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相馬野馬追、初観戦!
前書き
2024年5月26日(日)。競馬ファンにとっては祭典、日本ダービーだったが、自分は相馬野馬追を現地で初観戦することにした。
今年から酷暑対策で例年7月に行われてきた日程が5月の最終土曜日~月曜日の3日間開催となった。
昨年、開催日変更の話を聞いた時は「なんでダービーの日にかぶせるんだ!」と思っていたが、5月に入ってから馬券の調子が大スランプなのと、土曜日に見てきたというオトンがあまりにも楽しそうに語るものだから、オトンに「私を野馬追に連れてってくれ!」と言って一緒に見に行く流れとなった。
いざ出陣
当日は朝の4時55分に起きて支度。チャリでバス停に向かった。「こんなに朝早くからはさすがに人はいないだろう」と思っていたらそれなりにバスを待つ人がいた。
バスに乗車すること約1時間半。バスは南相馬市役所についた。駐車場にはすでに数頭の馬がいた。その中に「南相馬市長」の布を肩から提げてるお方がいた。
リアルガチ市長でした。
「市長が馬に乗ってる!」とびっくりした。
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「馬乗りの市長」なんて全国探してもそんなにいないのでは?と思いながら、オトンの誘導で騎馬武者行列が見れるメインストリートへと向かった。
馬馬馬!
午前9時半スタートの騎馬武者行列を前に多くの馬たちが車道を歩いてきた。
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ぞろぞろと会場へ向かう騎馬武者たちを見て興奮しているとオトンから「これからが本番だぞ」と笑われた。一歩一歩、堂々と歩いてくる騎馬武者たちと色鮮やかな旗に見とれていた。やがて行列に出場する馬たちがスタート地点へ向かうと会場のアナウンスでこれから行列が向かってくると知らせがあった。
圧巻、戦国絵巻
騎馬武者行列がスタートすると相馬太田神社(中ノ郷)を先頭に続々と騎馬武者たちが歩いてきた。
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テレビや新聞でしか見たことがなかった騎馬武者たちが至近距離でこちらに向かって来て迫力があった。競馬場のパドックとは比にならないくらいの近さなので「こんな近くで見れるのか!」と驚いた。
会場のアナウンスでは、行列の騎馬武者の紹介が続々とされた。
最年少は3歳、最高齢は約90歳とまさに文字通り老若男女が馬を乗りこなしている姿は迫力があった。
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会場に鳴り響く馬の足音、法螺貝の音、騎馬武者たちの気合の入った掛け声。その一つ一つに重みを感じた。
初の相馬野馬追を見て
午後からは甲冑競馬、神旗争奪戦と注目される催しもあったが騎馬武者行列を見て会場を後にすることにした。約400騎の騎馬武者の行列は「圧巻」の一言では言い表せないくらいに感動した。
野馬追を見に行った人はみんな「野馬追はすごかった」と口をそろえて語るが自分も今回はじめて野馬追を生で見てその魅力が分かったような気がする。
それは会場の「音」である。馬が歩く音、鳴り響く法螺貝の音、騎馬武者たちの威勢のいい掛け声。そのすべてが普段の生活では感じ取れない特別な空間に感じた。野馬追以外にも今までいろいろな祭、神事を見てきたけど、「これほどまでにすごいのか」と感じる瞬間だった。
真夏から、初夏へ。開催の時期は変わっても長年の歴史と伝統を紡いできた相馬野馬追はこれからも変わらないと思う。