非常事態のリーダーシップとは?
皆さんお元気ですか?
大阪も東京もコロナの非常事態宣言が検討されていますね。
コロナもなかなか収まらない状況でヤキモキするばかりです。
非常事態といってもコロナ禍だけではなく、普通の会社にも起こるべき事だと思います。
我が富山県においても最近の事件として、日医工というジェネリック薬品を主力製品とする製薬会社が国に決められた製造方法を守らずに製品を作り、それが発覚し約1ヶ月の業務停止命令という行政処分が下されました。
この件もその会社にとっては非常事態なわけで、いかに顧客の信頼を回復するかが最重要課題となるわけです。
そのような事態になった原因はさておき、このように普通の会社に起こりうる非常事態時に、リーダーはどう動くべきかというテーマを考えたいと思います。
さてリーダーの定義ですが、ここでは発生した非常事態案件を統括して解決を図るべきチームのトップと位置付けて話を進めます。
より具体的には、ある工業製品の生産会社を想定し、その製品に対し、顧客からクレームが来て、その再発防止策をチームで取組むという場面とします。
チームメンバーは、顧客との直接窓口である営業、製品の品質を保証する品質管理、現場の生産を管理する生産管理、生産を受け持つ製造、そしてチームリーダー(トップ)です。
このリーダーをトップとするチームが想定外の非常事態(顧客クレーム)が発生した際にどう動くべきかを私自身の経験からシュミレーションしてみます。
私自身は、地元の鉄鋼関係の製品を製造販売する会社で26年間勤務し、その部門の製造部長と品質管理部長、また東京での営業マンを経験しました。
さて顧客からクレームが来ました。さてどう動くべきか?
基本的にはクレーム対策会議(プロジェクト)を立上げ、そこで事態の収拾を図るべきです。
この事案ごとのプロジェクト会議が問題解決の要となります。
①リーダーがクレーム対策を立ち上げる。
メンバーは、営業、品質管理、生産管理、製造のチーフ。
ここで肝心なのは、この会議でメンバーの意思統一を図り、効率的な問題解決の手法を取っていくということです。
リーダーが各メンバーに対し、個別指示を与えて、メンバーがその指示に基づき動き、その結果をリーダーが掌握し、問題を解決していくという手法をとる場合があるかもしれません。
この手法を選択しても良い前提条件は、リーダーが全ての部門のチーフより、その製品に対する知識を持っている場合と言えます。
製品に関する知識が乏しかったり、他の部門を経験していないリーダーであった場合、各チーフへ指示する内容がピント外れである場合が多く、問題解決までにやるべきことが間違っていたり、ムダな時間を浪費する場合があります。
しかし、全てを把握しているチームリーダーが常に存在するかといえば、そうでないケースの方が多いのではないでしょうか?
特に会社員の場合は定期的な人事異動がありますからね。
ではリーダーが経験不足を否めない場合はどうするか?
最初に言及したようにプロジェクト会議を招集し、そのなかで、その中のチームメンバーの合議によって事態の収拾を図らなければなりません。
では、問題解決に対するアプローチ手法とは?
②PDCA手法の採用です。
現状把握、対策の立案、対策の実施、効果の確認が基本です。
このプロジェクト会議を進めるうえで重要な事とは?
③会議ごとに決定事項を明確にし、決定事項ごとの責任者と期日を決め、当日中に議事録を作成し、メンバーと情報共有する。
これが出来ていないと、メンバーの動きがバラバラとなり時間を浪費します。
実はこれが一番難しいポイントかもしれません。
誰しも会議はイヤですよね。各メンバーはルーチンの仕事を持っていますし、会議のために残業となるのもイヤと考えるからです。
でもそこを説得し、プロジェクトの意義をメンバーに理解させ、最短距離で問題解決を図るモチベーションを持たせるのもリーダーの役目です。
リーダーが問題解決までのストーリーを描けていないわけですから、各メンバーからの経過報告が最重要な情報だからです。
リーダーの製品に対する知識が浅くても、各メンバーを統率していくリーダーシップは最低でも発揮しなければ、プロジェクトは前に進みません。
さて現状把握と対策の立案、対策の実施が始まりました。
そこでまた知らなかった事実が発覚しました。さてどうするか?
④現状把握した内容を最新化情報へ書き換え、打つべき対策を変えていく。
何が事実なのか?打った対策の結果はどうだったのか?
そこから見えてきた真の原因は何か?
暫くは上記①~④の繰り返しとなります。
根気よく、しつこく、PDCAを回さなければなりません。
ここでよくやるのが、一本釣り手法というものです。
色々な対策を打っても効果が出ないので真因までたどり着かない。。。
メンバーの士気が低下してくる時期が来ます。
あるメンバーから、『ここまでやって原因が分からないのだから原因はきっと。。。』という、事実に基づかない真因の想定です。
他のメンバーも打つ手がなくなってくると、その意見に流されます。
じゃ、それやってみればいい!
一本釣りで正解な場合もたまにありますが、経験上、ほとんど外れます。
その期間は他のメンバーは活動休止となります。
言い方を変えると責任回避行動です。
そこでのリーダーの役割は、チームが空中分解とならぬよう、あくまでもそれまでに分かった事実を基に、チーム全員で対策案を練るということです。
問題解決に時間がかかっています。そこで大事なことは、
⑤リーダーが会議開催日時を決め、事前通告すること。
各メンバーがリーダーの席に来て報告し、その場でリーダーが指示を出す。
こうなってくると、メンバー間の情報の共有化が図れません。
あのメンバーにはこんな指示を出した。そしてこのメンバーにはこんな指示を出した。。。これをやってしまったら、プロジェクトが崩壊します。
あくまでメンバー全員が集う、定期開催されるプロジェクト会議で問題の解決を図っていかねばなりません。
どうしても参加できなかったメンバーには、その会議の議事録をその日のうちに渡しておくべきです。(上記③で指摘済みです)
最後にまとめですが、
会社内で非常事態事案(例えば客先クレーム)が発生した場合は、面倒がらずに上記で述べたように、
・プロジェクトチームを発足させ、その中で問題解決を図っていく。
そのなかで最も大切なのが、リーダーシップである。
これが結果的に最短の効率的な解決法だと思います。
会議の開催なんて面倒でやってられないと言わずに、習うより慣れろで、
やってみて、問題解決に至れば、それがチームの成功体験となります。
成功体験をたくさん経験すると仕事自体への興味がさらに湧き、職場の問題点の抽出にもつながります。
そして自分の仕事に対するやりがいも増えてきます。
そして、顧客に愛される、いい会社と変貌し、注文が増え、給料もアップ。
そうなれば最高ですよね。
でも簡単にはそうならないのが世の常ですが。。。
これだけ頑張って会社の業績に貢献しているのに、人事評価も上がらず、ポジションも上がらず、給料も上がらない。。。。
本当に自分が頑張って、会社に貢献しているのに会社に認めてもらえない。。。
そんな会社はとっとと辞めましょう!
そんじゃまたね!
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