明白なものへの「責任」に向き合わされてるんですよ。
それはそれとして、フェンスを上った仁志が話し始めたところでEDテーマのイントロが流れ出すのとか幻聴しちゃう。
最後のセリフと共に止め絵になるやつでしょ、次の瞬間にはスタッフロールと共にEDが流れ始めるやつでしょ。
何が言いたいかって早く来週来てくれ続き見せてくれってのよもーーー!
◇ ◇ ◇
■橋の上にて
■@7WJp_Ebou
―「……私に武を捨てろというか」
―「私以外の全てをお捨てになって欲しいのです」
武人巨女すき!!!!ってのは一旦置いておいて。
角の女が語るのはきっとすべて本当のことで、
それを戯言と、知ったふうな口と一蹴する女は語気に反して本当に哀れでかわいそうで。
たとえ殺すことになろうと、殺されることになろうと、
そんな彼女に真っ直ぐに対峙し向かう姿はほんとにエゴと慈愛に満ち溢れててだいすき。
◇ ◇ ◇
■平和塔の殺人
■@mikio_at_ikarum
―それはバカバカしい殺人計画だった。
秘密の共有、いいですよね。絶対に誰にも言えない秘密の共有。
共犯になってしまったがために、アリバイの強度は間違いなく落ちていて。
ほんとに愚かなことなんだけれども、そんなものよりずっと別のものの強度はぐんと高まってるわけで。
逃げ切ってほしいな……って素直に思えてしまうやつでした。
◇ ◇ ◇
以上27作品でした。
企画主さんや、他の投稿者さんにはほんとに感謝しかないですね……久しぶりに瑞々しい生の創作に触れて、創作熱ぐっわーーーーって燃え始めてしまったので。
企画アカウントの方を見てもらえれば分かると思うんですが、期間過ぎて投稿されてるお話とか、他にも素敵な話がたっくさんあるので是非見てみてもらいたいです。
…というか多すぎるのよ! 見たとこ突発っぽい企画だったのに盛況すぎない!? びっくりしたわほんとに! 供給過多でハイカロリーすぎるのよ!
そんなカロリー過多なすっげぇ企画『殺伐感情戦線』ですが、どうもnoteでルールというか今後の方針が定まったみたいで。
>本企画では毎週、一つのお題についての殺伐百合作品を募集しています。
>毎週
もーーーーーーーカロリー過剰摂取で生活習慣病待ったなしじゃんかさーーーーー!!!!!
そんなわけで、今回乗り遅れた人も来週乗り込もうね。