
ほんとの空探訪記
まえがき
3連休最後の2月24日。特にやることが無かったので午後からバイクを走らせて、安達にあるスーパー「ベイシア」へ向かった。もともとは本宮に行く予定を立てていたが、ベイシアを出ると雪が舞っていた。まだまだ東北の冬は寒い。あきらめて道の駅安達に向かうことにした、道の駅安達では二本松名物の「ざくざく」をカレーにしたざくざくカレーを食べた。カレーなのにうすくスライスされたシイタケが入っているのと、細かく刻まれた野菜がおいしかった。
「さて、どうしようかな」と思い観光案内の看板を見ると二本松市智恵子記念館の文字と写真が目に留まった。「智恵子って誰だよ!」っていう読者が多いだろうから説明しよう。高村智恵子は、詩人高村幸太郎の奥さんである。智恵子の実家が安達にあることから現在は記念館となっているようだ。
どれ行ってみるかと思い移動することにした。
到着

駐車場にバイクを止めて歩くとそこには立派な建物があった。「酒屋さん?」調べてみると高村智恵子の実家は酒造家だったらしい。ずっと福島に住んでいたけどそれははじめて知った。なにも知らない人がみたらお酒でも売ってるのかなと思うような建物だ。この記念館こそが生家らしい。記念館には彼女の油絵や紙絵が展示されているそうだが、今回は見なかった。

ほんとの空を求めて
さて、生家も見れたし帰ろうと思い駐車場に戻ろうとした時に案内の看板が目に留まった。どうやら生家から神社を通ると展望台があるらあしい。時間は徒歩で約20分と書いてあった。このまま帰っても暇だしせっかくだから上ってみるかとトライした。

生家の脇道を通って左に曲がると神社に続く道が見えた。そこからは神社の鳥居は見えたが展望台らしきものは見えない。まぁとりあえず進んでいこうと思い歩き始めた。
季節柄だろうか、道中は自分以外誰もいなかった。

途中の公園には子供を連れた母親が1組と犬を連れた高校生らしきカップルが一組。閑散としていた。枯れたアジサイも見受けられたのでアジサイの季節にはもう少し人が来るのかななんて思ったりした。

公園を抜けるとまた階段があった。本当に展望台はあるのだろうかと思ったが書いてあるんだからまぁあるんだろうと思って黙々と登って行った。

階段を登り終えると右手に立派な鐘があった。そして展望台が見えてきた。

外見は胡散臭い博士がいそうなラボラトリーみたいな風貌だった。(マンガでこういうのあるよね。)
博士のもとに会いに行きましょう。

螺旋階段のようにぐるぐると登っていくと展望台の上まで行くことができた。博士はいなかった。所用で外出中だろうか。

道中は厚い雲に覆われていたが展望台の景色は晴れていた。私の日ごろの行いが…(以下略)


空気が澄んでいたこともあり遠くの山々がきれいに見えた。道中の石碑にも光太郎と智恵子がこの道を歩いていたと書かれていたことから、これが「ほんとの空」かとしみじみと感じた。
「智恵子は東京に空が無いという」から始まる高村光太郎の有名な詩『あどけない話』。同じ福島人として言いたいことは分かる気がする。
空はつながっているけれど、自分のまちの空がその人にとっての「ほんとの空」なのではないだろうか。



おわりに
三連休最終日、1人で空を見上げてきた。長年福島に住んでいたけどこんなところに展望台が!という新たな発見に気づいた。
暖かくなるこれからの時期、みなさんも散歩がてらに地元の見晴らしのいい展望台に行ってみてはいかがだろうか。
私にとっての「ほんとの空」はやっぱり福島の空だった。