トイレでの覚悟
小学生のある日、塾のトイレの入り口に「立入禁止」と手書きの張り紙が貼られていた。
そんなことは今まで無かったし、
トイレの中の個室1つが使えないのではなく、トイレ自体に入れないだと?
当時好奇心旺盛なクソガキだった私は、なぜ立入禁止なのか、知りたくてたまらなかった。
よし、見てみよう。
ドキドキしながら、こっそりドアを開けてみると…
入り口すぐそばの床に、立派な
下痢うんこがいた。
他人の下痢便をまじまじと見たのが初めてだったので、とても鮮明に覚えている。
色は明るい茶色で、バターチキンカレー様。
量はそれこそカレー1人前ほど、全量出したのだろう。
周りに拭ったりした様子はなく、出されたまま、綺麗な円状に広がっていた。
今思うと、多分お腹を壊した子がトイレに駆け込んだものの、間に合わず入り口の床に排便してしまったのだろう。
しかし、よく考えると普通この光景は成立しない。
もし自分だったら、と考えてみる。
仮に間に合わない!と思っても、入り口でまずパンツを下ろすということはしない。
なんとかパンツ内で食い止めようとするだろう。
そして、間に合わなかったとしても、とりあえず個室にはたどり着こうとする。
せいぜい床が個室に向かって多少汚れてしまうくらいだろう。
私が見たように、トイレの入り口にででんと便が存在するためには。
うんこの持ち主は、
個室に間に合わないと瞬時に判断し、
誰がいつ来るかも分からないトイレの入り口でパンツを完全に下ろし、
そこで全てを出してしまおうという
「覚悟」
を決めたということだ。
なんか、そう考えるとカッコイイな。
私も、いざという時に「覚悟」を決められる人になりたい。
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