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3分で読めるレイルロオドのお話「オリヴィ先生の語源教室」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第15話シーン1ネーム&字コンテ公開

先日わたくしは、プレイヤーさんのご紹介で、
博物館明治村の9号機関車の移送の見学をさせていただきました。

撮影してきた画像のネット公開はNGという規定だったのですが、
蒸気機関車の吊り下げ~トレーラーへの積み込みまでの手順等々はしっかり確認してまいりました。
他にも学芸員の方にあれこれご質問させていただいたりもいたしましたので、
そうした学び、いつかなんらかの形で表現できれば――と思っております。

で、その「なんらか」の最有力候補でありますところの
WEBTOON作品 『レヱル・ロマネスク0』

第14話「8620復活準備展示会」

に続きましての第15話。「機関助士のタマゴたち」のシーン1のネームがこちらとなります

任せられる部分は専門家に任せ。
自分自身が務めねばならないところに向かおうとする双鉄――なシーンでございます。

やるべきことをやる。

実に単純でごくあたりまえのことですが、それを透徹できるかできないかで、なかなかもろもろ変わってくるのかもしれませんね。

透徹という域には程遠くはありますが、わたくしもわたくしなりにやるべきこと、できうる限りきちきちと頑張って行きたく存じます。

そんなこんなで本日の短いお話は、コンプレッサーをお題……というか、話の起点として書いてみたいと思います。

登場するレイルロオドは、オリヴィ(他)。

タイトルは「オリヴィ先生の語源教室」でございます。

どなたにも無償でお楽しみいただけるお話となりますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

■オリヴィ■


実延鉄道で活躍していたⅨ号機関車と同時に輸入されてきた、冥国産のジェネリック・レイルロオド。
現所属は肥颯みかん鉄道。
幼い外観をしているが超大ベテランなため、いろいろなことに詳しい。

■「オリヴィ先生の語源教室」■

(あらすじ)
コンプレッサー整備の手を止めたその瞬間
「ああ」という納得を掴んだ双鉄。
その感嘆を、偶然オリヴィが聞きつけておりました。

///

「ああ――」

んん? この声、ソーテツだ。

「そういうことだったのか」

「なになに? 何がそーゆーことなの?」

「オリヴィ」

ソーテツの手にはレンチとコンプレッサー。
整備清掃してたみたい。

「いやなに、このコンプレッサーなのだが」

こんこんって、レンチの頭がかるーくコンプレッサーのナットを叩く。

「空気圧縮機ではないか」

「うん」

「空気を圧縮――プレスするもの。ゆえにコンプレッサーという名なのかと、不意に思ったのだ」

「Amazing! 大正解!! compressorのpressはそのまま圧縮のプレス!」

「ほう? ということはコンが空気か?」

「ぶっぶー、そっちは不正解! だって、空気圧縮機は正確には」

「ああ――そうか、エアーコンプレッサーだな」

「そそ。だからAirが空気! compressorのcomは、『一緒』とか『まとめ』とか、そんな意味!」

「なるほどなるほど」

ソーテツがうんうんうなずく。

「たくさんの空気をまとめ、一気に圧縮するから――Air com press or――なのだな」

「ダイセーカイ!」

さっすがソーテツ! 理解速いったら!!

「ならば……コンプレックスも同じ語源か?」

「um?」

「正確にはAirのように、”悩み”に相当する語が頭について――
悩みや苦しみを集めて胸の奥底に押し込める――というような」

「面白いカイシャクだねー! But! complexは com + plex。
pressとは全然かんけーないよ!」

「ああ、カタカナヨミだと『プレ』となるが――そうか、rとlの違いがあるのか」

「そそ。ちなみにcomplexのplexはplexus――アミメ状に入り組んでいる組織、っていう意味から来ているんだよ」

「入り組んでいる……ふむ」

「plexusの語源をたどるとラテム語のplectereになって、これは編むとか織るとかいう意味なんだって」

「たくさんの要素が集まって、幾重にも折り重なり編み込まれてしまうものがコンプレックス……といった印象か?」

「そんなカンジなんじゃないかなー、ラテム語まではオリヴィ正確にわかんないけど」

っていうか――『編み込まれ”てしまう”』って今ソーテツいってたよね?

「……そんなこと気にするなんて、なんかソーテツ、complexとかあるの?」

「コンプレックス……僕自身のか」

あ――オリヴィいま、ちょっと軽く聞きすぎちゃったかも。

ソーテツ、表情が消えちゃって……あ――ぅ――なんかさみしげなカンジになっちゃってるし!

「あるというより、抱えているな。なかなか手放せないものを」

「ah――」

どうしよう、これ、なにをいってもマズそーな――って!?

「双鉄様! こちらにいらしたのですか」

「にいにいたの!? もう、なんべん携帯鳴らしても出てくれんけん!」

「双鉄くん機関庫なんですか? わたしも用事が」

「そーてつさん、れいな、ちょうど聞きたいことが」

「うむっ!?」

――みんな一気にソーテツ囲んで。
あはっ! ソーテツ、表情ってかカオイロ! どんどん元気に戻ってきてて!!!

「I see! 確かに!」

ソーテツのまわり、オンナノコたち、もーアミメ状に入り組んじゃって!!

「ソーテツ! complex抱え込んでる!!」

;おしまい

///

いかがでしょうか?

たくさんの小さな物語をコンプレックスさせていきたいWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0。

どなたにも無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞ、あわせご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

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