「記憶と音楽」by きたとうま
音楽とは、記憶の栞である。
音楽は、記憶から生まれる。
そして、
音楽は、あの頃の記憶を呼び起こしてくれる。
こんばんは。
R.a.F. ドラム担当のきたとうまと申します。
前回のコラムで松岡君が綴ってくれたとおり、俺たちのバンドRain after Flogs. では同じテーマを掲げて3人がリレー形式にコラムをまとめていく。
コラムの第一回テーマは「記憶と音楽」。
壮大なテーマにしてみたが、初回というのもあり半分は自己紹介のようなものになるだろう。
どうぞよろしく。
私の青春には、いつも近くに音楽があった。
小学生の頃に吹奏楽部に入部し、ビッグバンドの打楽器としてジャズを演奏したのが、私の音楽との最初の記憶だ。
中学生でバンドに誘ってもらったのをきっかけとしてこの歳までロックを続けてしまっている。
小5、中2、高2の頃にハマっていたものは一生好きなものと聞いたことがあるが、
つまり、その全ての時期、バンドにどハマりしていたのだ。
あとマンガ。
音楽をしている者は皆、感情の昂りと共に創作意欲が湧く。
青春の昂りは私にとっていくつかの大切な曲を生み出してくれた。そして、大切な曲と出合わせてくれた。
もちろん、曲単体で素敵なものも沢山あるだろう。
しかし、自分にとって最も大切になるような曲は聴いたタイミングや状況、環境とセットになってやってくる。
曲の中に自分の想いが重なっていく。
私たちは歳を重ね、少しずつ丸く、柔らかくなってきた。みんなあの頃とは違う。
どこかずっと疲れが残っている、そんな夜にふとあの頃好きだった曲を流してみよう。
そうしたらすっかり思い出せないでいた、あの頃の記憶を、ストーリーをまた読み返すことができるかもしれない。
忘れたんじゃない、思い出せないだけ。
ある映画で言っていた。
俺たちR.a.F.は、そんな曲を作っていきたい。
あの頃になる俺たちのために。
あの頃になる君たちのために。
音楽は、記憶から生まれる。
そして、
音楽は、あの頃の記憶を呼び起こしてくれる。
音楽は、記憶の栞だ。
Rain after Frogs.
Dr. きたとうま