『レヱル・ロマネスク0』リブート版第5話「事故の痕跡」ネーム(全）&3分で読めるレイルロオドのお話「いよの企画きっぷ!?」
人吉温泉駅から本来ならばくま川鉄道湯前線で一本。
くま川第四橋梁が崩落しております現在（2025/02/21時点）では、公共交通機関を使うのならば
１：人吉駅前→代替バス→肥後西村→くま川鉄道→湯前駅
参）https://kumagawa-rail.com/page-715/
もしくは
２：人吉駅→徒歩→札の辻夫婦恵比寿神社前バス停→九州産交バス市房登山口いき→湯前駅
のどちらかのルートでのアクセスとなります湯前駅から徒歩数分
湯前まんが美術館
https://yunomae-manga.com/
にて
『「レヱル・ロマネスク展」』が開催されるとのアナウンスがございました
https://x.com/Aoinomori_Gaien/status/1892529935614435535
詳細はおいおい発表となっていくとのことでございますので、どうぞ続報ご期待ください。
わたくし個人の方はもう、今月ずっとあれこれの病院めぐりが続いている感じでございましたが、ついに、どうにか、落ち着いてきたかも――という雰囲気でございます。
ので、ここから腰を据え直し、あれこれのお仕事、こつこつとこなしていきたく存じます。
直近の最優先であるWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のリブート版のネームの更新の方は
今回で「第５話 事故の痕跡」の全ページが揃いましたので、まとめて一挙の公開をさせていただきます。
基本的にはメンバーシップ特典記事となりますが、
全5ページのうちの１ページ目だけは、どなたにも無償でお読みいただけるよう手配いたしましたので、よろしければそちらだけでも、どうぞご笑覧いただけましたら幸いです。
で、本日の短いお話は「企画展」をテーマに書いてみたいと思います。
登場するレイルロオドはいよとりいこ。
タイトルは「いよの企画きっぷ!?」でございます。
こちらはどなたにも無償でお読みいただけるお話となりますので、もしよろしければご笑覧ください。
■いよ
いよかん鉄道甲1形1号蒸気機関車専用レイルロオド。
いよかん鉄道の創業メンバーのひとりでもあるが、先輩面や古株面などは一切みせない。
りいことは第一回レイルロオド・サミット以来の大親友同士。
■りいこ
頭部鉄路5号機関車専用レイルロオド。
通称”虫愛ずるレイルロオド”。
以前は本当に昆虫にしか興味を持てない問題レイルロオドだったが、いよと知り合って以降は鉄道にも多少の興味を抱けるようになってきた。
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『いよの企画きっぷ！？』
「と、いうわけで困ってるぞね」
「春休みの、こども向けの、フリーきっぷかー」
フリーきっぷの企画会議は、頭部でもよくある。
マスターの書記をやらされることも多いから、門前の小僧習わぬ経をなんとやらで……
まぁ、いよんとこ――いよかん鉄道さんの狙ってるとこ、たぶんぼんやりとだけど、わかる気がする。
「こどもが乗れば、保護者の大人も乗るもんねぇ」
「そうぞね」
「で、春休みは夏休みほど長くないから、近場のお出かけ需要を掘り起こせる可能性が高い」
「そうぞねそうぞね！」
「だから、『いままで電車に乗ったことがない/普段あまり乗らない層のこどもたち』が興味をもって電車に乗ってくれるような企画きっぷを作りたい」
「そのとおりぞね！ すごいぞね！ 会議で営業部長がいってたこと、ほとんどまったくそのまんまぞなもし！！！」
電話口の向こうで、いよの目がまんまるになってるんだろうなぁって、そんな声。
「もしかしてりいこ、企画きっぷ作るの大得意だったりするぞね？！？」
「まさか。違うよ。けど、うちのマスターはたぶん得意な方。だから会議で、いろんなきっぷのアイディア出してきたから」
「なるほどぞなもし！ その企画案をりいこも記録しちょったんね」
今度はうんうん何度も何度も頷いてる。
声からだって、いよの仕草ならすぐわかる。
「そげなアイディアたくさんだったら、勉強させてほしいけんど……真似たらパクりになっちゃうきに」
「ならないよ」
