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その涙、無駄にしない

今日、来週から就職して働くことを親しくなったとある方に報告すると、顔をタオルで覆って泣いていた。

その人とは筆者が仕事を辞めてから知り合った。いつもかっこいい格好をしていて見た目がチョイ悪だが、自分より1つ年下の人だった。クールな感じだが情に厚く弱さもある見た目と性格にギャップがある人だった。口調や言葉選びがどこか大正、昭和初期の文豪を彷彿させるような彼に筆者はひかれた。

そんな彼がタオルで顔を覆って泣いていたので「なにがそんなに泣くことなのか」と聞いたら彼は「しばらく会えなくなるのが悲しい」とこぼした。
筆者は卒業式とかでは泣かないタイプだ。別れる寂しさよりもこれからの新しい生活への期待のほうが上回るからだ。彼を見て「ねぇ、卒業式とかで泣いてきたタイプだよね?」と聞いたら言葉を詰まらせて目を赤くしていた。

筆者が今まで生きてきた中でこんなにも自分のために泣いてくれた人は彼がはじめてだった。彼の涙を無駄にしないためにも辞めない決意を持って仕事をしていきたい。




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