『加悦鉄道4号機関車移送のためのクラウドファンディング』返礼品「かよ」グッズの一部先行でのご紹介&3分で読める短いお話『ハチロクの、夏の疲れの特効薬』
雨台風の影響が中心から遠く離れたここ、埼玉でも凄まじいですが、みなさまお住まいの地域ではいかがでしょうか?
できるだけ被害少なく、みなさまご安全に乗り切られますようにと、こころより祈るばかりです。
さて、本日はレイルロオド『かよ』の設定・デザイン等でご協力させていただいております
『加悦鉄道4号機関車移送のためのクラウドファンディング』(24/08/30現在ではCF開始前となっております)
の、返礼品の一部である「かよのグッズ」について先行でご紹介させていただきます。
CFの主催である「加悦鉄道4号機関車保存会」さまからいただいた情報のうちの一部をお出しする形になるのですが、
ばばん! とかよが前面に出るグッズとしては
「タペストリー」
「アクリルスタンド」
などがあるようです。
また、SDキャラが実装されるものとしては
「マグカップ」
があるとお伺いしております。
(*複数のSDイラストを拝見してるのでこのSDイラストがマグカップに実装されるかはわかりません)
そのほかにもヘッドマーク風デザインのグッズやプレートデザインのグッズ。さらにはここでご紹介しきれていないキャラクター画像のグッズが返礼品となるプランもあるようですので――CF開始のその日を、どうぞいましばらく楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。
もちろん、CF開始となりましたら、このnoteやXでも、追随して告知させていただきます予定です。
さて。
前回更新でWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネーム&字コンテは。
第40話「工場誘致撤回調印」(全)をまとめて公開いたしましたので
本日はネーム更新お休みです。
かわりのメンバーシップ特典記事といたしましては、
いまは見ることが極めて難しくなってしまいました
「まいてつ」「さくら、もゆ。」相互SSコラボキャンペーン作品 from Lose
を掲載したいと思います。
もしよろしければご確認いただけますと幸いです。
で、短いお話もハチロク主役で書いてみたいかと。
テーマは「夏の疲れ」。
こちらはどなたにも無償でお読みいただけるお話となりますので、もしよろしければご笑覧ください。
■ハチロク■
旧帝鉄8620形蒸気機関車トップナンバー機8620専用レイルロオド。
ロールアウト後100年を超える老朽機のため「疲れ」は理解できるのだが
「季節の疲れ」はいまひとつ理解できていない。
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『ハチロクの、夏の疲れの特効薬』
「双鉄さま? 起きてらっしゃいますか?」
「ああ、ハチロクか。大丈夫だ。入ってきてくれ」
良かった! ふすま越しでもすぐわかります。
お声、元気が戻っていると。
「それでは失礼いたしまして」
お部屋に入ると、双鉄さまの汗の匂い。
わたくしの大好きな匂いではあるのですけれど、空気がこもってしまっています。
「少し、窓をあけますね」
「ああ、頼む」
「昨日今日でだいぶん涼しくなりましたから――」
窓を小さく開いた瞬間、ここちよい風。
双鉄さまが、きもちよさげに目を閉じられます。
「もう秋風とも感じるな。夏負けしておいて言うのもあれだが、まこと涼しく心地よい」
「夏負け、でございますか?」
「うむ? ハチロクの知らぬ言葉か? 言うなれば――そうだな、たまっていた夏の疲れが、季節の変わり目にドっと出てしまったということだ。夏負け、というよりも夏バテ、という方が一般的ないいまわしかもしれぬな」
「夏バテでしたら、たしかに帝鉄時代から、しばしば耳にいたしました」
あの清見機関士でさえ、ご体調を崩されたことがあるのですから――
「人間のみなさまにとっての夏は、よほど過酷な季節なのですね」
「ああ、そうか。レイルロオドは季節の変わり目に体調を崩すなどなさそうだものな」
「はい、恐らくはほとんどすべてのレイルロオドが、その”夏負け”とは無縁かと。と、申しますか――」
「気温差だな。それから疲労」
「!」
さすが、双鉄さまでございます。
”なぜ季節の変わり目にご体調を崩されてしまうのでしょう?”と聞くより先に、答えを返してくださいました。
「――人体の方が、恐らくレイルロオドより、むしろレールと似ているのだ」
「レールと――ああ、暑ければ膨張し、冷え込めば収縮する?」
「うむ。その繰り返しで金属疲労が出るだろう? 人体も同じように急激な寒暖差にさらされると疲労するのだ。
それが蓄積し、表面化して夏負けとなる」
「でしたら……お体を寒暖差に対応させるのがよろしいのですか? その上で、疲労を回復させてあげる」
「だな。寒暖差にやられるのは僕の場合、急に冷え込んだ後にとなるので――基本は体を温める。
そうして、栄養価が高く消化に良いものを摂取していくのがよいのだろう」
「だから、真闇さまも日々姫も、おかゆやスープをご用意くださったのですね」
「うむ。おかげでだいぶん回復できた。明日には乗務に戻れるだろうさ」
「それはよろしうございました」
本当にほっとし、嬉しいことです。
なのに――こころの片隅が、わずかにちくりと痛みます。
双鉄さまのご回復に、わたくし、ほとんどお役にたてておりませぬので。
「……話していたら少し喉が乾いたな。ハチロク、すまんが」
「かしこまりました。双鉄さま、なにが――あっ!」
「ハチロク?」
「ああ、いえ」
”なにを持ってまいりましょうか”――訪ねようとしたその瞬間に、思い出します。
真冬の、日々姫の常備品。
体を温め、栄養満点。
――そう絶賛していた飲み物のことを。
「すぐにご用意いたします」
台所のレイルロオド、見様見真似で酒粕を千切る、でございます。
あとはお鍋にお湯を沸かして、お砂糖をいれてなじませて――
「双鉄さま。おまたせいたしました」
「これは? ――ああ!」
破顔一笑。
双鉄さまはさも愉快そうにコップを光にすかします。
「甘酒か! 夏に甘酒とは意外だったが、なるほど、体を温め栄養満点に違いないな」
そのままひとくちこくりと飲まれ、しあわせそうな声をもらしてくださいます。
「うまいな。甘くて温まる。
それゆえ僕は――もっと甘く、もっと温かに飲みたいものだと願ってしまう」
「まぁ、双鉄さまは甘えっこさんですね」
喉に落とせば、異常燃焼につながりかねませぬ。
ですのでひとくち、お口に含んで――
「ん……」
双鉄さまに、ゆるゆる飲ませてさしあげます。
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いかがでしょうか?
夏バテに甘酒、実際よさそげに思えますので、わたくし明日、買ってまいります!
そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。の過去話。
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それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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