「どうしてぞね！？」
「だって、頭部はフリーきっぷとか企画きっぷ、ほとんど発売しないから。
会議で『これは』ってアイディアが出て、みんなでいい感じにまとめても、どっかの段階で偉い誰かに潰されちゃうんだ。
『大頭部にこのような浅薄な企画きっぷは似つかわしくない』みたいな感じで」
「あやや……それはもったないぞね」
「そう。もったいない」
会社のことなんてどうでもいいけど、マスターが企画して立案して実現寸前までいって、どっかの誰かの鶴の一声で潰された企画きっぷとか――
それはやっぱりもったいないし惜しくもある――から
「だから、むしろいよんとこで実現化してもらえたら、りいこは嬉しい。なんていうのか、供養になるから」
「……そがいな事情じゃったら――真似させてもらって大丈夫なもんがあるなら、聞かせてほしいきに」
「むしろ真似してほしんだってば。マスターがりいこの立場を良くするために立案してくれたきっぷだから」
「どがいなきっぷぞね！？」
「『春の沿線虫取りきっぷ』」
「！！？ ピンポイントりいこ活用きっぷぞね！」
「そう。なんだけど、いよんとこに求められてる条件、全部みたせるんだ、これ」
「って、いうと？」
沿線各駅の虫取りマップ付きの、下車乗車なんどでもオッケーの、一日or２日間のきっぷ。
みつけた昆虫はスマホ写真でコレクトしてもらう。
集めた昆虫の種類に応じて、ちょっとしたノベリティもプレゼントする。
「なるほどぞなもし！ そげな感じじゃったら、確かに列車乗ったことないこどもさんも、たくさん列車にに乗ったりおりたりしてくれそうぞね！」
あ、って、いよの小さな声。
「じゃけんど……駅ごとにどの昆虫を捕まえられるかのマップじゃなんて」
「りいこが何回いよんとこに遊びにいったか、覚えてないの？」
「りいこ、もしかしたら作れちゃうぞね！？」
「もしかしなくても作れる。春休み期間のでも、GWあわせのでも、きっちり」
「じゃ、それお願いしたいぞね！！！ お礼は、ええっと――」
「別にお礼なんていらない。いよにはりいこ、いっつも助けてもらってるから、恩返し」
「って、いうわけにもいかないぞね。ええと、どげんお礼がいいか……」
ああ、いよ本気で困って悩んじゃってる。
……そういうことなら――えーと、あ、そうだ。
「じゃ、さ。企画きっぷが採用されたら、企画展も提案して」
「企画展？」
「そう。セミナーとか講習会みたいなの。
『いよかん鉄道沿線各駅・春の虫取攻略ポイント講座』的なタイトルで」
「あーーーー！ それいいぞね！ そん企画通ったら、会社のお金でお仕事として！ りいこにこっちきてもらえるぞね！！」
「うん。そうなったらまた虫取りできるし、いよにも会える」
「順番！！！」
受話器の向こう、いよがわざとらしくずっこける。
「虫が一番でワシ二番ぞね！？」
「ううん、違うよ。同率一位」
「あはっ！」
伝わってくる。
いよ、笑った。
ぱあってにっこり、超えびす顔。
「そりゃあめちゃくちゃ光栄ぞなもし！」
;おしまい
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――いかがでしょうか？
虫取りフリーきっぷ、どこかの鉄道事業者さんが実装してくれないかなぁ、とか一瞬思いもしたのですが、
いまどきのこどもさん、昔と比べると虫取り、しなくなってそうにも思えてしまいますね。
そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』（旧版）。の過去話。
どなたにも無償でご確認いただける0～7話はこちらで
それ以降のまとめはメンバーシップ特典で
それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。
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【製品版 WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』のご案内】
本noteでネーム連載をしております『レヱル・ロマネスク0』の完成品は、
WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。
よろしければこちらもぜひご覧ください。