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社長と社員の間で起こること 2024.9月

小さい会社だと社長と従業員の距離は近い。
近いのだが、お互いに担っている業務はあまりに見えてないことが多い。

距離が近いのに業務が見えてないとどうなるかというと、お互いに不平不満がたまるのと不平不満をどうにかぶつけようとするという動きになる。

社長は「経営判断」という論理的に見える言い訳を武器に、社員を詰める。
社員は「現場を知っている」という現実的な論点をもって社長に問いかける。

社員の話は客観的に見ても、論理的に成立しているように見える。現場の困り感はあるが、もっとこうすればお客さんにこういう貢献ができる、ひいてはそれが会社全体の利益につながるはずだ。という具体的なアイデアが生まれたりする。

しかし、従業員は社長から言われる「経営判断」という言葉に弱い。それを聞くと、「自分には見えてないものがあるんだな」「社長の方がやっぱり優れている」と感じ、自分の論理が偏っていたんだろうなという視点にもなりやすい。


社長は会社全体のことを見ている。その会社全体とは、会社の中のことに留まらない。会社の短期、中期、長期の行末を案じている。
会社が所属する業界のことも考えざるを得ない。
新しいお客さんを獲得し続けないと利益にならず会社が発展しない。
これまでの顧客は会社に大きな利益を与えないが大事にしていかないと、悪口たかかれたら1発で会社の信用を落としてしまう。
これまでのことを考えつつ、今後のことを考えないといけない。それに加えて、社内のことと社外のことを複合的に重層的に考えて行動に移していかないといけない。
そして、社長や経営層は会社全体のごく一部の人間で賄っている。関わりのある人種も固定化されがちで、それ故に見ている視点の幅が狭い、というリスクを追う。
しかしそれでも、「会社を前に進める」という点で代わりのタスクを負っている。見ている視点が狭くても会社を前に進めないといけない。判断をしないといけない。その重責を負い続ける。

うまく会社が回る時、というのはどういう時か。
うまく会社が回る時というのは、社長と社員がお互いの業務構造を理解している時ではない。
何をやっているかお互いによくわからないけど、この目標に向かってお互いに協力し合っていると認識できる時だ。お互いに何をやっているかわからないけど、お互いに今日1日のベストを尽くしてくれていると思える時だ。

もし、お互いの信頼関係が崩れている気がする時があったとすれば話し合いをするしかない。
お互いに腹を割って話す。そもそも腹を割って、ができないならその組織はバランスを欠いて遅かれ早かれ縮小の一途を辿る。
腹を割って話すというのは、指摘しあうということではない。お互いに「普段、どう言うことしている?」「普段、どんなことを考えてる?」というような、相手の考えに触れる、相手の立場に触れるような、相手に近づいていく会話を通して、本当に自分が考えていることは必要なことなのかの検証が必要だし、もし必要ならどうやったらそれが叶うのか社長と一緒に考える機会が必要だ。

曲がり間違っても「こっちはそういう風にやっているんだけど、相手がそうしてくれない」という論理にたったら、終わりの始まり。

相手が同じ土俵に立てないのは何故なのか、どうやったら同じ土俵に立てるようになるのか。一つの話題について話ができるのは今なのか。どうしたら話ができるようになるのか。


相手のことを考えながら、それでも自分の要求(会社の利益追求)を通すことをどこまで考えてあきらめないでいられるか。それが従業員には問われている。


そんなこんな。

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