「記憶と音楽」by Emma.
僕は子供の頃から音楽が好きだった。
だからギターを手に入れて、アンプに繋いで最初のストロークをして、正直言って痺れた。赤いストラトだった。
それからずっと僕は自分が特別な人間だと勘違いしてきた。
こんばんは。
初めまして。
さようなら。
R.a.F.のベース担当のEmma=sympson.です。
若い頃は「音楽は最高」「音楽は人生」だなんて稚拙なことを考えてた。
でも違った。
特別なんてことはない。僕は普通でも、特別でもない。生きることも死ぬこともなく、ただそこに横たわっているだけ。
それは最も恥ずべきことだと思う。無感情でいようとするスタンスは見る側の人間からすればなんの魅力にもならない。
「『果たして意味はあるか?』味の飴をずっと舐めてる気分さ」という歌詞がある。僕はそれだった。それが喉に詰まった。
僕はずっとこんな寂しい呪いを抱えながら音楽をやってきた。音楽をやっていて「楽しい」「やっていてよかった」と思う瞬間なんて1秒足りともなかった。
結局、音楽は僕を選んではくれはしなかった。
肯定も否定もない、砂漠のような環境でずっと音楽をやってきた。そしてこれからもこの2cmぽっちの砂漠で生きていくのだろう。
僕の渇きは決して癒されることはない。
人生で終ぞ音楽が僕を救ってくれることはなかった。だから僕は音楽が憎くて憎くて仕方がないのだと思う。
このまま音楽を続けていて価値が生まれるのだろうか?と思うこともある。
でも、僕は歩みを止めることはしない。というよりできない。
音楽からかけられた呪いは音楽でしか解けないから。
だから僕はこれからも音楽を続けていく。
大昔に自分で自分にかけた呪いを解くために。
ずっと。
Rain after Frogs.
Ba.Emma=sympson.