様々な『心』
今までコブクロは、全楽曲の約半分である80曲以上に「心」という言葉が歌詞に入っていることに気づいた小渕さんは、今まで歌ってきた『心』を全力でぶつける。また、新曲ツアーとなったことについても、いつからファンの人も同じ感覚で楽しめると、意気込んだ。演出についても、ツアー初の導入となった時計型のLEDライトが追加された。
暗転後、宇宙の映像が始まった。そして、コブクロが今までに作ってきた歌詞に「心」が入っている曲を部分的に10数曲流し、スクリーンには「心」の文字。ここから心ツアーが始まる。
その前にSingle「心」の確認をしておこう。
KOBUKURO 28th Single 心
会場と日程
2017/07/08(土)09(日) 新潟県民会館
2017/07/18(火)19(水) レクザムホール
2017/07/27(木)28(金) パシフィコ横浜 国立大ホール
2017/08/03(木)04(金) 宮崎市民文化ホール
2017/08/10(木)11(金) ひめぎんホール
2017/08/21(月)22(火) 東京国際フォーラム2017/08/27(日)28(月) 仙台サンプラザホール
2017/09/02(土)03(日) ニトリ文化ホール
2017/09/16(土)17(日) 静岡エコパアリーナ
2017/09/23(土)24(日) マリンメッセ福岡
2017/10/03(火)04(水) 大阪城ホール
2017/10/11(水)12(木) 日本ガイシホール
2017/11/03(金)04(土) 広島グリーンアリーナ
2017/11/18(土)19(日) 京セラドーム大阪
2017/11/25(土)26(日) さいたまスーパーアリーナ
圧巻の新曲「君になれ」
オープニングが終わると、1音目からわかる、神曲。1曲目は未発表新曲「君になれ」。黒田さんの「行くぞ広島ー!」で一気に最高の盛り上がりを見せる広島。イントロに1分かけ、ツインギターでさらに盛り上げる。1年前のツアーでの小渕さんと福原将宜さんによるギターバトルより、一部がイントロに使われている。歌詞は「今はまだ〜でいい」というワードが多用されており、駄目なときも輝くときも信じている人がいるというメッセージを伝えつつも、最後には「いつの日か本物の君になれ」と後押しする曲だ。
厚いガラスを突き破るような、1曲目から最高の盛り上がりを見せたLIVEは2曲目も変わらず「虹」。この曲はキーが高いが、持ち前の分厚い声で最後まで歌い上げた。
3曲目は「君という名の翼」。定番の盛り上がりソングが並んだ。この歌はサビでワイパー。また、次のシングル「ONE TIMES ONE」には、東京国際フォーラムA公演の音源が収録され、少し細かい話だが、メロディが少しだけ違う。前から「探してまだ」や「あの日々に」など、徐々に歌い方が変わっていた部分はあったが、今回は2番サビの「君の両手に」とメロディを上げた歌唱となった。
始めの盛り上がりブロックはまだ続き、4曲目は「tOKi meki」。前年にアルバムに収録された新しい定番ソング。観客が「OK」のポーズをし、盛り上がった。間奏ではキーボード担当のよっしーさんによるダンスに合わせて観客も踊った。また、コブクロのツアーでは初となる、LEDリストバンドも綺麗だった。
疲れた日々を洗い流してくれる3曲
5曲目は「紙飛行機」。しょっちゅうここらへんで披露される気がする。2012年に発表された活動再開後初のシングルだ。たくさんの紙飛行機が飛び交った。
6曲目は、前年リリースの「SUNRISE」。始まりの歌という感じ。曲の最後にロングトーンのアレンジ。1年前のTIMELESS WORLDツアーのイメージも強いが、最後はSUNRISE FOR STARLIGHT!と叫んだ。
7曲目は新曲の「HELLO , NEW DAY」。今までなかったテイストの楽曲ができたなと。サビはゆっくりめのワイパーだった。特典映像として収録された京セラドーム大阪公演の映像では、間奏まで響き渡る小渕さんのロングトーンを聴くことができる。ベースが際立ちながら、ギターソロもあり、なんだか珍しい演奏になった。また、さいたまスーパーアリーナ公演からは曲の最後の英語詞にダンスが追加された(笑)。はじめは小渕さんが人差し指を立て暗転したが、黒田さんが味付けの非常に濃いダンスを発案した。
MC。新曲「HELLO , NEW DAY」に込められた想いを曲説した。きれいな心が正解ではなく、くしゃくしゃなときもあっていい。またどうせくしゃくしゃになるけれど、一旦着替えてすっきりしようという想いが込められているという。
ゆったりと優しく吹かれる
8曲目はこの年のファンフェスタで初披露された新曲、「LIFE」。人生という大きなテーマを持ちつつ、メロディは明るく聴きやすい曲。このように、テーマにとらわれない曲も必要なのではないか。そしてこの曲といえば小渕さんが作った「心くん」というキャラクター。ブルースハープにつけ、最後に演奏した。しかし黒田さんが「黒田くん」を勝手に小渕さんのブルースハープにつける、いたずらがツアー途中から入った。(笑)
9曲目は「夏の雫」。未発表新曲。落ち着いたメロディで、風鈴の音色も使われた曲。ナイロンの音色と目を閉じて聴こえる優しい2人の声がしみる。夏だからこそ感じる寂しい音を表現した。ここまで新曲が3曲並ぶ珍しい試みになった。
