WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第42話「過去からの絆」シーン3ネーム&3分で読めるレイルロオドのお話「汽子に聞こえる秋の足音」
9月も残り少なくなってまいりました。
一年を振り返る――には少し早いかもしれませんが、例えば年初に立てた「新年の抱負」を見返し。
その達成のために仕切り直しを……というようなことをやるのであれば、このあたりがラストチャンスになってくるものかと存じます。
みなさまは年初の抱負、たてられましたでしょうか?
その達成度、いかがでしたでしょうか?
わたくしは2023年末に、父の入退院、あかちゃんの誕生、母の逝去、と大きなライフイベントが立て続いてしまい、
年初は喪中であったので、抱負、立て損なってしまっておりました。
ので「ラスト3ヶ月」となる10/1を目処に、「2024年、最終四半期の抱負」を立て。
その達成のためのラストスパート、かけていければと存じます。
みなさまの抱負も達成されますよう、こころより祈念・ご応援申し上げます。
さてさて。
2024年かなりがんばってネーム切ったり切り直したりしております
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームと字コンテの方
前回は第42話「過去からの絆」のシーン2をご紹介しましたので
今回はシーン3をご紹介させていただきます。
https://note.com/railroma/n/ne65ba8861138
双鉄とハチロク、お互いの手をしっかりと取り合うシーンでございます。
メンバーシップ特典記事とはなりますが、よろしければご覧ください。
そしてこちらはどなたにも無償でお読みいただける記事となります
3分で読めるレイルロオドのお話のつきましては、
「秋の足音」をテーマに書いていきたく思います。
登場するレイルロオドは、汽子と紅。
キャラを決めたと同時にどう話をまとめるかが瞬時に頭に浮かんだ作品でございます。
タイトルは
『汽子に聞こえる秋の足音』
よろしければ、ぜひお読みいただけましたら嬉しいです。
■汽子■
名児耶鉄路ホジ6005形ホジ6016専用レイルロオド。
現役ではただ一両のみとなってしまった、蒸気動車のレイルロオド。
ローカル線の樺郡線をとことこ走り続けている。
■紅■
旧南颯鉄道キハ100形キハ101専用レイルロオド。
現所属は肥颯みかん鉄道。
汽子とはふしぎと馬が会い、週に数度は電話で話している。
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『汽子に聞こえる秋の足音』
「でさー、それだってのにれいながさー」
れいなさんのお話。
最近10回の電話の中で、数えること14回目になりますわ。
ライバルライバルといいながら――
紅嬢ったら本当に、れいなさんのことが大好きですのね。
「だから言ってやったんだ。『もう少し気をつけないとオーバーヒートするぞ』って」
「ああ、確かにそのとおりですわね。もう9月も終わるというのに、今日も気温、30度を超えましたもの」
ここ、樺郡でもそうなのですから、紅さんのいる九洲――
八ツ代やら御一夜やらでは、きっとひとしおなことですわよね。
「そうなんだよー、そりゃあさすがに涼しい日もちょこちょこ混じって来たけどさ。
こうも暑い日がぶり返してくると、夏、いつまで続くんだーってヤになっちゃうよ」
「あらあら」
そこについては、汽子、紅嬢と大きく認識が異なっておりますわ。
「汽子の秋は、とっくに来ておりますけれども」
「えー! そうなの!? この暑いのに秋って実感あったりするんだ!」
「ええ、汽子の秋は……秋の足音は、毎年毎年、とてもはっきり聞こえますから」
「どんな足音?」
紅嬢のキハ101が走る肥颯みかん鉄道は、ローカル線の雄。
鹿兒島、隈元両県からの補助金を受け、車両も保線も充実し、
定期客数も定期外客数も、一年を通じて大変安定していると聞いています。
「賑いの中だと、決して聞こえない足音ですわね」
「ってことは、ちっちゃな足音なわけ?」
「ちっちゃな……というよりも、むしろ無音というべきかもしれませんわ」
「無音の足音!」
紅嬢の声がわくわくとした色を帯びます。
汽子、まったくそんなつもりはなかったのですけれど――
どうやら謎解きめいた興味を抱かせてしまいましたわね。
「無音なのに足音なのかー。えー、なんだろ?
栗の実が木から落ちる――って、あれ結構バサっていくかー」
「汽子の樺郡線の輸送密度は、一日あたり2500人を下回っておりますの。
エアクラバス転換が検討されたとき、バス化に適正とされた輸送密度が一日あたり4000人でしたから……
いつ廃止され、バス転換されてもおかしくない路線なのですわ。残念ながら、何年も何十年も」
「けど! ずっと存続してるんだから、それってすごいことじゃない!」
「……ですわね」
その裏にあるのは樺郡0市からの補助金。
毎年実に七億円を超える赤字を補填するための、二億五千万円以上に及ぶ。
それが来年切れてしまえば――ああいえ、せっかくの紅さんとのおしゃべりの時間に考えることじゃありませんわね。
「ともあれ、一年のほどんどはがらんとしている汽子のホジ6016の車内が賑わう時期が、
年に数回だけありますの」
「どんな時期!?」
「……樺郡線沿線には、”わらべ汽車”という動態保存機も走ってる、"わらべの国”という児童遊園施設がございまして」
「ってことは――わかった! 春休みとか夏休みとか冬休みとか!」
「ですわね。こと、夏休みにはホジ6016の車内も賑わいます」
「超珍しい蒸気動車だもんねー! 外観もめちゃくちゃかわいいし」
「うふふっ、お褒めいただけ光栄ですわ」
実際、ホジを、蒸気動車を目当てに乗りに来てくださる子供さんもめずらしくありません。
車内ではしゃいで、走り回って写真を撮って――
長期休み中のホジ6016は、ちょっとした移動教室の様相とさえ言えましょうとも。
「おちびさんたちの明るい歓声で賑わうだけに、消え去ったときはしん……と静寂が際立ちますわ」
「あー、そか。それが、”無音の秋の足音”か」
「左様ですわね」
おちびさんたちの姿が消えて。
さみしいくらいにはっきり聞こえる、秋の足音。
「……汽子の秋はどんな年でも、夏休みの終わりとともに訪れますの」
;おしまい
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いかがでしょうか?
汽子には秋が似合うなぁ――とわたくしは思っておりましたりです!
そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。の過去話。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで
https://note.com/railroma/m/m6a3d8a98bd00
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それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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