【映画】アルゴ、クソ食らえ!【アルゴ】
皆さんは映画を見ようと決めた時に作品はどんな感じで選んでいますか?
自分の場合は、知り合いが勧めてくれた作品を見たり、Firmarksなどでパッケージや話が面白そうなものを選んだりすることが多いです。それとすごく面白い映画を見た時には、その作品の監督や役者さんの他の作品を見る、なんてパターンもよくありますね。
今回の作品「アルゴ」は、前回の「ゴーン・ガール」で主演を演じたベン・アフレックの作品を見ていこうと思ったところで辿り着きました。
個人的に昔一度見たことがあって2度目の観賞となったのですが、結構忘れているところが多かった(笑)。それでもスリル感満載で、最後までドキドキしながら見られる点でも面白かったので、今回紹介することにしました。
注目は、前述の「ゴーン・ガール」もそうなんですが、アフレックは髪が短いイメージだったんですけど、この映画では髪の毛が長いこと(笑)。そして、その風貌がめちゃ格好いい!この作品でアフレックは映画監督も務めているのですが、役者としても味が出ているのでベン・アフレック好きにはお勧めの映画です。
■1979年〜1980年の在イランアメリカ大使館人質事件を題材とした物語
まず映画の本題に入る前に、あらすじをざっと紹介しよう。
”あらすじ”
1979年、イランでイスラム革命が起き、パフラヴィー元国王が国外へ亡命を図った。これをアメリカが受け入れたことにイスラム教徒たちが反発。テヘランのアメリカ大使館を占拠し、52人のアメリカ人外交官が人質に囚われてしまう。
そんな中、占拠される直前に6人のアメリカ人が大使館を脱出。近くにあるカナダ大使館で匿われていた。彼らを救うためアメリカのCIAは秘密裏に6人の救出を計画。その手法は架空の映画「アルゴ」の制作をでっち上げて、6人を映画スタッフとすることでテヘランを脱出させること。様々な困難に立ち向かいながら、CIAの工作員トニー・メンデスによる救出作戦が始まる。
今作、何よりも衝撃的なのが、この作戦が実際に行われていたことにあります。
「SF映画のロケハンスタッフに身分偽装させて脱出させる作戦」と聞くだけで映画みたいな話なのに、これを実際に成立させ、救出作戦を成功させたという点で、すでに興味が湧きますね。その上で、この実話を基にして映画を作ったことに映画人たちの生き様を感じることができます。
映画の作りとしても非常に練られていました。過去の映像や写真を巧みに使いながらドキュメンタリータッチで見せる場面もあれば、CIA内部での作戦立案に至るまでの流れや映画制作をでっち上げるまでの流れには、一方でシリアス、一方で明るい演出を加えることで作品自体の独特な雰囲気をしっかりと作り込んでいった印象を受けます。また色の使い方一つまでこだわることで、より事件に対して意識を集中させられていく感覚を覚えました。
もちろんノンフィクション映画ではありますが、全てが史実通りに描いた作品ではありません。ただ、ありえないような実話だからこそ、この映画の全てがありえるように感じてしまうのは面白いなと思いましたね。
■ラストは圧巻の手に汗握る展開
個人的に興味深かったのは、この”映画スタッフで救出作戦”を思いついたのが、普及の名作「最後の猿の惑星」を見たこと。確かに昔の映画は舞台どこなの?ってくらい辺鄙なところで撮影していそうな作品が多いですが、あれを見て”舞台をイランにした映画を撮る”という作戦を本当に考えたならすごい。
もちろん猿の惑星のメイクアップアーティストであるジョン・チェンバース氏の支援を得ているので、実際にそうだったかもしれませんが、そうだとしたら本当にアイディアというのはいろいろなものに隠れているのだなと思いますね。
それと、やはりラストは圧巻でした。
特に終盤の脱出までに至る流れは、まさに手に汗握る展開。ここまで人の目につくような動きが本当だったら実際は捕まっているでしょう(笑)。それでも、やはりこれは映画。終盤のハラハラドキドキさせる持って行き方は素晴らしい。6人の外交官役にも、ここぞという場面があり、一気に引き込まれます。誰とは言いませんが、「あいつ、やるやんけ」と思います(笑)。
事実としてあった事件を新たに映画として描く。結構こういった作品はありますけど、今作はアメリカの歴史的に際どいところを突きながら、それでいてしっかりと映画作品として成立させた素晴らしい作品だなと。2時間が一気に過ぎていく感覚を味わえるので(こないだのゴーン・ガールもそうでしたけど笑)、ぜひオフの日に一度ご覧になってはいかがでしょうか。
■編集後記
ベン・アフレックの格好良さだけでお釣りがきそうな作品でした(笑)。
個人的にスリラーやサスペンス、ミステリーといった類の作品が好きなので、どんどん展開が進む今作はかなり好感が持てました。
もっと長くなってもおかしくないのに2時間でしっかりと作品を完成させているのはさすがです。
ちなみに今回の題名は作中に出てくるセリフ。それくらいの馬鹿げた作戦だったということがわかる名セリフです。
では、今回はこの辺で。