アルジェとマルロの大掃除
「マルロ、お掃除ニガテなのー」
「無論、それはアルジェも把握している事実だ。
ゆえに今年は、先手を打たせてもらった」
「うう……すみっコでこっそりほんわりやり過ごしてたら、大掃除、いっつもみんなが片付けてくれてるのに~なの」
こっそりほんわり。
では無いことも、アルジェはきちんと把握している。
『ううう~ はたきが届かないなの~』
『あれれぇ? うまくゴミが集まらないなの~』
などとふにゃふにゃぐにゃぐにゃしているうちに、周囲の手が集まってきて――結果的には、きちんと清掃完了していることも。
が。
「その、『みんなが片付けてくれる』に問題があると、アルジェは認識している」
「あ、アルジェ先輩、ちょこっと怖いお顔なの~」
「普段どおりだ。話を戻す」
「もっと怖いお顔になったの~!」
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?