真闇とハチロクのアルバム整理
「真闇様?」
「あらま、ハーちゃん、起きとったの?」
「喉が乾いて目が覚めてしまったのです。
真闇様は――」
お手元、なにかたくさんの――
「……お写真、ですか?」
「そ。アルバム整理ばしようと思って」
「アルバム整理」
缶にはいったたくさんの白黒写真と、
台紙に貼って透明フィルムを被せるタイプの少し懐かしいアルバムブックと。
「古いお写真に見えますね」
「そ。じいさまの撮っとったやつ。じいさまのコレクション写真」
「汰斗様の」
「写真って、いまどきは特にだけど、めちゃくちゃな数たまっていっちゃうもんでしょお」
「そのようでございますね」
わたくしは写真を撮りませぬが、双鉄様をみているだけでも、容易に想像できることです。
何百カット、何千カット、あっという間にいってしまうと、楽しげにおっしゃられておりますし――
「じいさまのころは、いまどきのデジカメと違うて失敗写真もなんも、現像せんとわからんかったから」
「ああ! 現像された写真だけでも、すごい数になってしまうわけですね」
「そ、そ。やけんね? 単なるコレクション写真みたいなもんはアルバムに貼りきれんの。ばってん、捨てるにもしのびないけん、こうやってカンカンに放り込んでとっといたんだけど」
「はい」
「家族写真ば、やっぱりアルバムにいれたいけん、探し取ったの。
じいさまのコレクション写真の中から――」
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