
冬がはじまる合図
みなさんこんばんわ。レヱル・ロマネスクシリーズの原案、シリーズ構成を勤めます、進行豹です。
寒いですね。
暑さ寒さは彼岸まで――などという言葉もありますが、逆に、暑さ寒さの始まりって、明確な目印あるのでしょうか?
「暦の上ではもう夏/冬」という言葉が、”暦の上では”≒”実感とはまだ遠いけど”というニュアンスを内包している以上、立夏、立冬をその起点と考えるのも、どうも一般的ではなさそうな感じです。
ツイッターでゆるぼして、みなさまの冬のはじまりの合図を教えていただきましたところ
https://twitter.com/sin_kou_hyou/status/1594219092940304385
これも見事にひとそれぞれ、でございました。
そこで
「レイルロオドたちは、どんなときに冬のはじまりを感じるのかしらん」と思い、短いお話を書いてみました。
タイトルは
『汽子と紅との冬のはじまり』
登場するレイルロオドは、もちろん汽子・紅でございます。
もしよろしければご笑覧ください。
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『汽子と紅との冬のはじまり』
<あらすじ>
12月のイベントに向け、久しぶりにあった汽子と紅。
汽子のもこもこファッションは
冬、に関する会話のきっかけをつくります
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(登場レイルロオド紹介)
「汽子」(帝制鉄道院ホジ6005形6016専用レイルロオド)

<出身> 日ノ本 汽車製造会社製
<所属路線> 帝鉄→名護鉄に譲渡。名護鉄樺郡線(綺羅吉田駅→樺郡駅)
<能力・性格> レトロ・モダンなハイカラお嬢。
自分が1レイルロオドに過ぎず、人間の役にたつために作られた”物”であることを重々承知しているプロフェッショナル。
かつで、蒸気動車が大量生産されていたころには多数の姉妹の一員として平々凡々にふるまっていたが、大廃線で姉妹たちが残らずいなくなってしまったのちには、自分の外観や、日ノ本で唯一残った蒸気動車のレイルロオドという特別製ゆえ『人間がそうあることを望むようになった』ということを理解し、育ちのよい特別なお嬢様といった風情でふるまうようになったところ、もともとそうした素養が高かったこともあり、いつの間にか完全に身についてしまった。
性格面はそもそもガチのハイカラさんで、新しいもの・珍しいものが大好き。何事にも固執せず大変さっぱりとしている。(飽きっぽいともいえる)。
また、慎み深さも生来のもので、石炭をそのまま食べるのははしたないと考え、特製の石炭ミルでゴリゴリくだいてお湯に混ぜ、コーヒーに見立てて飲み干している。
性能的には世代落ち感が出てしまっているが、人気・集客力はいまだもって抜群の域にある、全国的に有名なレイルロオドの一体である。
「紅」(旧南颯鉄道キハ100形キハ101専用レイルロオド)

<出身> 日ノ本 河崎車両製 (キハ07準同型車)
<所属路線> 肥颯みかん鉄道(八ツ城駅→千内駅)
<能力・性格> もともと優れた気動車であるキハ07形唯一の弱点、足回りの弱さを改造した南颯鉄道キハ100形は実に優れた気動車であり、そのトップナンバーレイルロオドである紅も、車両性能にふさわしい優れた性能と、燃え盛る火のようなプライドと自信を持っている。
紅から見れば旧時代の遺物である蒸気機関車や蒸気動車、架線等の大型設備が必要な電車などは全て気動車より劣ったものであるので、『気動車こそが鉄路の女王』と心底から信じ込んでいる。
またそうであることを示そうともしつづけるため、極めつけの負けず嫌いで努力家。
愛社精神も極めて強く、自分の恥はみかん鉄道の恥だと考えている。
足回り補強の代償としてわずかに失われてしまった加速性能、最高速度をコンプレックスとしており、スピード勝負は徹底的に回避して、勝てる勝負だけを挑み続ける慎重さあわせもっている口調、行動ともにボーイッシュ。というかやや乱暴。
そこが風貌とマッチして、地元の乗客からは大変な人気を博している。
ハチロクやランや汽子のような全国区の人気を誇るレイルロオドとなり、みかん鉄道の定期外旅客収入の増加につなげたいと熱心に望み、改善努力を頑張ってもいる。