続いて10曲目は「流星」。定番のバラードだが、「夏の雫」とは変わって真冬の歌。
熱量は最大値 心に突き刺さる力強いバラード3曲
2曲でMCへ。次はバラードブロックというところで、次の曲は夢の歌。始まりは0で、雨が降っても人が立ち止まるまでやるという熱い気持ちを味わったコブクロだからこその歌だ。
心ツアーの核となる大切な曲が集まるであろうブロック。11曲目は「Starting Line」。8年ぶりの披露となったこの曲はバラードだが比較的バンド演奏がしっかり入っている。間奏での黒田さんの雄叫びは聴くことはできずともその熱量は伝わった。
12曲目は「蒼く 優しく」。この曲は2008年にリリースされたシングル曲で、これからもっと羽ばたいていく決意を表明した曲。ラストサビの黒田さんの全身全霊の叫びには誰もが涙しただろう。『心の叫びなど誰にも聞こえない だから笑うんだよ 涙が出るんだよ だから輝くんだよ』。
そして、13曲目は「心」。このツアーはこの曲を持って廻った。NAOTOさんのダンスと共演という公演もあった。シングル曲で、自分の心と向き合う曲だが、まるで失恋ソングのように心との関係を描き、「心が生きているなら誰も一人じゃない」という強いメッセージを伝えた。この広島公演ではラストサビをマイクオフのアカペラで披露した。前日で初めて披露したマイクオフアカペラは元々はやめるつもりだったが、LIVE中盤にアカペラをやるとバンドメンバーに伝えたそう。一件落着、最高のバラードブロックとなった。
後のMCや、Documentでは、この日は調子が悪かったことを明かしている。一つの挑戦としてマイクオフアカペラをLIFE〜夏の雫のMC中に黒田さんから選択したことを明かした。声が出ないときは出ないなりに出し方を考えたそう。因みに、マイクオフアカペラをしない公演では、バンドアレンジが施されており、次のシングルに収録された。
おもしろMCから盛り上がりブロックへ
MC後半では、ストリートライブ時代の話や、ファンフェスタ2017が収録されるKOBUKUROAD3のジャケット案を決めた。この案はまさかのおふざけ入りで、白目の小渕さんがいたり、ピアノのよっしー(松浦基悦)さんが端に描かれていたりと、毎公演爆笑となった。ほかにも黒田さんがヘリウムガスを吸って声を変えたり、黒田さんの「蒼く 優しく」のラストサビでの激しい歌い方に対して小渕さんがホチキスみたいとツッコんだりと笑いに包まれた。映像収録の入った広島グリーンアリーナ公演のMC「衝撃のファンレターエピソード」はこちらから↓
盛り上がりブロック突入。13曲目は「白雪」。未発表新曲で、エロティックな歌詞が特徴的。若い年代からの人気が高い曲だ。サビでは腕を突き上げる。
14曲目は「memory」。観客が跳び跳ねる元気な曲。
15曲目は「神風」。
本編最終16曲目は「ストリートのテーマ」。途中のコールアンドレスポンスでは、声出し担当の小渕さんに代わり、黒田さんがギターを弾いたことで、黒田さんがギターも演奏した珍しいツアーとなった。
アンコール
アンコール1曲目は「未来」。ロングヒット中の曲。ほとんどMCをなしにそのまま披露された。また、特典映像として収録された京セラドーム大阪公演では、お互いがセンターステージの端と端で歌うことで、いつもと違うステージが見られたが、離れていても息を合わせて歌った。これは、ファンの人も離れていても繋がっているというメッセージか。
最終曲、アンコール2曲目は「轍」。コブクロの心は、「お客さんに楽しんでもらいたい」という気持ちでいっぱいだ。2番のサビからは特にストリングスの演奏が加わり、明るい雰囲気が増幅した。最後は定番の盛り上がりソングでLIVEを締めくくった。
広島グリーンアリーナ2日目SETLIST
OPENING
01.君になれ(New Song)
02.虹
03.君という名の翼
04.tOKi meki
MC
・任せます(限定曲)
MC
05.紙飛行機
06. SUNRISE
07.HELLO , NEW DAY
08.LIFE(New Song)
MC
09.夏の雫(New Song)
10.流星
MC
11.Starting Line
12.蒼く 優しく
13.心(New Song)
MC
14.白雪(New Song)
15.memory
16.神風※
17.ストリートのテーマ
ENCORE MC
EN1.未来
MC
EN2.轍
CLOSING
※16は、ツアー前半は「潮騒ドライブ」
MEMBER
Vocal、Acoustic and Electric Guitars、Blues Harp…小渕健太郎
Vocal、Acoustic Guitar…黒田俊介
Guitar、Ukulele…福原将宜
Bass…山口寛雄
Drums…河村カースケ智康
Percussions、Chorus…坂井"Lambsy"秀彰
Keyboards、Synthesizer、Organ、Chorus…松浦基悦
1st Violin…漆原直美
2nd Violin…藤縄陽子
Viola…渡辺智生
Cello…原口梓
※ホール会場はDrums…小田原豊
敬称略