私にとって住み替えとは、人生をリセットすることでした。
子育てもとっくに終わり、定年を迎え再雇用となりましたが、生涯現役で暮らして行こうと考えた時に、妻からの一言が胸に刺さりました。
『この家で一生を終えるのはいやだ。どこかへ引っ越したい!』
ま、まじか?
結婚して37年、波乱万丈な生き方をしてきた私にとっては妻の願いを聞くか聞かないかは非常に重い問いかけとなりました。
私は学卒後、地元企業で働き始めた4年後に結婚し、26年間働いたあと脱サラし、単身中国へ渡り、起業し、5年間中国暮らし。そしてタイへ渡り、タイで工場を建設し、MDとして5年間勤務。47歳から10年間、海外単身生活を送りました。
脱サラした時は長男、長女はまだ学生でしたが、子供たちの大学卒業の時は私は家におらず、子供たちのことは妻にまかせっきり。さらに妻は私の実家で私の母との二人暮らし。病弱な母の面倒を見ながら、看護師としてパートで働き続けてくれました。その母も要介護4となり、昨年8月に特別養護老人ホームへ入所しました。その特養を探し出したのも妻でした。ですから結婚してから家の事はほとんど妻にまかせっきりのダメおやじだったわけです。
そんな妻の唯一の、切なる願いを無視できますか?ってことです。
住み替える?俺が生まれ育ったこの家から離れる?え?どういうこと?
当初は、そんなことは先ず無理だ。ひっくり返っても無理だと思っていました。
ですが、妻の願いが本心で真剣なものであったことが徐々に分かり始め、何とかせねばという思考へと変化していきました。
住み替えまでの経緯は過去のnoteでも記事にしたので、ここでは割愛しますが、先週住み替えを完了した今の気分はどうなのかを書き留めておくべきと思い、この記事を書いています。
私にとって住み替えは、人生をリセットすることでした。
生れた家を離れる、お世話になった町内を離れることは、確かに勇気がいる事でした。でもこの2年間に渡るコロナ禍での生活は、そんな地元愛を吹き飛ばす出来事でした。
ほとんど町内の人に会わない、会話もない地元生活を2年も送ると、この地元に住み続ける事の意義が薄れてしまったんです。
それよりコロナ禍により、自分が一番大切にすべきなのは、家族であり、とりわけ、我が愛妻だと知らされた訳なんです。
男として、ふがいない夫として顧みるべきなのは妻であり、妻の希望である。ということなんです。
どこに住むかではなく、誰と住むかなんですよね。
どんな家に住むかではなく、誰と住むかなんですよね。
一番苦労をかけた妻の願いを叶えてあげることが、今の私が最重要、最優先とすべきテーマだと思うようになったんです。
お互い60歳を過ぎました。妻はもうすぐ62歳になります。もうそろそろ看護師をやめたいと言っていますので妻の思うようにさせてあげるつもりです。
妻には感謝の念しかありません。仕事をやめたら義母の畑を手伝いたい。好きな温泉へちょくちょく行きたいと言っています。はい、どうぞ行ってらっしゃいませ!
生家を売り、その資金を元手に中古ですがリフォーム済みの戸建てを買いました。
陽当たりの良い区画で、家の内装も水廻りも新品で、妻は喜んでいます。
まだ引っ越し段ボールの開封途中ですが、妻の笑顔が芸の肥やし?いや、私の元気の源となっています。
ここで妻と一緒にシニアライフを楽しんで行こうと思います。
私としては最低70歳までは働かねばならないと考えていますので、今は再雇用の身分ですが、これからも転職することを想定しています。
人生のリセット回数に制限はない!
今の思いや体験したことを『くうさんTV』というYouTubeチャンネルで配信していますので、機会があればご覧ください。
63歳でもまだまだ元気!
野望も興味も尽き果てない。
そんじゃまたね。