SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜
私が今相対性理論、量子力学から基礎の物理学〜物理天文学にハマっている理由。
2010年に放送されたドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課
未詳事件特別対策係事件簿〜』が地上波再放送と聞いて「高まるぅー!」でしたが、北海道は放送無し…
という訳で、DVDを見だしました。
SPECは、戸田恵梨香さん演じるIQ201、京大理学部卒、左腕を三角巾で吊るし、ボサボサの髪といつも持ち歩いている何でも出てくる赤いキャリーバッグ、常に同じスーツ、白いソックスが特徴の当麻紗綾と加瀬亮さん演じる元警視庁特殊部隊SIT甲隊の隊長という経歴を持つが、部下への誤射疑惑が原因で未詳に異動(左遷)となる
鞄を持たない代わりに、時に逮捕状や拳銃まで入れている口を捻った紙袋を持ち歩いているのが特徴の瀬文焚流が主演。
常識では計り知れない特殊能力「スペック」を持った「スペックホルダー」が巻き起こす事件を捜査する警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係(通称・未詳)に、瀬文が配属されるところからストーリーが展開していきます。前半は、様々な特殊能力を持つスペックホルダーによる事件を当麻と瀬文が解決していく様子を小ネタを散りばめたコメディー要素の強い1話完結型で描き、後半にかけて次々と伏線が。後半は1話から謎の人物として登場する神木隆之介さん演じる一十一(ニノマエジュウイチ)との因縁の対決が描かれます。この過程で当初はいがみ合ってばかりだった当麻と瀬文に生まれていく絆。
でも、ニノマエがラスボスなのか??
最終回まで伏線回収はならずたくさんの謎を残したままドラマは終了。
敵なんですが数々の魅力的なスペックホルダー達やキャラクター達に感情移入しつつ、フッと笑ってしまうギャグや小ネタの数々、主題歌の良さ(アメリカで活動している日本人バンド、THE RiCECOOKERSのNAMInoYukusaki。第1話、甲の回から全10話全てアレンジが違う)堤幸彦監督の独特なカット割り等々、多分私が人生で1番ハマったドラマだと思います。
ここから、SPドラマ含みドラマの時には思いもしなかった壮大なスケールの物語に発展していきます…!
是非、「SPEC」劇場版まで見てみて下さい。
尚、題名は(起・承(翔)・転(天)・零・結(漸、爻)の順です。
「SPEC」にはドラマ序盤から「シュレーディンガーの猫」「双子のパラドックス」「はやぶさの軌道」など、相対性理論や量子力学の世界では有名な思考実験や今でも結論づけられていない宇宙の謎、的な言葉がたくさん出てきたんです。
爻の編では「ファティマ第3の予言」や「ソロモンの鍵」など宗教的な言葉もたくさん出てきます。
例えば「ガフの部屋」。「ガフの部屋」とは、ヘブライ人の伝説にある”神の館にある魂の住む部屋”のこと。新たに生まれる者はここで魂を1つ授けられ、新しい生命として現世に誕生する。
「輪廻の部屋」または「冥界」と称されており、抹殺したスペックホルダーの魂を来たるべき”復活の儀”に備えて回収していたらしいです。
そして、SPドラマ「翔」の影で世界を操っている御前会議から出てきたスペックホルダーを抹殺しようとしていた「シンプルプラン」。
正体はインフルエンザワクチンだったんですよね…スペックホルダーにはインフルエンザワクチンが効かない。
”ヴァチカンの最高機密”と称された「ファティマ第3の予言」は、1917年に実際に起きた現象です。
その内容は、劇場版『SPEC』では”世界全面核戦争”となっており、SPEC翔の編から登場した先人類の末裔「セカイ」は核戦争を起こすことでガイアに次元の壁を超えさせようとしていました。
爻の編。卑弥呼もセカイと同じく先人類の末裔です。
ですが、セカイが現人類を”侵略者”と見なしていたのに対し「卑弥呼」は「我々が滅びたのはガイアの意思だ」と主張。ガイアによって生み出された当麻を助けることで、ガイアの意思を尊重しようとしていたらしいです。
なお、能面の下の素顔は事前の予想通り北大路欣也さんでした。
同じく「青池潤」。
セカイや卑弥呼と同じく先人類の末裔で、本来は実態を持たない霊的存在ですが、何度リセットしても同じ結末を迎える世界に嫌気がさし、「毎回同じシナリオでも役者が違えば違うエンディングになるのでは?」と考え、今回はわざと現世に生まれて、人の形を得たらしいです。
なので、銃で撃たれたりナイフで刺されれば普通の人間と同じように死んでしまいます(ただし、その魂は滅することなく次の世界へ生まれ変わる)。
