見出し画像

WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第43話「台枠〇〇」シーン2ネーム&3分で読めるレイルロオドのお話「ハチロクの咳。双鉄の咳」

10月半ばに打つ文字列でもないと思うのですが、季節の変わり目でございますね。

秋から冬とも、夏から秋とも言えず、いっそ夏から冬への――とでもいいたくなるような。

急な寒さと、思い出したように戻って来る暑さ。

帯状疱疹ワクチン(2回目)を接種した直後に急激な気温変化に直面した寒暖差アレルギー持ちのわたくしの体はいとも容易く調子を狂わされてしまい、
発熱→関節痛→咳のトリプルコンボでほぼ2日を寝込むこととなってしまいました。

のですが夕方になり気温落ち着きようやく咳き込むことなしに行動できるようになってまいりましたため、
いまこうして文書をしたためております次第です。

10月26-27日には「レヱル・ロマネスクサミットin人吉2024」にもゲスト参加させていただきますので

この先体調しっかりと整えていきたく存じます。

ちなみに「咳が止まらないとき」。

わたくしが襲われるような「乾いた咳」なのか
「痰が絡む咳」なのか

あるいは熱があるのかないのか、などによって、原因も対象法も異なってきてしまうようです。

参)https://www.kanemura-clinic.com/cough/

咳が長引くようなら呼吸器内科にいって診察してもらうのが一番いいかとわたくし思うのですが、
週末などでそれが難しい場合の応急対応としては

「腹式呼吸をする」

「口を尖らせて息を吸う」

「加湿する(マスクするのも簡易的な加湿になるので、呼吸の邪魔にならなければおすすめです)」

「あったかい(というか、ぬるい。喉を刺激しない)もので、水分補給する」

――が、個人的には効果あるかとも思います。

ご参考までです。

で。
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の方は前回に引き続き。
第43話「台枠◯◯」のネーム&字コンテを公開してまいります

前回はシーン1を公開しましたので

今回はシーン2でございます

双鉄のシャワーシーンは本邦初では? と思いますので、
ご興味あればぜひご覧いただけますと幸いです。

禍福は糾える縄の如しと申しますが、
大人になってから喘息の診断をいただいたおかげでわたくし
”咳の機序”に多少はくわしくなりました。

ので、本日は「長引く咳」をテーマに短いお話を書いてみたいかと存じます。

タイトルは「ハチロクの咳。双鉄の咳」

どならにも無償でお読みいただけるお話となりますので、よろしければぜひご笑覧ください。

■ハチロク


御一夜鉄道8620専用レイルロオド。
なんだかんだで稼働100年を超えているので、あちこちの不調も少なくない。
ので、折をみては不死鳥博士にセルフ・メンテナンスの細かなノウハウを教わっている。

;////////////////////////


『ハチロクの咳。双鉄の咳』

「で、だ。ここを接続するとっ!? ――ごほっ! ごほっ、けほっ! ――ん、む。……すまん」

「大丈夫ですか? 双鉄さま。あまりご無理をなさらないでください」

「いや、全く無理など――っ――あっ――んんっ――むぅ……」

「咳、長引いてらっしゃいますね」

……確かにだ。
季節の変わり目にやられたか、もう四日ほど、きれぎれの咳が続いてしまっている。

とはいえ熱も全くないし、仕事中には不思議とおさまってくれている。
支障がないといえばないとも言えるのだが……周囲からみれば不快であろうことも間違いない。

「接客業でもあるしなぁ。火曜まで続くようなら病院にいくとしよう」

「連休中でございますものね。早く治ってくださいますこと、わたくしこころよりお祈りしておりますが」

「が?」

「咳を和らげる対処法など、もしお差し支えなければ、わたくし、お伝えさせていただけないかと」

「ほう」

「つい先日、不死鳥博士直々に教えていただいたのです。
『咳とは基本、喉が異物を排除しようとする反応ですからな。その機序と対処法とは、人間のものと大差ありません』――と」

