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ダブリンの鐘つきカビ人間観劇の日記


7/8東京昼の部、一回きりの観劇の記憶なので時系列前後も記憶違いもたぶんあるしネタバレもあります。考察ってほど深くもない、記憶の垂れ流しみたいなものですがよろしければお読み下さい。ネタバレを避けてる方は読むなら観劇後にお願いします🙇‍♀️

※後から思い出した事、ちょっと間違ってた事など少し書き足したりしています!


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子供の頃は幾つかお芝居を見に行く事はあったけど、今回は実に14年ぶりの観劇で楽しみ半分緊張半分。始まる前に甘いものを食べるとトイレが遠くなると聞いたのでずんだ大福を摂取。物販が長蛇の列すぎるので先に席の確認へ。

…思った以上に舞台が近い


前から4列目という私的ミラクルが起き、とても見やすい場所で観る事が出来ました😭✨表情がよく見えたから尚更深く心に響いたのかもしれません。とても運が良かった。ここからはなるべく簡潔に箇条書きでまとめたつもりがとっても長くなっちゃいました…

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・劇が開幕し、霧の中怪しい歌と共に人影がゆらゆらと。悪夢みたいだな…と思った事が最後伏線回収になった

・言葉はさかさまお姫様 触れるは腐らせる王子様 この歌詞のお姫様王子様が最初ピンと来てなくて、ラストシーンを見てあぁなるほどと…バッドエンドの童話の姫と王子のようだなと

・真奈美が歌う「登山家の死体が流れてくるわ 赤いリュックがせせらぎの中に見え隠れ」のフレーズ、聡を怖がらせるために川にちらりと見えた赤いものをそう歌ったのかもしれないけど、もしかしたらそれ本当に死体だったのかもね…最後まで観終わったらそう思いました。そしてとんでもなく歌上手い真奈美、メイクもちょっと気が強そうな感じに仕上げてあって気弱な聡との対比がとても良い

・閑也くん、聡とキャラクターが似ているから演じやすかったかもしれないけど、その分少し間違えるとただの閑也そのものになってしまう所を見事に聡として舞台に立っていたの本当に素晴らしい。演技の経験が少ないとは思えない見事な役者ぶり。沢山稽古積んだんだね。真奈美とのかけ合いのテンポが良い。抱きしめたり見つめあったり腕を絡ませるシーンがあるからリアコの子はしんどいかも。足はツルツルで前より細くなってた(どこ見てんの)

・謎の老人(市長)の語りで徐々に現実とお話の中の境目が曖昧になっていくのは老人の語りが上手いからなのか、ポーグマホーンの起こした奇跡(呪い?)によるものなのか…

・奇病に冒された街の人たち、最初は変な所も受け入れて楽しく生きているように見えたから、カビ人間につらく当たったり後半憎しみに支配された表情を見せるのが空恐ろしく感じた

・カビ人間が最初に出てきた時「みなさーん!これよりお昼10分前の鐘をつきまーす!つまりカビ人間が鐘を撞けばあと10分でお昼がやってきまーす!これを逃すと次のお昼までお昼ご飯は食べられません!みんなで美味しいご飯を食べましょう〜!」(※ニュアンスだよ!)と腹からまっすぐ出る良い発声に驚いた。
ここから見える景色は 僕だけのもの…♪と歌う声を聴いたらさらに驚いた、上手い、ちゃんと遠くまで声が飛ぶし感情も乗ってる。しめちゃんでも七五三掛龍也でもない、カビ人間がそこにいた

・この愛らしい仕草のカビ人間を見てしまうと、以前は見目麗しいが中身が最悪の人間だったとはなんだか信じられない。今ではみんなから嫌われ疎まれ蔑まれ、カビのついたパンしか売ってもらえない穢れた存在、でもずっとニコニコ笑っている。奇病で見た目と引き換えに得た心の清さのせいで蔑みを悲しいと思えなくなったのか、心の奥底では悲しみを感じているけれど表に出せないだけなのか。だから街の人達の生活に役立つ鐘つきという仕事が、一瞬でも誰かの生活に触れる唯一の手段だから最後まで全うしようと思うのか

・おさえちゃんが口をついてでてしまう真逆の言葉が本当厄介で、何度おさえ喋るなと思ったことか…そしてそれを表現する六花ちゃんが素晴らしい。違うのと身体で叫びながら口からは思いと真逆の言葉を吐く。難しい役どころを見事に演じていました。あなたは美しい、私に触って(気持ち悪い、私に触らないで)と言っていたのに、だんだんと心の交流が深まると言葉も当初と逆になって行くのが嬉しかった。おさえっていう名前、言葉を発しないよう気持ちを抑えなければいけない所から来てたりするのかなぁなんてちょっと思った。違うと思うけど

