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3分で読めるレイルロオドのお話「前向きになれないハチロク」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第21話「回り始める動輪」ネーム&字コンテ(全)
10月も早くも最終盤で、
あさって、28日には人吉での
『レヱル・ロマネスクサミット2023』の開催を迎えます。
今回のサミットは
ロケトーンを利用して、
すずしろ(CV.上坂すみれさん)と一緒に人吉の名所をめぐれる!
というのが、極めて大きな目玉となるのかな? と存じます。
【要ご確認!】
— 進行豹@Webtoon作品『レヱル・ロマネスク0』ネーム連載中 (@sin_kou_hyou) October 13, 2023
レヱル・ロマネスクサミットin人吉2023では
「ロケトーンを使用した聖地巡り」がございます!https://t.co/b2VgG6t8gX
ガイドはすずしろ! (CV.上坂すみれさん)
シナリオ 進行豹です!
事前にロケトーンアプリをインストールしておいたほうがスムーズかと思いますので、ぜひ! https://t.co/AmHYv1ABS1
参加者のみなさまにおかれましては、どうぞあらかじめロケトーンアプリのインストールをいただけますと幸いです。
さらにはファンミーティングあり、配信ありと盛りだくさんな一日となってまいりますので、
どうぞイベント前日には無理することなく早めに休み、体調万全でご参加いただけましたらと願っております。
当日もどうぞ、よろしくお願いいたします。
さて。
現在鋭意ネーム連載中のWEBTOON 作品『レヱル・ロマネスク0』の方は
第21話『回り始める動輪』のネーム一式が揃いましたので、一気に公開いたします。
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字コンテともども、どうぞご笑覧いただけましたら幸いです。
ネームの方では、いよいよ8620の動輪が、逆進方向にではございますが、回り始めました。
そこで本日の短いお話は、『後ろ向き』をテーマに書いてみたいと思います。
こういうのはネガティブな性格のレイルロオドの方が面白く書けそうな気がいたします……
ものの、レイルロオドたち、基本的に根性が座ってて、根っからネガティブみたいなこは
いまのとこ登場してないのですよね。
(設定上は、「はこ」がかなりのネガティブキャラですが)
ので「時としてネガティブになってしまう」レイルロオドの代表格。
ハチロク先生を、今回は主役としてみたく思います。
タイトルは「前向きになれないハチロク」
どなたにも無償でお読みいただける話となりますので、よろしければご笑覧いただけますと幸いです。
■ハチロク■
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御一夜鉄道8620専用レイルロオド。
かつて大事故を起こしている。
その傷は、あるいは癒え、塞がることがあるのかもしれないが――決して消えることはない。
///
■前向きになれないハチロク■
「…………」
「どうした? 今日はやけにため息が多いようだが」
「ああ、いえ――」
双鉄さまに今ご指摘をいただきまして、はじめてそうかと思います。
ため息……確かに今日は、こぼれてしまっているのかと、
「――いまこのときが幸せすぎて……その所為なのかと存じます」
「ふむ? 幸せゆえにため息が出る――のか?」
「いまこのときが幸せだから――」
逆に、思ってしまうのです。
大事故機であるわたくしが、のうのうとこの幸せに浸ってしまっていいのかと。
わたくしの事故で安全性に疑問符を打たれてしまった8620形の妹たちの――
休車を、あるいは運用停止を早めてしまったかもしれないこのわたくしが。
その罪を償うことなく、幸せを堪能してよいものなのか、と。
「ハチロク?」
「その……ですね」
けれど心中の葛藤を、決して言葉に、わたくし、出すことはできませぬ。
双鉄様の傷の一部は、わたくしの傷の一部と重なり合って――そのままかさぶたとなっているゆえ。
「幸せに対し、わたくし、前向きになれないなぁ、と」
ですので、言葉を探します。
双鉄様にウソをつくなどありえませぬから――
ほんとうで。けれども真実そのままではない。
そこを上手に縫える言葉を。
「それが少しだけ寂しい気がして……だから、ため息をこぼしてしまっていたのです」
「特段」
まっすぐ――
双鉄さまがわたくしを見つめてくださいます。
「前向きになる必要はないのではないか?」
「え?」
とても意外なお言葉です。
けれども決してからかわれているわけではないと――
双鉄さまのまなざしが、まっすぐ伝えてきてくださいます。
「なぜ、前向きにならなくてもよいのでしょうか?」
「それはほら――逆機運転があるだろう」
「!!!」
逆機。
機関車のお尻を進行方向へと向けて、そのまま走っていく運用。
「逆機運転をしながらでも、列車はたどり着くではないか」
終着駅へ。目的地へ。
前を向かずともわたくしたちは、たしかに、たどり着き得ます。
「ゆえに大切であるのは、前向きであろうと、後ろ向きであろうと、ただ」
「目的地へと――進み続けること」
「かと、僕は思う」
双鉄様の大きな大きなてのひらが、わたくしの帽子の上にぽん、と置かれて。
「あ」
帽子を脱がせた手のひらが、今度は髪を、やさしく撫ぜてくださいます。
「幸せに対し、お前が前向きになれないことを嘆いていても――」
「はい、たしかにです。双鉄さま」
この手のぬくもり。
声の優しさ。
わたくしのつまらぬ悩みに、きちんと向き合ってくださいますこと。
「このまま――前向きになれぬままでも」
双鉄さまと、ともに鉄路にあれるのならば。
「わたくしは目的地へと、進み続けることができます」
;おしまい
///
いかがでしょうか?
たとえどれほどキャラが出ようと、最終的には双鉄とハチロクの物語であろうWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。
よろしければどうぞ、あわせご笑覧ください。
(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)
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【メンバーシップ限定記事のご案内】
『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』
https://note.com/railroma/membership
にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。
『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。
どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。