「レイルロオドも確かに咳をするものな」

……思い出す。
れいなの咳はほとんど記憶にありはしないが、ハチロク、オリヴィ――ああ、特にみくろは咳き込みやすいような気がする。

「主に石炭を食べているとき」

「こほっ、けほっ!」

びっくりしての咳なのか、ハチロクが目を白黒させる。

「それも……その、炭塵が気管の方に紛れ込んでしまったときの喉の防御反応でございますね。
検知した異物を口から外に吐き出させるために、咳をする」

「ああ、それが咳の基本的なシステムなのか」

「と、教えていただきました。レイルロオドの場合はセンサ。人間のみなさまの場合は咳受容体というものが、異物感知の役目を果たすと」

「ほう」

「咳受容体の感度はレイルロオドの異物センサより圧倒的に優れているそうなのでございます。
病気になるとそれがさらに敏感になってしまい、例えば会話の際の喉の震えを異物検知とみなして、排出するため咳を引き起こすと」

「ああ、会話中に咳が出やすいのはそうした仕組みであったのか」

言った瞬間、ハチロクの指が僕の唇にぴたりと当たる。

「ですので、いまからしばらくは。双鉄さまにはお喉の負担を、できるだけ減らしていただけましたらと」

この程度なら平気なようにも思えるが、その油断によって咳を悪化させてしまってはハチロクを気に病ませてしまう。

だから、頷く。
頷けばすぐ、ハチロクはほっとした顔になる。

「と、いうことはでございます。咳を減らすためには、『咳受容体の感度を下げる』か『咳受容体に与える刺激を減らす』ことが重要になってまいりますね」

こっくり。

「咳受容体の感度は、炎症――腫れなどによって過敏になってしまうそうです。
ので、おくすりやはちみつ、温かい飲み物などをとることや、加湿すること。
あるいは安静を保つことなどで、これを抑えようとすることが、前者のアプロオチとなります」

「うむ」

「方や後者のアプロオチは、より直接的な方法となりますね。
まずは複式呼吸。
お腹の筋肉を使ってお腹を含まらせたりへこませたりしながらの呼吸をすることで、咳受容体への刺激を減らせるそうでございます」

”ほう”と感心を伝えるべく、少し驚いた顔を作る。

「さらには、口をすぼめながらの呼吸。これも一気に喉に流れ込む空気の量を減らせるために、咳受容体への刺激を減らせるそうでございます」

”なるほど”の頷き。
するとハチロクは姿勢をただし、右手、左手と順に人差し指を差し出してくる。

「双鉄さまは、『前者』『後者』どちらのアプロオチをお試しになられたいですか?」

右手が前者、左手が後者か。
後者の方が即効性が高そうだけれど、根治を目指している以上――

「前者ですね。かしこまりました――んっ」

「っ!!」

ハチロクの唇が僕の唇をぴったり塞ぐ。
そしてとろとろ、温かなものが流れ込んでくる。

(――なるほど、温かな飲み物か)

ゆえに、飲み込む。
……なるほど? 少しは喉が楽になったような気がしまいこともない。

「――お粗末さまでございました」

ぺこっと下がるハチロクの頭を抑え、そのまま左手の人差し指を伸ばさせ、握る。
前者がこれなら後者はどうか、試してみたい。

「双鉄さまは、治療熱心でございますね」

そしてふたたびゆっくりと、ハチロクと僕との距離が近づく。

;おしまい

;////////////////////////

いかがでしょうか?

ハチロクの治療、わたくしてきには効果ありそうに思われます。

そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。の過去話。

どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで

それ以降のまとめはメンバーシップ特典で

それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

///

【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

掲示板では「3分で読めるレイルロオドのお話」の主役レイルロオドのリクエストなども可能です。

また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

【製品版 WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』のご案内】

本noteでネーム連載をしております『レヱル・ロマネスク0』の完成品は、
WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。

https://x.gd/rNyIT

よろしければこちらもぜひご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?