3分で読めるレイルロオドのお話「梅雨とハチロク」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第35話「くまがわくるん」シーン3ネーム&字コンテ
6月ですね。
梅雨だのなんだの、6月らしい話題はたくさんありますけれど。
わたくしが6月に入って真っ先に思うのは
『今月末で、一年の半分が経過してしまう』
ということです。
――まこと恐ろしぅ存じます。
毎年毎年、年の瀬になると「今年もあっという間にすぎてしまってなんにもできなかった」的後悔にかられるので。
今年こそは、この6月から立て直し!
やるべきこととやりたいこととを、ひとつずつきちきち形にしていきたいと存じます。
わたくしのやるべきこと、の中には広報告知も恐らく含まれておりまして。
本日、6/1の20:00~
『レヱル・ロマネスクの聖地、人吉を盛り上げたい!イベント開催応援プロジェクト!』
に追加リターンが実装されましたこと、遅れ馳せながらお知らせ申し上げます。
こちら
聖地応援! サミット参加プラン
聖地滞在! 特別列車乗車プラン
の追加分の方は、この記事を書いております時点ではまだかなり残っているようでございますので――
もしサミット2024&2025参加ご検討されている方がいらっしゃいましたらぜひぜひ、チェックのほどたまわれますと幸いです。
で、やりたいこと、のメインである「もっと面白いお話をかけるようになりたい」を実現させてく場としたい
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネーム&字コンテの方は
前回掲載、第35話「くまがわくるん」シーン2
に続きまして、本日はシーン3分を掲載してまいります。
双鉄の意見が採用されたらしい感じでございますね。
このプロモートがどんな未来へつながっていくものか――
ご期待のほどたまわれますと幸いです。
で、本日の短いお話は、
冒頭では話題の切り口としなかった「梅雨」をテーマに書いてみたいと思います。
登場するレイルロオドはハチロク。
タイトルは「梅雨とハチロク」でございます。
どなたにも無償でお読みいただけますので、よろしければぜひご笑覧ください。
■ハチロク■
御一夜鉄道8620専用レイルロオド。
強い風雨は好きではない――が、
強い風雨にもっとも耐える動力車が蒸気機関車であることも熟知している。
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『梅雨とハチロク』
「御一夜の梅雨入りは早いのですね……」
「だな。まだ6月に入ったばかりだというのに」
帝都にいた頃より、体感で一週間は早いでしょうか。
その分はやく、梅雨明けもきっとするのでしょうけれど――
「……苦手か、梅雨は?」
「双鉄さまはいかがでしょうか?」
質問を質問で返す。
あまり品のよろしくない行為とはわかっております。
けれど、それでも……
どうお返事すればよいのか、わたくしにはとてもわからなくって……
「梅雨……というか、雨は全般、苦手に感じる部分もある」
「!」
双鉄さまの大きな手が、わたくしの頭の上に置かれます。
「きっとお前も同じだろうが――
ときに、古傷を傷ませるゆえ」
「!」
うなずきます。とても素直に。
わたくしがつけてしまった双鉄さまの傷。
傷つけたことを許し、わたくしを受け入れて――双鉄さまがまっすぐに伝えてくださるからこそ、わたくしもまっすぐにお答えできます。
「レイルロオドのわたくしは、損傷部品を修理交換できますけれど……」
双鉄さまの手をとって、そっと、ぎゅうっと両手で大事に抱えます。
「それでも、はい。未だ雨降りには痛みを感じることもあります」
「だよな。うん。とはいえそれは、決して不快な痛みではない」
そのお言葉に頷く資格を、わたくしは永遠に有し得ません。
だから静かに、双鉄さまのお声を聞きます。
「だから、雨は好きでもある。傷を洗って、癒やしてくれるのもまた雨だ」
つぶやくようにおっしゃられ――
「とはいえいまだ、雨三本には緊張するが」
――双鉄さまは、おどけてみせてまでくださいます。
おそらくは、わたくしの気を楽にしようと、そうお気遣いくださって。
「とても佳きことと存じます。油断するよりずっと、ずうっと」
ですので、わたくしもおどけます。
「雨三本――雨の日にはレヱル三本分、制動をはやくかける。
決して失念してはいけない、大事な安全の心得ですもの」
「だな」
微笑して。双鉄さまが、わたくしの目をじいっと覗き込まれます。
「お前はどうだ?」
「どう……とはなにがでございましょうか?」
「雨だ。怖くて苦手なだけか?」
「左様……ですね。いえ、ああ――」
思い出します。
「わたくし、帝鉄華やかなりしころには――雨降り、むしろ楽しみに思うことさえありました」
「ほう? なにゆえだ?」
「蒸機こそ、もっとも雨に強い動力車だからです」
「ああ」
重いからこそ、風雨如きに揺るがされない。
レヱルが無事であるのなら、蒸機はどんな雨でも走る――
「風に、雨に、動けなくなってしまった軽い子たちを。
わたくしとわたくしの8620は、何度も何度も救援にいったものでした」
「そうだったのか」
もう一度、双鉄さまがわたくしの頭に手を乗せて。
いいこ、いいこと、今度は撫ぜてくださいます。
「立派なことだな」
「ぁ……」
……左様です。
わたくしたちは救援を、むしろ誇っておりました。
「確かに、立派なことだったのだと――」
だから、雨降りが好きだったのだと――
「双鉄さまが、思い出させてくださいました」
;おしまい
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いかがでしょうか?
雨降り、わたくしは明確に好きな方でございます。
みなさまはいかがでございましょうか?
雨のシーンも増やしていきたいWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の過去話。
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それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。
どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。
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