西炯子『娚の一生』
浦沢直樹先生の番組「漫勉」を見ていて、この作品に興味を持ったので原作漫画と映画をみてみた感想です。
原作
「漫勉」で西さんのことを知ったのですが、作風は「大人の女性が読む少女漫画」といった印象でした。この「娚の一生」が気になったのは、「歳の差恋愛、相手は51歳」という部分でした。ここがまず読む以前に好き嫌いの分かれるテーマだと思います。ここに少しでも嫌悪する人は読んだとしても何一つ楽しめないだろうな……という感じ。私は興味を持てた人間の部類に入ったため、読むに至ったわけです。
初めは、独特なノリと絵柄に戸惑いました。とはいえあまり女性向けの恋愛漫画は多く触れてこなかったため、「独特」と感じた部分が、西さん特有のものなのか漫画のジャンルとしてベタな雰囲気なのかは判別がつかないのですが…(すまぬ)
でも読み進めるにつれ慣れました。当初思っていたより、やわらかくて居心地のいい雰囲気。私けっこう漫画のセリフ回しで少しでもくどさとか説明っぽさとか、妙な違和感感じると気になって集中できなくなっちゃうんですけど、この作品はセリフ回しが無駄なく絶妙で、いい感じ。心地良いです。
海江田の教養の高さと観点の鋭さが鼻につく感じで、うぜー!腹立つ!んですけどそういうキャラ好きなので……さっぱりしたつぐみとのかけあいが良すぎる。はじめ彼について深く考えたくなさそうに見えるつぐみが、じわ…じわ…と彼に惹かれてく様子に、どんどん読み手の気持ちも盛り上がって行きます。
ていうか西園寺さんかわいいよな……!海江田の助手として西園寺さんが登場した時、「こ、これぞ少女漫画~っ!!」って何故か興奮しました。縦ロールの学長令嬢、当て馬臭を醸しつつ登場するわけですが、後半もなかなかつぐみにとって良きポジションにいてくれてます。名脇役でした。
他にも無理やり海江田を寝取ろうとした教授夫人とか、そういうの少女漫画ならではだな~と。出てくると面白いですよね。
あと「あさー!」て叫んでる太陽くんとか、人物の背景に添えられるお花とか、画面のお楽しみ要素、少女漫画特有の演出にときめきとワクワクがありました。
つぐみに共感できるか……というのは、まぁ結構共感できたほうだと思います。ただ私がこの作品の読者として実年齢と好みが合致していたからこそ共感できたし、作品をすんなり受け入れられたのかなと思います。わたしつぐみとほぼ同年齢なので……今これを読めたのはベストのタイミングな気がします。初見からじっくり何度も読み返しているんですが、読めば読むほどこの漫画に良さみを感じています。噛めば噛むほど美味しい、スルメみたいな漫画です。
映画
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0131O7WH0/ref=atv_wl_hom_c_unkc_1_5
映画も観ました。なぜかって海江田役がトヨエツだったからなんですけど、観終わった後も「これはトヨエツを観賞するための映画だ……!!」って思いました。眼鏡・タバコ・白シャツに腕まくり……ヒゲ……下駄……(しりとりか?)ってなもんで
なんか トヨエツが全身に性癖を纏って……?!!大変だよ……!!!
お祭りシーンもあって浴衣まで着て……た、大変だァ……!!!
終始トヨエツにハァハァしてしまった……すき……!!
なんか榮倉奈々ちゃんはつぐみを演じるには若すぎるような……。彼女のあどけない雰囲気も、つぐみのさばさばした感じと「何でもできる女」感とは合っていなくて、う~ん……となってしまったんですけど 榮倉奈々ちゃんが嫌いなわけじゃなくて、つぐみ役としての配役にう~んとなったのよね……原作のイメージに合わそうと思えばもっと他にいたんじゃないかと思うよ。なんか…わざとかな……?わざとそういうふうにしてるのかも分らんですけど とにかく彼女ではこうさばさばーっと海江田に対応するつぐみの気丈さが表現されておらず、ひたすら彼に困惑し嫌悪してる感じだけ出てたな……可愛すぎましたね。もう少し大人で美人系の人が合っていただろうに~
ストーリーもね……もう原作ありの映画化というパターンでは宿命だと思いますけど「端折りすぎて原作とのニュアンスが違っちゃう」という弊害ね……せいぜい百何十分の映画に全部詰めるのは無理ですから 仕方ないですけどね せめてつぐみの海江田に対する意識が大きく変わる、つぐみの職場での講演会のシーンは入れてほしかったなーとか思いました。できればこの漫画は映画じゃなくテレビドラマで見たかったなーと思いました。そっちのが合ってる。そしたらたったワンシーンしか出なかった西園寺さんももっといっぱい見れたのかなーとか。実写の西園寺さん登場してめっちゃかわいいー!てなったのにワンシーンだけって……おおん……!
まぁ…ともあれトヨエツが良すぎたのでなんでもいいです
あと、ゆっくりと流れてく田舎の空気、つぐみの住むばあちゃんのお家すごく良かったですねぇ…!大変ノスタルジックで、癒されました。
あと所々トヨエツの繰り出すシュールなギャグ要素に噴き出しながら観ました。なにあれ……つぐみの友人、秋本と薪を割るシーンはまじでシュールすぎてなにあれ……アドリブなんかな 原作には無い……なにあの「オネエてなに?」ってwwwww 初盆の集まりで親戚一同が記念写真撮るとこにヌゥっと入ってくるとことかもシュールの極みで……トヨエツだからこそできるギャグだなって思いました……とにかくつまりこの映画は「トヨエツを観賞するための映画」でした(私にとっては)
トヨエツは性癖……以上や。
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