レインボーリボン メールマガジン 第130号 「世の中、捨てたもんじゃない」
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■■ レインボーリボン メールマガジン 第130号
■■ 世の中、捨てたもんじゃない
2025/1/31
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東京都葛飾区を拠点とするNPO法人レインボーリボンの活動報告、代表の緒方の思いをお伝えするメールマガジンを毎月、月末にお届けしています。
冒頭から私事となってしまいますが、私、出身は長野市です。
今月22日、長野駅で3人が殺傷された事件が起きたとき、すぐ近くで妹と食事をしていました。
店を出るのがあと5分早かったら、凶器を持った犯人と鉢合わせしていたかもしれないというタイミングでした。
逮捕された容疑者は電気・ガスが止められた部屋で一人暮らしをしていたといいます。
困窮と孤立の果てに凶行に至る事件が後を絶ちません。
2024年の子どもの自殺は過去最多の527人と発表されました。
こんな世の中で、でも「世の中、捨てたもんじゃない」と、1月には2人の口から聞きました。
1人は先月のこのメルマガで私の「未来日記」を読んでくださった方から、「10年後にこんな素敵な会話ができたら、日本も捨てたもんじゃない」と。
もう1人は、レインボーリボンのスタッフです。
「かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク」では学校の給食がない長期休み期間、栄養のある食事を用意するのが難しい家庭を対象に600円相当の食事チケットを発行しているのですが、この「冬休みごはんプロジェクト」のチケットが調布駅前に落ちていたそうです。それを拾った方から「落とした方はさぞお困りだろうから、郵送しましょうか?」という連絡があったと聞いたスタッフの口から、思わず出た言葉でした。
レインボーリボンは毎月第1・第3土曜日にフードパントリーを、第2・第4土曜日に子ども食堂を開催しています。
つまり毎週土曜日が活動日なのですが、今月の第1土曜日は1月4日でした。
まだ松の内から活動するのか、昨年末に何人かのスタッフに相談したところ、全員「活動する」と、即決でした。
もし第1土曜日が子ども食堂だったら迷ったかもしれないのですが、フードパントリーは経済的困難を抱えた子育て家庭に食料を配布する活動なので、休止すると困る利用者がいるのです。
特に年末年始、役所が閉まっている期間に心細い思いをしている方がいることを、私たちは経験から知っています。
実際、昨年末から「1月4日もパントリーはありますか?」と不安げに聞いてくる方もいましたし、1月4日の予約連絡で「お米がありません」と訴えて来る方もいらっしゃいました。
しかし、昨年夏頃から利用者数が増えすぎて、中にはかなりの世帯収入がある家庭も入って来てしまい、その分、本当に困っている方へのケアができない状態が生じています。
例えば、以前は、親御さんに障がいや病気がある家庭には、スタッフが車や自転車で食料を持って行くことが度々ありましたが、今は毎回70件を超える予約への対応でいっぱいいっぱいです。
このままではいけない…と思い、4月以降の2025年度は経済的な支援が必要な人に限定すべく、利用者の皆さんにお知らせしました。
↓「レインボーリボンのフードパントリー、「あおとこども食堂」にご参加いただく皆様へ」
https://rainbow-ribbon-net.org/news/2025touroku/
「子育て家庭」や「親に頼ることができない若者」に限定することで、来年度以降は対象外となる方もいます。
そんな方と公式Lineでやりとりしていたところ、今月3人目、「世の中、捨てたもんじゃない」の言葉をいただきました。
無収入で困っていたときに助けてくれた、思わぬ事故に遭って大変だったときに弁護士の先生を紹介してくれた、等々、感謝の言葉と共に、でした。
フードパントリーは2020年6月、コロナ禍で困窮世帯が急激に増える中、小さな子どもを抱えたシングルマザーへの緊急支援として始めました。
その頃、子どもに食べさせるために自分は食事をあきらめてガリガリにやせ細っていたお母さんが、その後、DVから逃れ、他の地域に移り住み、今では幸せな笑顔の写真を送ってくれます。
こども食堂もそうですが、世の中のことを学んで理解し、「こういう活動が必要だから」と準備して始めたのではなく、その時々の「勘」のようなものに突き動かされて、まずは動き始め、動きながら目の前の人、事象から学び、ちょこちょこと軌道修正しながら続けてきました。
9年前の2016年、こども食堂を始めた時も「子どもの貧困」という社会課題を十分に理解していたわけではありません。
当時、「子どもの貧困に、本質的解決を。」というミッションを掲げる認定NPO法人Learning for All(ラーニング・フォー・オール、略称LFA)の無料学習塾で勉強していた中学3年生をターゲットに、月に1回のこども食堂を開催し始め、やりながら、いろいろなことを学んできました。
その頃のことを語り合った座談会をLFAが素敵な記事にまとめてくれました。
認定NPO法人Learning for All「LFA‘s HISTORY」note
https://note.com/lfa_note/n/nd8f9b6594d73
今月は「成人の日」、「はたちのつどい」もありました。
↓「Fちゃんのはたちのお祝い」
https://rainbow-ribbon-net.org/mailmagazine/f-hatashi/
これも、たまたま「晴着を寄付したい」という方がいて、レインボーリボンのスタッフに振袖の着付けができる人がいて、「そういえばFちゃん、はたちだっけ?」という流れでした。
来日当初は日本語も英語も分からず、日本食が口に合わず、こども食堂に来ても一言も、一口も口にしなかったFちゃんが、こんなにも嬉しそうな笑顔を見せてくれたこと。
時々、こんなプライスレスな「ご褒美」があるから、私たちの活動は続いています。
(代表・緒方美穂子)
▼青少年育成青戸地区委員会 環境部講演会
「おうちで「性」を語り合おう――子育て世代が知っておきたい知識と考え方」
日時:2月2日(日)午後2時~4時
場所:青戸地区センター4階エポックホール
講師: 内田優子さん 助産師/看護師/保育士/公認心理師/認定NPO法人ピッコラーレ相談支援員
対象: 小中学生のお子さんの保護者、学校の教職員等こどもに関わる方
参加費: 無料
申込: 先着100名
申込フォーム: https://forms.gle/AjVd4jMctxiEuvKd9
▼かつしか区民大学「葛飾の子ども・若者はいま――不登校34万人時代のリアル」
日時: 3月16日(日)午後2時~4時30分
場所:亀有地区センター
内容:現役中学生にインタビュー、目々澤幸雄先生(葛飾区教育委員会・元中学校校長)のお話、グループディスカッション
対象:どなたでも(15歳未満は保護者同伴)
参加費:無料
申込:https://logoform.jp/form/Ehiz/834717
▼レインボーリボンのメールマガジン、バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。
http://rainbow-ribbon-net.org/category/mailmagazine/
▼レインボーリボンの活動を支えるご寄付をお願いいたします。
口座名義:特定非営利活動法人レインボーリボン
●郵便振替口座:00170-7-449974
●りそな銀行 青戸支店(店番号470)普通預金1520535
●寄付サイトGiveOne こども食堂・フードパントリープロジェクト
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20483
NPO法人レインボーリボン
〒125-0062 東京都葛飾区青戸3-33-5-103
電話:080-2838-0641
【アイコンの写真は、1月4日のフードパントリーで、重度障がいのある子がスタッフのために「お守り」を作ったよ~と持って来てくれた折り紙作品です。】