・おさえちゃんに好意を持ってもらえたと勘違いして、お花をプレゼントしようとするカビ人間。自分が触ると腐ってしまうから、そっとそっと土ごとお花を植木鉢に入れる様が思い出すだけで涙が出る。そのお花が嫌がられてしまう事も、親衛隊長に怪我を負わせる道具になってしまう事も、その罪を被って拷問されてしまう事も、その拷問さえこれ以上カビ人間のそばに居たくないと拒んだ人がいた事も、全てが悲しい。上半身のカビの中に見える深くて赤い傷が痛々しい

・土砂降りの雨の中、カビ人間とおさえちゃんの心の交流が深まって行くシーン、とても素敵だった。少しずつ距離が近づいて。カビ人間はおさえちゃんが心と反対の言葉が出てしまう事を知らされたけど、あなたは美しい、あなたの事が好き(※ニュアンス)とおさえちゃんが優しい言葉をかけてくれた事は嬉しいままだから、と語っていて、あまりの健気さに胸が詰まった

・劇中歌の四葉のクローバーで、おさえちゃんはカビ人間を気味悪く思っていた気持ちと、新しく芽生えた愛しく思う気持ちの狭間で葛藤しているのかも。どうして泣いているの?と問いかけられる歌詞にその心の葛藤が見えるような気がする。歌が終わりに近づくにつれ、おさえちゃんの中ではだんだんと愛しさの方が増えていくような感じがした。そして、おさえちゃんは歌に乗せると自分の思いが素直に出せる時がたまにあるのでは。いつもではないけれど。この四葉のクローバーの歌では素直な心が出せているように思った

・物語の中と現実を行ったり来たりする聡と真奈美。奇妙な市民と交流しているこの様子は老人のお話の中なのか、それとも現実か?と観ているこちらもわからなくなってくる。街に蔓延する奇病を治すためにはポーグマホーンの奇跡が必要で、勝気な真奈美が勇者のように名乗りを上げ、ぐいぐいポーグマホーンを探す旅に出る。真奈美は強い。聡は気弱で下男扱い。まぁなぁみぃ〜!の呼び方が閑也テイストある。ふたりは旅が終わったら別れるつもりでいたから喧嘩ばかりしているけど、徐々にまた心の距離が近づいていくの、いいですね…

・🦞🕶️これはさすがに反則。そしてロブスター?ザリガニ?を纏う閑也くんはどう見ても2022ちゃかバースデイの中村海人さん

・中村さんといえば、やたら細長くてでかいあの馬の名前も中村さんと知った時さすがに笑いを堪えられなかった…しかもこの日うみちゃんは見学に来ていたんだよね。中村さんの中身は親衛隊長なのも含めて全部まるっと面白い

・神父役のコング桑田さん、前情報でブンバボーンを歌ってた歌手さんと知って生で観るの楽しみにしてた。私の子供が幼い頃、育児を手伝ってくれたのはあなたでしたか…と感慨深かった

・群馬水産高等学校とは🤔

・なんか神父と市長が胡散臭いなと思っていたら、やはりあなた方が黒幕でしたか。金が欲しい、世界を手に入れたい、人はなぜそんなに大きなものを求めたがるんだろう。愚かなことよ。天使も悪事の片棒を担いで、カビ人間が教会に火をつけたと吹聴していくのを見てるのが怖かった。何の証拠も無いのに、元から嫌われ者だったカビ人間はどんどん悪者に仕立て上げられて反論の言葉は誰の耳にも届かない。住人たちの顔がだんだん憎しみに支配され、狂気的にカビ人間を追い詰めていく様は現代社会にも通ずるものがあるなと思う

・ポーグマホーンを手に入れるために黒ひげ危機一髪ゲェ〜〜〜ム☆司会とバニーガール2名がお送りします☆←謎すぎる世界観、でも不思議と違和感なく見られるのは何故?ウォーリー木下マジック

・突然のエルヴィス

・エルヴィス閑也のテカテカぴちぴち衣装がテカテカぴちぴちすぎて直視出来ない、あれやこれやくっきりしすぎで(今閑也のお尻担沸いてるな、と手に取るように判りました、それくらいプリプリ良い尻)

・目に見えない魔物と戦う戦士と真奈美の演技が上手すぎて本当に透明な魔物が暴れているよう

・小さなギターを抱えラブミーテンダーを甘〜くやさしく弾き語りする閑也くん、いや聡にとろけた。そりゃ魔物もとろけちゃうよね分かる

・カビ人間が吊し上げられるシーンは本当に辛くて。おさえちゃんが上手く立ち回れば住民の暴走をいなす事も出来たかもしれないのに、止めなければ、どうしてもやめて!って言わなければ、それなのに逆の言葉ばかり出てしまう、私は殺して!なんて言いたくないのに…と泣き崩れるおさえちゃんを抱きしめてあげたかった

