
レヱル・ロマネスクサミット2024in人吉イベントリポート~day -1~ &レイルロオドの短いお話「すずしろ初の車内放送」
『レヱル・ロマネスクサミット2024in人吉』が、先日無事に完了いたしました。
ので、本日からしばらくの間は、イベントリポートを書いていきたいと思います。
思うのですが、イベント期間中に溜まってしまっていたあれこれのタスクへの取り組みが、わたくし史上最高というレベルで追いついておらず。
そこを焦る気持ちを、今かかえてしまってもおります。
タスクの方はおそらくあと1~2日でなんとかこなしきれるかと思いますので、本日のところは、レヱル・ロマネスクサミット本番がはじまるまで。
サミット本番前々日の、10/24についてレポートしていければと存じます。
■ Day -1 ■
関東圏から人吉に向かうのであれば、
羽田空港 →鹿児島空港 →高速バスかレンタカーで人吉入り
――というルートが、一番短い所要時間で済むものであるかと存じます。
ので、特別な事情が無い限り、わたくしは同ルートを選択することにしており。
けれど航空機は何かあると飛べなくなったりもいたしますので――
「人吉入りは基本、イベント前日」を旨ともいたしておりました。
けれど、今回は10月24日――10月26日に初日を迎えるサミットの、2日前入りをすることとなりました。
何故か――答えは簡単です。
「取材と台本制作をしなければならないから」
……わたくしに渡されたスケジュールには
<10/27 13:00~30分程度湯前まんが美術館の地域協力隊員のNさんとトークをしていただきたく存じます>
という文言と
<シナリオをご作成いただければ幸いです>
という文言とが併記されておりました。
しかしながら、わたくしが湯前まんが美術館について持っている知識は
「人吉を初めて取材した2013年に一度だけお伺いしたことがある気がする」

という程度の、まことぼんやりしたものでした。
また、オーダーには、
「どんなトークをすればいいのかの指示」
「湯前まんが美術館に関する資料」等も見当たりませんでした。
そこでわたくし、サミット開幕前日の10月25日を取材および台本執筆日にあて。
その前日である10月24日に、人吉入りを果たしたというわけだったのです。
鹿児島空港到着後はすぐレンタカーを借り、4泊5日の連泊をする「山江温泉ほたる」さんへと向かいました。
人吉市内はサミットに来られる方で混雑するだろうし、特に人吉始めてで土地勘の無い方は人吉市内の宿に空きがないと途方にくれてしまうだろう……と考えて選択した宿泊先でした。
この「山江温泉ほたる」は、サミットのメイン会場のひとつとなる「MOZOCAステーション868」から車で約10分。
特産品の「山江栗」とかわいいレトロバス「まろん号」

とで名高い山江村と、我らが聖地人吉市との境界付近にあり、実は大変アクセスがよろしいお宿なのです。
サミット中は何があるかわからないので、宿食は朝食だけとしてあります。
ので、お夕飯はほたるさん近くのレストラン正鈴さんでとり天定食をいただき。

返す刀でほたるさんへと戻ります。
ほたるさんにはもう一つ、素晴らしく大きな魅力がございまして――
「電気風呂も泡風呂も大浴場も露天風呂も、全てが温泉」なのです。
ので、ナトリウム炭酸水素塩泉での電気風呂という大変ぜいたくなものをわたくし堪能いたします。
と、すぐに気付かされます。
「電気風呂、めっちゃビリビリくる」
と。
温泉効果なのか、あるいは単に出力が高いのか。
電気風呂大好きなわたくしが、電極板にぴったり背中をくっつけられない――というレベルで刺激が強いのです。
これは、たいへんによろしいことです。
わたくしのようなシナリオライターにとってイベントごとは「肉体労働の場」そのものです。
あるいは歩き。あるいは喋り。あるいは列形成をし。あるいは混雑対応をし。
……肉体疲労は、執筆時のおよそ8620倍にもおよびます。
そして、披露した肉体の回復にもっとも役立つものが、電気風呂なのです。
というわけで刺激の強い電極刺激を、実質貸切状態のお風呂で疲労部位ことごとくに当てるため――
腰を、ふくらはぎを、足の裏を、肩を、背中をほぐすため――
人様には決してお見せできないポーズをとりつつ温泉電気風呂を堪能させていただき。
疲労回復、眠気増進を果たしましたわたくしは……速やかに眠りに落ちて、翌日の取材・執筆に備えるのでした。
////////////////////////
レポートの第一回はここまでです。
第二回では取材&台本執筆という、よりシナリオライターらしいお仕事の実際をリポートしますので、もしよろしければご期待ください。
さて、今回のレヱル・ロマネスクサミット2024in人吉のスペシャルゲストは、すずしろ役の声優、上坂すみれさんでした。
それにちなんで今回のメンバーシップ特典記事は、上坂すみれさんのすずしろが声でご乗車くださいました
2020/12月開催の 『真岡鐵道SLすずしろ号貸し切り』の 際の、すずしろによる車内放送の台本から、
「 くだり 真岡→茂木 」のものを公開させていただきます。
もしよろしければご笑覧いただけますと幸いです。
ということで、イベントリポート中の短いお話も、全てすずしろで書かせていただきます。
タイトルは 「すずしろ初の車内放送」。
こちらはどなたにも無償でお楽しみいただけるものとなりますので、ぜひご覧ください。
■すずしろ■

