第3回だいありートーク「同じ映画を見て感想を言い合ってみた」課題作品【ラヂオの時間】
今週もやります「だいありートーク」第3弾!
今回はこれまでとは趣向を変え、課題映画を決めて視聴後に互いの感想をトークすることに。
お題は三谷幸喜監督の処女作となった「ラヂオの時間」。年齢や性格もバラバラな3人の感想は全然違う感じとなっていて、人によって作品の捉え方は変わるものだなと感じる内容になっています(笑)。
見たことがある人も、まだ見たことがない人も、僕らのトークにどんなことを思うか楽しみです。では、だいありートーク、スタートです。
■そもそもラジオドラマに馴染みがなかった(笑)
らいまる(R):今回は「ラヂオの時間」と言うことで、何でこれにしようとなったんだっけ?
がーすー(S):いや、らいまるがこれにしようと言ったはず。
ぐっさん。(G):そうそう。
R:そうだったか(笑)。まぁ確か監督の誰かを選んで、その処女作を見ようと話した気がする。じゃあ、とりあえず感想を聞いていこう。ぐっさんはどうだった?
G:オレはあまりハマらなかったな〜。シンプルに仕事に対しての向き合い方みたいなのが、それが正当化されたら嫌だなと思う作品だったかな。
R:西村(雅彦)さんの演じるプロデューサーさん的な立ち位置な感じとかね。
G:そうそう。そのままストーリーが進んでしまって、作家さんもそれじゃダメじゃない?という感じだった。そもそも三谷さんの映画はもっとコメディに針が触れているイメージだったけど、そこまでコメディっぽくなく、仕事に対する中途半端さが目立っているなと気がしたな。だからもやもやしていた感じかな。
S:オレもあまり面白さを感じなかったかな。三谷さんの作品を何作か見ていて、ドタバタするテイストや出ている役者さんは三谷さんの映画だなと思ったけど、物語としては正直、何が伝えたいのかがわからなかった。
R:ストーリーがつまらないとは思わなかったけどな。最初はカメラの撮り方が面白いなと。一つの画面の中で役者が役を演じ続けることをしていた。それを撮り続ける手法が面白いなと。最近の物語をパッパと転換していくのではなく、流し撮りをしているのは面白なと感じたかな。それがリアル感というか、刻一刻と時間が過ぎている中で、誰もが時間との戦いをしていると。
G:一発取りみたいな感じね。
R:「24」ではないけど、時間軸の中で人々が動いている感じ。その短い時間の中で、何をしないといけないかを考えているのもわかるなと。
G:でも、あの中でああいう風に考えるのは違くない?オレがあの場にいたらキレてやめてしまいまそう(笑)。
R:その気持ちもわかるし、西村さんの言っていた「ラジオを止めたら終わりだ」という中で何と戦うかも理解できる。女優の人もそうだけど、理不尽とどう戦うか。
G:メッセージはそこだったんですかね?
R:そうは思わなかったけど、そういう目線で見てたかな。
S:そもそもラジオドラマが馴染みがなかったのが(笑)。初めて知ったというか。
R:そこは年齢差を感じるな。昔にアメリカのラジオで宇宙人が攻めてきたみたいなラジオドラマをやったら、本当にパニックになった話もあるのよ。
G:知らない(笑)。
S:最初の方に出てた「ラジオはテレビと違って人間の想像力で」みたいな言葉はすごくいいなと思った。
G:それはいいなと思ったけど、そんなにそれが強調されるわけではなかったもんね。
S:結局、ああいうドタバタ劇が三谷さんの映画なのかなと。
R:何かを伝えるというより、ドタバタの中で見えるものを視聴者がどう感じるかみたいなところかな。
S:だとしたら、処女作というのもあってもう一つだったのかな。進化している今の方が面白いのかなと。
R:いろいろ試している感じはあったよね。撮り方もそうだし。
S:あと西村さんは古畑任三郎のインパクトが強いから、何か霞むというか。
R:最後は唐沢寿明さんの映画みたいになってたしね。
S:鈴木京香さんも何かパッとしないというか。でも、三谷さんの映画はしっちゃかめっちゃかにさせたいから、脇からどんどん出てくる人が出てくる感じもある。最後のトラックの人とか。
R:渡辺謙さんね。
S:あっあれ渡辺謙さんなのか。全然違う人かと思った(笑)。
■三谷作品、作品の持つメッセージ。バラバラな見方を持つ3人
G:そもそも三谷さん作品は、二人は好きなの?
