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3分で読めるレイルロオドのお話「しろがねのデート準備」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第26話シーン3ネーム&字コンテ
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的なツイートの目的にひとつに
「詐欺的手法にひっかかりやすい人たちをピックアップする」というものがあるのは、周知の事実かと存じます。
そのような行為を
「愚者欄の形成」と称している方を発見し、わたくし、そのネーミングセンスの良さに脱帽いたしました。
ネーミングには、力があります。
暴走族→珍走団 という言い換えは、かかる集団に憧れを抱く――ことを難しくさせるのではないかと想像します。
できちゃった婚→授かり婚 という言い換えは、かかる婚姻に対するイメージをネガティブからポジティブに変化させるように感じます。
「煎茶」に対して施された「おーいお茶」というネーミングは、商品に対する特別感を付与したことは間違いなく思われます。
古来「名は体を表す」と申しますが、昨今におけるエンターテインメント作品のタイトル群を拝見するに、
「体を表す名付け」の重要性は、ますます高くなっているのではないでしょうか?
わたくしはその辺、明確に不勉強でございますので、今後少しずつでも学びを重ね、
より効果的なネーミング、施せるようになっていきたいなと願っております。
さて、
シリーズ名+0というネーミングを施させていただきましたWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。
先日公開の第26話「観光列車のつくりかた」のシーン2のネーム&字コンテ
に引き続きまして、本日はシーン3のネーム&字コンテを公開させていただきます。
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ポーレット的には双鉄くんとのデート
双鉄的にはポーレットとの視察
――の約束が取り付けられる、というお話でございますね。
はたして実施のおでかけは、デート要素と視察要素、どちらが色濃いものになるのか、
どうぞご期待の上続きお待ちいただけましたら幸いです。
と、いうことで本日の短いお話は「デート」をテーマに書いてみたいと思います。
登場するレイルロオドはリクエストいただいたなかから
しろがね、で行ってみましょう。
どなたにも無償でお読みいただけるお話となりますので、どうぞご笑覧いただけますと幸いです。
■しろがね■
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關門鉄道EF10 23専用レイルロオド。
海底トンネルのスペシャリスト。
プリンス・オヴ・レイルロオドこと高嵜鉄道のランとは、特別な友情で結ばれている。
■ハチロク■
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御一夜鉄道8620専用レイルロオド。
並み居るライバルたちからマスターを奪取した実績により
一部レイルロオドからは「恋愛のスペシャリスト」的な敬意を集めている。
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『しろがねのデート準備』
「れいなから聞きました、なにやらわたくしに相談事だとか」
紅さんから紹介を受けたれいなさんのご紹介の、ハチロクさん。
正直、しろがねがお話しても大丈夫なの? って思うくらいの、レジェンドさんです。
けど――
「はい、しろがね、どうしてもご相談したいことがあります」
絶対に、失敗したくないことですから。
相手が誰でも、気後れなんてしていられません。
「相談は、ランさんに関することなんです」
「ランさん――プリンス・オブ・レイルロオド」
「はい、そのランさんが、今度わざわざ、しろがねに会いに下關まで遊びにきてくれることになって」
「まぁ、とても素敵なことですわね」
「だから、しろがね、ご案内がんばろうと思ったんです。それでランさんにそのことを伝えたら」
「ええ」
「『光栄だ。レディ・しろがねエスコートによる下關デート、大いに楽しみにさせてもらうよ』って」
「そうなのですね」
あ。ハチロクさん――やっぱり、すごい。
すごい余裕に満ち溢れてます。
この相談、ここまで話したときに紅さん「うわわわわわっ!?」って慌てふためいちゃって。
れいなさんも「ふわわわわぁ」ってびっくりしたのに――
「それでしろがねさんは、デエトコオスに悩んでいる、とか?」
「それもあります」
すごく自然に、とっても優しい――っていうか、むしろ嬉しそうな感じで、しろがねのお話聞いてくれます。
だから素直に、しろがねも悩みを吐き出せます。
「でも、その前にひとつ、大事なことがわからなくって。
『デート』って、いったいどういうことなんでしょうか?」
「とても大事な、大好きな相手と一緒の時間をすごすこと」
「!」
すらりと言って、ハチロクさんはまた微笑みます。
「紅さんに相談をして。れいなに相談をして。わたくしにまで相談するくらいなのですもの。
しろがねさんにとってランさんは、大切な存在なのですよね?」
「はい。大事で、大好きなお友達です」
「そうなのですね」
よく言えました――そんな感じの、包み込んでくれるような微笑み。
見ているだけで、しろがね、なんだか安心します。
「きっとランさんもおなじ気持ちでございましょうね。
だからあえて、『デエト』の一言を使った」
「あ」
「そうなりますと、恐らく一番大切なのは――
しろがねさんが、笑顔でランさんをお迎えすること。なのではないでしょうか?」
「――はい」
素直に言葉が、聴覚センサからタブレットまで染みていきます。
「それさえできれば、あとのデートはおふたりで作っていくもの。
考えすぎても、しょうがないことかと思いますよ?」
「はい!」
すごい。
しろがね、こんな余裕、きっと機能停止まで一回だって持てません。
余裕がしろがねの緊張をとかしてくれて、
とけた緊張は、一番自然な言葉になります。
「だったらしろがね、しろがねが一番自信をもったしろがねでいられる場所。
關門海峡トンネルを、ランさんにご紹介したいです」
「とても素敵な考えですね」
「鉄道トンネルじゃなくて、人道。しろがねの仕事場の一番近くを、ランさんと一緒に歩いて。
下關から門字港まで、ふたりで一緒に歩いて渡って」
「ええ」
人間のみんなは逆コースでいって、下關でふくを食べるっていうお話ですから、しろがねもそれに倣って――
「門字港のおともだち、D60 66レイルロオドのむむむさんにおねがいして、
築豊炭田で一番だっていう瀝青炭、わけてもらって、しろがね、ランさんにごちそうします」
「(ごきゅり)」
? なんでしょう、いま、不思議な音が――。
「そのコオスなら關門デエト、大成功間違いなしかと存じます」
……どうしてなのか。
ハチロクさんから、余裕が全部、一気に消えてしまって――
「それはそうとしろがねさん?
その最高の瀝青炭、一片だけでも構いませんので、わたくしにもお譲りいただけませんか?」
;おしまい
いかがでしょうか?
どんなルートを辿ろうと、決して変わらぬ根幹部分。
それこそが個性、パーソナリティというものかと、わたくしは認識いたしております。
そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0の過去話
、
どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで
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それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。
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『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』
https://note.com/railroma/membership
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また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。
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