万岡鉄道C12 67専用レイルロオド。
女優レイルロオドとしても有名。
すずしろのマスターは、マスター兼マネージャーとして二足のわらじを支えている。
////////////////////////
『すずしろ初の車内放送』
「車内放送?」
御一夜鉄道の社長さん――雛衣ポーレットさん。
マネージャーが恐縮しまくっちゃうくらい、ふかあく頭を下げてくれてる。
「車内放送がどうかしたんですか?」
「はい。今回のイベントですずしろさんにご乗車いただく特別列車の車内放送設備が壊れちゃったんです」
「あらら」
「けど、今回すずしろさん目当てではじめて御一夜に来てくれたお客さんたち、とっても多いじゃないですか。
だから御一夜鉄道の、沿線の魅力――わたし、どうしてもその方たちにお伝えしたいんです」
「はい」
「だから、すずしろさんに、急な話で悪いんですけど」
「車内放送!!?」
意味がわかった。つながった。
思わずマネージャーの顔みちゃう。
「え? え? え? 車内放送って、だって、御一夜鉄道沿線の魅力って」
――すずしろ、御一夜はじめてで沿線のことなぁんにも知らない。
今回の御一夜入りしたのだって、急遽。
記念すべき第一回「レイルロオドサミット」の司会進行役予定だったハチロクさんが、仲国政府絡みの会合にマスターともどもどうしても出席しなくちゃならなくなって――
それで回ってきた代打司会をこなすため、だっただけのはずなのに。
(サミットの司会進行……それだけでもかなりの大役なのに――)
サミットの司会進行役がすずしろになるってニュースで流れて。
とってもありがたいことに、すずしろのファンの人たちが何人も何十人も、急遽御一夜に、クマにお宿をとってくれた。
その動きに気づいた御一夜鉄道の人が、さらに急遽すずしろと乗車できるイベント列車を企画して――
「ファンのみなさんと歓談しながら、のーんびり車窓を眺めて、美味しい石炭とお水をいただく……そういう列車、っていうお話を聞いてたような気が」
「もちろんです! もちろんそれが基本なんです! けど、車内放送ができないと、お客さんたち、絶対車窓の外に目を向けてくれないかなって思っちゃって。
それだと、御一夜の魅力……あんまりつたわらないような気がして……その――」
ああ。わかる。わかっちゃう。
逆の立場で考えちゃう。
万岡にハチロクさんが来てくれて、特別列車に乗車して。
そうしたらもうハチロクさんのファンのみなさん……
ハチロクさんに目を奪われて、窓の外なんて一瞬も見ない。
確信できる。すずしろだってそうなっちゃうに決まってるから。
けど――車内放送で次の駅の見どころとかがアナウンスされるなら、
きっとハチロクさん「まぁ、次の駅は桜の名所なのですか」とか自然に応じて、
絶対絶対、沿線の魅力をハチロクさんのファンのみなさんに伝えてくれようとする。
だって、鉄道の魅力を伝えることが、そうして鉄路をつなげることが――
すずしろたちレイルロオドの、第二の使命なんだから。
「あの……ね? マネージャー」
サミットの準備は怠れない。
予定を増やせばそのしわ寄せは、一番マネージャー……マスターにかかることになっちゃう。
「あ」
けど、マスターは頷いてくれる。
いっつもしてくれてるように、すずしろのこと、全力でひたすら支えてくれてる。
なら!
「特別列車じゃない、別の営業列車の中に、車内放送流れるやつってありますか?」
「あ、はい。キハ07sの車内放送設備は大丈夫です。流れます」
「なら、それにこっそり添乗させてください」
もらえますか? じゃなくて、ください。
そうできなければ、残念だけど、車内放送は引受けられない。
「もちろんです! ありがとうございます! あ、どっちのドアが開くかとか、資料ご用意いたしますね」
「乗って線見して覚えますけど……そうですね、念のため資料もよろしくお願いします。」
どっちのドアが開くのか、減速開始はホーム入線何秒前か、駅には何秒停車して、一般客さんの乗降にはどのくらい時間がかかるのか。
そこはすずしろがきっちり抑えて――
「あと……雛衣社長にも可能ならご添乗いただけますか? ご添乗の上、すずしろのマスター……マネージャーに、雛衣社長が伝えたい沿線の、各駅の魅力やみどころ、説明してあげてください」
「もちろんです! 本当にありがとうございます!」
「いえ」
雛衣社長も、わかってる。
何が必要な情報で、何が必要な準備なのかを。
ならこれで――マネージャーと雛衣社長とすずしろとの分業で――最低限の時間消費で、必要十分な準備をきっと、整えられる。
だから、見せる。
すずしろの一番明るい笑顔を。
せっかく来てくれるファンのみんなに――御一夜の魅力、たくさんたくさん知って帰ってもらうため!
「これがすずしろのお仕事ですから!」
;おしまい
////////////////////////
今回のレヱル・ロマネスクサミット。
26日のトークショーご一緒くださいましたみなさんがお感じになられたのと同じことを、わたくしも強く感じました。
『すずしろの解像度爆あがりした!!!!!!』
――その成果、短いお話に活かせておりましたら幸いです。
それはさておきすずしろも登場してくるWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。の過去話。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで
それ以降のまとめはメンバーシップ特典で
それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
///
【メンバーシップ限定記事のご案内】
『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』
にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。
掲示板では「3分で読めるレイルロオドのお話」の主役レイルロオドのリクエストなども可能です。
また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。
どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。
【製品版 WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』のご案内】
本noteでネーム連載をしております『レヱル・ロマネスク0』の完成品は、
WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。
よろしければこちらもぜひご覧ください。