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世の中の大人に知って欲しい高校生の僕の声

僕は現在高校2年生ですが未だ家族に自分がXジェンダーであることをカミングアウトしていません。理由は簡単。カミングアウトを受け入れてもらえない確率が高いから。日常の言葉の中に「自分の家族がもしかするとLGBTQ+かもしれない」という考えが伺えないから。「女の子なんだから、足閉じて座れ」とか「彼氏は?」とか「女なんだから少しは料理できるように」とか。僕の心はそこまではガマンできました。だって、家族に悪気はごまつぶほどもないんですから。でも、心に刃を突き立てられるような思いをしたことは2度、あります。
一度目は家族でニュースのジェンダー平等について見ていた時。自分の体験を語るLGBTQ+の出演者を見た時の父の言葉。

「カミングアウトしてないんだったら、支援できなくて当然だろ」

ありえない。どうしてそんな言葉を平然と発せるわけ?心にぐさっと何か刺さりました。そこで僕は言ってみたんです。

「カミングアウトできない理由があるのかもしれないよ?きっと何かに困ってるんだよ」

自分の言葉が絶対に聞きたくなかった一言を引き出してしまいました。

「はあ?そんなことある?カミングアウトすらしないのに、権利ってさ」

僕の兄弟もそうだよねと横で頷いていました。カミングアウトしたって結婚すらできなくて、子供育てるどころか住む場所探しにすら困ってたりするのに。カミングアウトして人生が狂うことだってあるのに。アウティングのリスクだって24時間365日背負ってるのに あなたたちの目の前に当事者がいるのに。どうして当事者が近くにいるって思ってくれないんだろう?その言葉が今も心に刺さっています。

二度目は僕が制服をスカートからズボンにチェンジした時。母にズボンが欲しいという時、やっぱりカミングアウトする勇気がなくて冬場体調が……と言いました。父はきっと反対する。予想できたので、事後承諾でなんとかすることにしました。しかしいざ、ズボンに変えると父は想像以上に怒りました。

「何でズボンなんか履いてる?悪目立ちすることばっかしやがって!」

と言うんです。朝の機嫌が悪ければ、

「今は夏なのに、いつになったらスカート履くんだ?矛盾してるぞ、冬にズボンなんだろ?」

と言います。女子がズボンの制服を着ることは悪目立ちなのか?どうして僕を認めてくれないの?母は僕にもう少し暑くなったら、スカートにしようねと言いました。夏場男子はズボンが許される。じゃあ女子の僕は?

もしかするとこうやって苦しんでる人が世の中にはたくさんいるかも知れません。友達に理解されないことより、家族に否定されることの方が僕には苦しい。何の悪気もないなら、なおさら苦しい。お願いだから、自分の帰る場所に本当の意味で受け入れられていない人は僕で最後にして欲しい。

だから、大人に少し考えて欲しい。自分にとって何気ない一言が、育てている子の心に刃を突き立てたり、心を閉ざしてしまう理由になってるかもしれません。子供の性的マイノリティがうまく受け入れられなかったり、分からなかったりするのなら、いつだって僕が相談に乗ります。一緒に一生懸命考えます。
「もしかすると自分の育てている子はLGBTQ+かもしれない」
それを常に頭の片隅に置いて向き合ってあげてほしい。

最後まで読んでくださったことに感謝!ありがとうございます。

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