
3分で読めるレイルロオドのお話「汽子の迷走」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第29話「列車とバスをつなぐもの」ネーム&字コンテ(全)
WEBTOONの勉強のため、スマホやPCでいろんなWEBTOONを読んでおります。
読みまくっているとだんだん面白さがわかってくるもので、
「続きが楽しみ!」と感じている作品も数多くなってまいりました。
反面、楽しく読んでいたはずなのに、「ん?」と感じさせられ、
続きがまるで気にならなくなり、読むのを中断してしまった作品……というのも、それなりの数ございます。
で、わたくし。
「続きが気にならなくなってしまった原因」を追求し、自分の作品からそうした要素を排除すれば、
わたくしの作品をよりよくできるのでは? と考えました。
以下が、最近のわたくしの「続きが気にならなくなってしまった原因」となります。
■ 目標としていた偉大な存在が、主人公の元カノだと判明した
→目標達成を目指すものたちの職業モノ作品、と読んでいたのに、一気に昼メロじみてしまって、読む気がなくなった。
■ 剣と魔法モノの主人公である放浪者が、いきなり学園に入学して学園編がはじまった
→学園モノがよみたいなら最初からそのジャンルの作品を探して読むのになぁ……となってしまった
■ サブキャラの回想エピソードが数話経過しても終わらない
→作者は描いてて楽しいのかもしれんがわたくしは読んでて楽しくない……となってしまった
――そんな感じです。
こうして羅列してみると、わたくしは
「主人公が主人公として、当初のジャンルの物語を継続していってくれる」作品が好きで。
それゆえに「主人公」や「ジャンル」がブレてしまうと、一気に読む気をなくすのだなぁ――と理解しました。
ということは、主人公が双鉄くん固定で、『鉄道による地域復興と、地域復興による鉄道復興を目指していく物語』を透徹して
『レヱル・ロマネスク0』を描きついでいけば、まぁまぁわたくし自身を裏切る物語になる可能性が下げられる――
のではないかとも考えました。
そのメインラインの上に、サブエピソードを適宜織り交ぜていくイメージですよね。
それはもう、初心というか基本というかなところかとも思うのですが。
それだけにあれこれわやわやしてくるとスポッと失念しやすくなるとこのような気もいたしますので。
この機にあらためて今一度、しかと心に刻んていきたく思います。
と、いったところで本日の
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネーム更新は
先日公開の
第29話「列車とバスをつなぐもの」の、全ネーム&字コンテの公開

となります。
ネーム/字コンテはメンバーシップ会員さま限定の記事となっているのですけれど
「アバンタイトル部」はどなたにも無償でお読みいただけますので、
もしよろしければそちらだけでもチェックいただけますと幸いです。
そんなこんなでございますので、本日の短いお話は
「迷走」をテーマに書いてみたいかと思います。
りいこが迷走――とかは珍しくもない感じですので、
迷走しそうもないキャラ――「汽子」を主人公としてみたく存じます。
タイトルはそのまま
「汽子の迷走」
――どなたにも無償でお読みいただけるお話となりますので、
よろしければどうぞご笑覧ください。
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■汽子

名児耶鉄道ホジ6005形ホジ6016専用レイルロオド。
石炭コーヒーをこよなく好むレトロモダンなハイカラお嬢様――
ではあるのだが、恋愛方面ではかなりの奥手。
■紅
肥颯みかん鉄道キハ100形キハ101専用レイルロオド。
広義での姉妹機であるキハ07形のれいなを強烈にライバル視している。
汽子とはレイルロオド・サミット以来の大親友である。

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『汽子の迷走』
(Trrrrr Trrrrrr)
「はいはいもしもし紅ですけど――って、え? 汽子っち!
珍しいね、電話くれるとか」
「紅嬢、突然すみませんわね。
と、いいますか――いまお電話大丈夫でしたかしら」
「大丈夫! ってか汽子っち、なにか悩み事とか?
声がいまいちずーんってしてる感じだよね?」
「……声に出てしまっていますのね。
お恥ずかしい――けれど、そうなんですの。
汽子、少しだけわからなくなってしまっておりまして」
「わからないって、何が?」
「マスタアのお考えです」
「っていうと?」
「話せば少し長くなってしまうのですけれど……」
――って、ほんとに長っ!!!
汽子っちらしくもなく、お話整理できてないっていうか――ええと――
途中から取り始めたメモの内容確かめて……っと――
「そのかわいい新入社員に? 汽子っちのマスターさんがすっごく親切なんだね?」
「いえ! マスタアは誰にでも……ことに、新人に対しては別け隔てなく親切な指導をしてあげるのです」
「すっごくいいことじゃんか」
「けれど、水森さ――当該の女性新人に対しては……なんというか、こころもち距離が近すぎるような気がして」
「ボディタッチとかしてる感じ?」
「まさかそんな! 汽子のマスタアともあろうものが、そんなセクハラめいたコンプライアンス違反を犯すわけがありませんわ」
「じゃ、どんな感じで距離が近いの?」
「ですので、その――目を合わせている時間が気持ち長いような気がするのです、他の新人に対する時より」
「はあ」
「あとですね、逆にメモヲ取ったりするのです。マスタアが。水森さ――その当該の新人女子と話しているとき」
「……それは、他の新人相手だとない行動なの?」
「一切、全く」
「よく見てるんだね、マスターさんのこと」
「当然ですわ! レイルロオドとマスタアですもの」
汽子っち……こんなキーキーした感じでマスターさんとも話してるかなぁ?
もしもそうなら――そうだとしたら――
「新人の子の話をメモるのってさ、いつごろからの行動なの?」
「つい最近のことですわね」
「それ以降、マスターさんが汽子っちになにかしたとかそういうのは」
「あります! プレゼントをくださいましたのです! 石炭配合の石鹸を」
「そっかー」
「それで汽子、もっと不安になったのです。マスタアはわたくしに、なにかやましいところでもあるのではないか、と」
「それって多分、汽子っちが迷走しちゃってるだけだよ」
「迷走? 汽子が?」
「そ。だって恋愛相談をさ? ハチロクさんにでもすずしろにでもなく、ボクにしてくる時点で相当迷走してるじゃん」
「――っ。い、いえ、その……恋愛、というわけでもなくて」
「そこを認めないから迷走するんだと思うけどなー」
「はうっ……」
「汽子っちがさ、その新人さんにヤキモチ焼いて、マスターさんにあたりつよくなっちゃったんだよ、きっと」
「……」
「で、マスターさんも汽子っちと同じくらいニブチンじゃん? いままで聞いてる話からすると。
だから、どうしてかわからなくって、こともあろうに新人さんに相談しちゃった」
「あ!」
「メモもプレゼントもその結果――って考えたらさ、全部がすっきり」
「……繋がりますわね、確かに。確かに」
ふっ、って、電話ごしにもわかる――汽子っちの自嘲の笑い。
それからうふふと、今度は汽子っちらしい笑い。
「となると汽子、少しも迷走していなかったことになりますわね」
「なんでさ!」
「だって、大正解でしたもの。相談相手が紅嬢で」
;おしまい
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いかがでしょうか?
レイルロオドとマスターと、関係もさまざまかとは存じますが、
紅と"相棒"は相当強固な信頼関係のようにもわたくし、感じております。
そんなこんなWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の過去話。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで
それ以降のまとめはメンバーシップ特典で
それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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