3分で読めるレイルロオドのお話「れいなのヒーリングタイム」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第17話シーン1ネーム&字コンテ公開
暑いですね。
が、暑さ寒さも彼岸まで、と申します。
今年のお彼岸の入りが9/20だそうですので、ちょうどあと一ヶ月後です。
一ヶ月したら暑さが和らぎ、過ごしやすくなるかと思えばまぁまぁ辛抱も効くのですけれど、
9/20から一月もしたら今後は冬の足音が聞こえてきそうです。
一年、まことに早くすぎてしまうものでございますね。
レヱル・ロマネスク0の方も、本年中になんとか世に出てくれればと願うばかりでございますが、これはわたくし一人の力では全くもってなんともできないことでもございますので。
いまはただ、少しでも原作とネームの質を高めていけますよう研鑽努力重ねていきたく存じます。
読み手としてのわたくしは、WEBTOONの面白さ、魅力も、以前よりは遥かに理解できるようになってきておりますので、その学びの成果を創作にもフィードバックしていければ、と。
と、いうことで
現在鋭意ネーム連載中のWEBTOON 作品『レヱル・ロマネスク0』。
第16話『敷かれたレールの食い違い』のネームに続きまして、
本日からは
第17話『保線に詳しいレイルロオド!?』のネーム掲載をはじめていきます。
シーン1
ではまだ影も形もでてきておりません「保線に詳しいレイルロオド」。
果たしてそれがどんなレイルロオドなのか――
どうぞご期待のほどいただけましたら幸いです。
今回ネームの方では、れいながガチ凹みしてしまっておりますので、
短いお話の方ではれいなをポーレットに思い切り甘えさせてあげようかと思います。
タイトルは
「れいなのヒーリングタイム」
登場するレイルロオドは、もちろんれいなでございます。
どなたにも無料でお読みいただけるお話となりますので、よろしければお楽しみください。
■れいな■
硬上鉱山鉄道で自社発注されて製造された、旧帝鉄キハ07形気動車の同型機、硬上鉄道キハ07 02専用レイルロオド。
現在は御一夜鉄道キハ07s専用レイルロオド。
外観こそは幼いが、酸いも甘いも噛み分けまくってきた、いぶし銀のベテランレイルロオドという一面も持つ。
■「れいなのヒーリングタイム」■
(あらすじ)
寝落ちからの大失敗により、ずどーんと凹んでしまったれいな。
そんなれいなを元気づけるべく、
ポーレットはあの手この手でれいなを癒そうと試みます。
///
「わぁ~」
(ぱちぱちぱちぱち)
拍手と歓声。それから笑顔。
れいなにお歌を歌ってあげたそのあとの、いつものセットなんだけど――
「あ! そうだ、れいな、ふくらはぎマッサージしてあげるね」
「わぁい、ありがとうございまぁす」
――れいなの笑顔に、いつもの花咲く明るさがない。
あの失敗を、どこかでやっぱり引きずっちゃってる。
(れいなの居眠り癖の原因は、わたしたち人間が押し付けたもの。れいな自身の責任なんて全然ないのに)
れいなもそれはわかってる。
わかっててもなお、どうしても――
「はわわっ!? ポーレット、いまの、ちょっと痛いですよぉ」
「あ、ごめんね」
優しくさすって、ゆっくりやわやわ揉みなおす。
レイルロオドの人工筋肉は、人間の筋肉と酷似している。
パパもママも凝りやすい体質だったから、
ちゃんと集中できればわたし、それなりに――
「あふぅ、きもちいいですよぉ」
「よかった!」
……けど、ほぐれてるのは人工筋肉だけみたい。
くつろいでくれてる顔も、全然くつろぎきれてない。
(どうしよう、読み聞かせもお風呂も添い寝もお話もお歌もマッサージも効果が薄いってなると――)
おでかけとかいまは逆効果になっちゃいそうだし――
人間の女の子なら、スイーツとかで
「あ」
「え!?」
「あ、ううん。れいなまえに、ゼリーのこと『美味しそう』っていってたわよね」
「あ! 青りんごのヤツですねぇ。軽油みたいで美味しそうって、れいな、いまでも思ってますよぉ」
「なら!」
この間、廃油処理の業者さんに教わったこと。
「れいな、一緒にキッチンに来て?」
「はいですぅ」
「そしたら、スキットルの中の軽油をこの中華鍋にあけてくれる?」
「はぁい」
とぽとぽとぽ。
青緑色の軽油はほんと、青りんごゼリーの原料みたい。
「あのね? れいな。廃油の処理には、いくつか方法があるんだって」
「そうなんですねぇ」
基本はもちろん、固めて捨てる。
「その中には、ご家庭で簡単に用意できる材料を使う方法もあるって話で――」
軽油の着火点は250度。
けど、引火点は50~70度だから、絶対に火に近づけないよう注意しながら――
「軽油の温度を上げるんですかぁ?」
「そう、で上げながら軽油の中に」
(とぽっ、とぽっ、とぽっ、)
「わぁあ!? これ何ですかぁ?」
「ラード。豚の油で、415度が着火温度」
「こんな固まりでも、燃える油なんですねぇ」
そう。ラードは燃える。
だかられいながお腹の中に収めても、まったく問題なく燃焼処理される。
その上、ラードは
「わ、溶けてきましたよぉ!」
「うん!」
そうしたらすぐに火を止め、撹拌。
撹拌して撹拌して撹拌して、油温が40度以下にさがってきたら――
「わぁあ! また固まってきましたぁ」
『固めるテンプラ』とかとおんなじ原理。
ラード――豚由来の飽和脂肪酸は、油――軽油を巻き込んでも30度程度の温度に下がってしまえば
「わあああい! 軽油ゼリーができちゃいましたぁ」
「うふふっ! よかった。ね? 嫌じゃなかったら食べてみて」
「嫌なわけありませんよぉ!」
プリンカップにゼリーをうつして席へと座れば、れいなもすぐにわたしの膝に乗ってきてくれる。
「じゃ、はい。あーん」
「あーーーーん (もぐもぐ)――♪」
「あ!」
後頭部しか見えてないけど、はっきりわかる。
れいなの笑顔、やっとぱあって咲いてくれてる!
「とってもとっても美味しいですよぉ!」
;おしまい
///
いかがでしょうか?
れいなの笑顔もきっとほどなく回復できるはずなWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0。
どなたにも無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。
よろしければどうぞ、あわせご笑覧ください。
(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)
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【メンバーシップ限定記事のご案内】
『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』
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『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。
どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。
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