・親衛隊長がカビ人間を撃ち抜くシーン、まさかの階段落ちで。2回か3回あったよね、結構高い所から落ちてくるから肝が冷えた。親衛隊長も奇病にかかる前は自分を律する人だったのに、顔色から表情から振る舞いも別人のようになってしまっていて、そこの変化も悲しい。あと、階段落ちやよろける芝居って筋肉量や運動神経の良さが問われるから、さすがしめちゃんと思った

・カビ人間は鐘撞きの仕事がアイデンティティだから、どうしても、誰かに止められてもやらなければならなかったのかな。でも何とかして生きていて欲しかった、殺されてしまう運命が変わって欲しかった…

・おさえちゃんが1000人の犠牲者となり、ポーグマホーンの奇跡が起きて住民の奇病が治った。みな治った事を喜び浮かれているけど、なぜこの悲劇を喜べる?誰かの犠牲の上に成り立つ幸せって何なんだろう、と悲しみと憤りが込み上げてきた。人間の本質ってやっぱり悪なのだろうか…そしておさえちゃんの亡骸を抱きかかえる戦士はどんな思いだったか。戦士、結構悲しい役どころだな、婚約者の心は離れて最後はカビ人間の為に自害してしまうから

・最後、カビ人間とおさえ、聡と真奈美が4人で歌う所、もう涙が止まらなかった…歌も素晴らしかったし、歌詞がもう泣けて泣けて…「はやく消えて 嫌い大嫌い あなたのことはもう覚えていない 覚えてない 覚えてない 今覚えていない」全部反対言葉なんだものね…天からの光がまばゆくとても美しかった

・えーーーーーーーーー真奈美と聡、まさか殺されるとは😱何となく予兆はあったけど

・市長は死ねない呪い?奇跡?にかかってポーグマホーンに1000人の血を吸わせまた奇跡を起こそうとしているけれど、果たして1000人斬って奇跡が起きたとしても自分が死ねる保証は何処にも無いんだが…そして仮に1年に2人くらいのペースで迷い人が現れたとして、奇跡が起きるのは500年後か?その時本当に奇跡を起こす力はポーグマホーンに残っているのかな…ただただ犠牲者が増えて行くだけのような気がして救いがない

・市長の部屋の壁に飾ってある羽根やら亀の甲羅やら馬の頭蓋骨やら何やら、それってあの時の市民達の一部なのでは

・ずっと聞こえ続けている鐘の音、カビ人間はもう天に召されていると思うからこれは悪事を働いた者への呪いや罰みたいなものじゃないかと個人的な解釈。迷い込んできた人達は市長への呪いに巻き込まれて行くのかな。どこか別の世界線では神父も死ねないで彷徨っているかもね。これも超個人的解釈

・カーテンコールでは、出演者みんなが笑顔で出てきてホッとした、あの哀れなカビ人間は本当はいないんだ、いるけれどいないんだ、と自分の心をちょっと整理出来た。仮にカーテンコール無く終わったら数日間大いに引き摺りそう笑

・カビ人間しめちゃんがカテコでハットを高ーく放り投げてキャッチする技を披露していてお見事でした

・サコッシュの宣伝もありました。サコッシュみんな買ってお揃いにしませんか😘使い勝手いいよ!私はとってもお気に入りです。サコッシュが完売したら再演の可能性も…?(演者は完売したら再演、と冗談ぽく言っていますが、グッズが売れる=人気がある・需要があると対外的に示す事になるので大事な事だと個人的に思っております)

・左手が下、右手が上の鐘つきポーズ

・カビ人間:(もうすぐ16時だけど)ここにいる皆さんはこれからお昼ご飯なので、それを願って(願って?美味くあれって?と閑也やみんなからツッコミ)せーので鳴らしましょう、せーの!!
〜〜全員で鐘鳴らす〜〜
ありがとうございました!みなさんも美味しいお昼ご飯を食べてください!(※ニュアンス)

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終演後はお友達にも会えて、本当に充実した一日になりました。本当に良かったから、カビ人間ロスがすごくて思い出して涙ぐんだりしています。これはぜひ再演又はDVD化を希望…一番望むのは同じキャストでの再演かな。叶いますように!そして大阪公演も大成功に終わる事を願っています。

なんか超長文になってしまったな、5200字超えてしまった…読んでくださりありがとうございました!