【ギフテッドの本質】世界に対する恐怖-中編
ギフテッドの恐怖、前回の続きです。
今回の記事は前回の話の補足と
ギフテッドに対するNG行動を紹介する。
次回(最終回)にて本熊の答えをシェアする。
前回のあらすじ+補足
前回お伝えしたように、
ギフテッドは絶え間なく
現在と今後に接触し得る環境や物事を評価する。
ただし、
この世の中は「リスクで出来ている」
と言っても過言ではないほどリスクが存在している。
人間の
「知っていない事」と比べ、
「知っている事」はないと等しい。
そして、
そのほとんどのリスクは一人の力、
もしくは一人の人生で解決できるものではない。
特に、
ギフテッドの子供は肉体的にまだ幼い、
かつ社会参画の機会が少なく、
自分の人生への主導権すら少ない。
これは何を意味しているかと言うと、
たとえリスクを解決できる方法を思いついたとしても、
そのほとんどは子供の自分だけでは実行できないものである。
リスクを解消できないなら、
残る道は
リスクを回避するしかない。
だから、
ギフテッドは行動しなくなり、取捨選択もしなくなる。
極端な場合、思考停止になる恐れもある。
これはリスクを評価しないことで、
リスクの存在に気づかないような無意識的な防衛心理である。
長期化・パターン化する場合は
人格の発達に非常に良くない。
周りの人のできる事
ギフテッドの特異性は自分を苦しめる。
常に環境や物事を評価しているのはOEのせいである。
そして、OEの発動はほとんどコントロールができない。
特に、感覚性OEと感情性OEは一番制御不能。
OE対策はギフテッド当事者としての様々な課題の中でも、
一番困難なため、今後別記事で説明する。
ここでまず伝えたいのは、
ギフテッドが絶え間なくリスクを評価する必要がある。
そもそも止めることが出来ない。
しかし、
ギフテッドは常に自分が評価したリスクを
恐れる必要があるかはまた別の話である。
周りの人はまず、上記の二つの言葉をギフテッドに伝える。
後は本人次第。
相手が本当のギフテッドなら、
答えは自分で見つけられる。
少し乱暴なように聞こえるが、
ギフテッドの生理的・心理的特異性に着いてこられる人は、
他のどのマイノリティにも居ない。
海外のギフテッド権威だって、
自分の持っている知識を伝える事しか何もできないと言っている。
こういう自分の限界を理解している専門家の態度を、
日本の専門家にも見習ってほしい。
次はギフテッドに対するNG行動を伝える。
ギフテッドに対するNG行動
簡単に言うと、
ギフテッドに対して下記の言動は絶対避けるべき。
①ごまかし
②リスク改ざん
③心理療法(行動心理療法や暴露療法)
①は例えば、
「心配する気持ちは分かるけど」
②は例えば、
「そんなことは起きないよ」
「考えすぎ」
①はよく使われている傾聴のスキルで、
いわゆる相手の感情への承認だが、
これはギフテッドに対してむやみに使わない方がいい。
嘘とごまかしはギフテッドには通用しない。
たとえ5歳のギフテッドでも。
嘘をついたり、誤魔化したりすると
ギフテッドは余計パニックになる。
何故かと言うと、
「目の前の人は何で本心と違うことを言うの?」
という新しいリスクをさらに分析しないといけない。
そして、
本当に自分しか見えないことに対して、
家族を守らないといけないことに対して、
焦りが生じる。
※そう、子供が大人たちを守ろうとするんだよ・・・
③は別途説明する予定だが、結論だけ言うと、
「認知行動療法が重んじる人間の行動制御による思考および感情への働きかけ」はギフテッドにほとんど効かない。
※そのギフテッドが精神病に罹っていない前提
過去のギフテッド支援に関する記事で、
「ギフテッドにアドバイスしないこと」を伝えたことがある。
今回の記事もすぐに本熊の答えを言ってしまうと、
やはり皆さんの「アドバイスしたい気持ち」が勝ると思う。
なので、まずNG行動を覚えてもらいたい。
今回の記事はここまで。
次、最終回。