S:映画がやっていたら見るかな。ファンというほどではない。
R:見たやつはあるけど、見てないのもちらほら。ただ、いくつか見たけど三谷さんは、ハマるものとハマらないものがある印象かな。個人的には画の作り方は面白いと感じる。やっぱり舞台っぽい。物凄い面白い作品という感じではないけど、見どころのある作品だなと感じたね。
G:オレは完全にあれだったから、ちょっとキツかったかな。さっき、がーすーが言ったようにラジオドラマに馴染みがないのがつらかった。
S:それはあるよね(笑)。初めて聞いたよ。
G:あれを生放送で流すのもよくわからないし。
R:昔はまぁあったよ。画がないから声だけで想像して楽しむ。その現場がどうなっているかわからないわけで、聞いている側からしたら面白いのかなと。
S:でも、あんな感じのストーリーになったら面白いのかな?(笑)。
R:それが難しいところだよね。あれだけ変更されちゃうと。だからどこかで西村さんが元に戻そうと言ってくれる期待してたけど。
S:ただ、あそこまで変えちゃうというのは作家さんの作品自体つまらなかったのかな。
R:とはいえ、女優さんがいろいろわがままだったのが全てじゃない?
S:実際ああいうことって起きてたのかな?
R:昔の人はわーわー言っているイメージもあるから、そういうのも昔はあったのかなと思ったりもしたけど(笑)。
S:その中であれだけ変更して、あの短期間が合わせるとかめちゃ無謀な気がした。
G:スポンサーのやつとかね(笑)。でも、本当にしっくりこなかったのは、結局作品を通して唐沢さんとかが脚本の主婦に対して正当化しようとしたじゃない。それが納得できなかった。確かにああいう現場でどうしようもならないことがあっても、そうはなって欲しいというか。
S:脚本が絶対だからね、普通は。
G:そこを誰か一人のわがままを我慢してやらないといけないというのが、メッセージになるのは嫌だなと思った。
R:だから西村さんが止めてくれるのを待ってたんだけどな(笑)
G:それで最後、達成感みたいな感じだったから。割とこれまでみんなが書いているのを見て思うのは、その映画のメッセージを自分なりに解釈してみたいな見方じゃないですか。レビューが真面目な感じ。僕も映画で、この映画で何が言いたいのかと言う見方が強い。そういう見方で言うと、この作品はメッセージでいうと何も感じなかったなと。
S:仮に書くとしたら難しいよね。
G:だから肯定的な意見を聞きたかった。
R:これを書くとしたら、オレは撮り方の面白さとかを紹介したかな。「カメラを止めるな」ではないけど、起きたことをしっかりとした時間軸で追っていくところが面白いみたいな。90年代の映画だけど、当時見た人の方がより面白いと感じる作品だったんじゃないかな。
S:三谷さん自体がメッセージ性の強い作品を作る感じではないのかもしれない。大枠は似ていて、ドタバタして、裏で何かが起きる。最後はどうにかしてハッピーエンドみたいな。そんな気はするね。
R:そういう意味で言えば、ここからより面白い作品を作っていた感じを考えると、原点の作品ということを理解できる映画だったかもしれないね。
■編集後記
どちらかというと、肯定意見というよりは否定意見が多めな内容になってます。とはいえ、前述したように人によって見方は変わると思いますし、その当時の状況でも見方が変わるのが映画だと思っています。
数年後、また見る機会があって、その時はどういった感想を持つかはわかりません。作品があるかぎり、様々な人が様々な見方で映画を見る。そんな一面が見られるトークとなりました!
では、今回はこの辺で