劇場版爻の編、当麻はスペックを使って大量の八咫烏(ヤタガラス)を呼び出していますが、湯田(同じく先人類の末裔)は「八咫烏あるいはソロモン72柱」と呼んでいる。悪魔や精霊を呼び出す魔導書:ゴエティアには、ソロモン王が使役したといわれる72体の呼び出す手順が記されているらしい。つまり当麻は、知らず知らずのうちに冥界のゲートを開き、大量の悪魔をこの世へ召喚していたのです。
テレビドラマ版『ケイゾク』の第1話にも八咫烏が登場しており、「先人類の末裔は八咫烏を引き連れてこの世に現れる」ということを暗示しています。
劇場版「爻」の最後、ファティマの予言に記された「左手に火の剣を持った天使」という文言は当麻のことであり、「死んだスペックホルダーの魂を召喚する能力」を意味している。そして、予言にはもう一つ「マリア様の右手が美しく光り輝く」という文言も存在しています。
これが当麻の右腕(カイナ)に秘められたもう一つの能力です。
当麻の右腕は次元を超え、霊界と現実界をつなぐ扉(ゲート)となります。
すなわち、パラレルワールドを一瞬重ねる力を持つため、結果として不可逆性を持つ時間をも支配することが可能。つまり当麻自身を特異点とすることで、ガイアを含む全生命体を別の並行宇宙へシフトできるのです。
そのまま冥界へ堕ちることで彼らを輪廻の輪から弾き出すことに成功した(これにより、セカイはどこの並行宇宙にも存在できなくなった)当麻。しかし、当麻自身も現世へ転生できず、永遠に時空の狭間を彷徨い続ける「無間地獄」に堕ちてしまいます。
これによってセカイは並行宇宙には転生できず、当麻の体内に。
誰も当麻には気付きませ。
全面核戦争で滅びるはずだった平和な世界。
空間をフワフワと漂う当麻が映し出されます。
通称「にじみ当麻」と呼ばれているこの当麻は様々なパラレルワールドに現れていますが、実体が無いのでその世界に干渉することはできません。
堤監督によると、「それぞれのパラレルワールドはミルフィーユのように折り重なっていて、地面を突き抜けたらまた別の世界がある…という具合にいつまで経っても終わりが無い。当麻はそのミルフィーユ状の空間を永遠に落下し続けているんだ」とのこと。
つまり、あの場面で当麻が見ている世界は一つではなく、「地居が美鈴(スペックホルダー)と付き合っている世界」や「野々村係長や吉川が元気で暮らしている世界」など、複数のパラレルワールドをランダムに彷徨っている状態らしい(瀬文が活躍している場面も同様)。
最後に留置場内の瀬文が当麻の腕を掴むシーンは、「落下している当麻の存在を瀬文が感じ取ってキャッチした瞬間」を表わしたものですが、実はあのシーンそのものが別のパラレルワールドである可能性が高いという。
だけど、信じたい。
瀬文と当麻の絆なんだと…
映画のラストで朝倉(ケイゾクに出演)と会話をしている女性の声は誰なのか?「生物がもつ意識の数だけ世界はある。そして、ある面積以上の重なりが認識され、時にそれがこの世界と呼ばれる。本当の意味での世界や時間を知るものはいなかったわ。当麻を除いてはね」「世界の歴史が時折巻き戻されていることに気づくものは、やはり誰もいないようだな」、「そして再び歴史は繰り返す、波の行き先のように……」など、謎の言葉を呟いているなどとパラレルワールドについて何もかも知り尽くしている様子から、セカイや朝倉と同じく”人類を超越した存在”と考えられる。
最後に謎の女性は「行きましょう、朝倉」と、朝倉裕人(自分自身?)にどこかへ導くような言葉を投げかけている。彼らが次に現れる場所は現世なのか、それとも別の並行宇宙なのでしょうか?
ですが、堤監督や植田プロデューサーによると、この女性の正体はなんと”朝倉”なのだという。朝倉と会話をしている相手が朝倉?いったいどういうことなのか?「SPEC全記録集」のインタビューを読むと「二人いるとは限らないよね。一人だけかもしれない」、「二人で一人?合わせ鏡みたいなものかな」、「両性具有のような存在なのかも」などと語っているが詳細は不明。
ここで私は、まあ完全にSFの世界なんですが「私たちがいるこの世界だけが唯一の世界なのかな?もしかしたらこんな風に世界はたくさんあって、違う世界では違う私が違う人生を生きているのかも…?」と思ったんです。
パラレルワールドですね、ハイ。
エンドロールの後、渋谷の雑踏の中を歩く男女の姿が映し出されます。黒いスーツを着た坊主頭の男と、赤いキャリーバッグを引っ張る髪の長い女。果たして当麻と瀬文なのか?あるいは、”彼らが願ったもう一つの可能性”だったのだろうか?この世には無数の可能性(並行宇宙)が存在する。だとすれば、「もしも二人が無事だったら辿りつけたかもしれないパラレルワールド」だって、きっとどこかにあるはず。
「世界は一つではない」のだから…。
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